自然系コース(理科)

記載責任者 村田 守

◇教員名簿

氏名 職名 専門分野 氏名 職名 専門分野
今倉康宏 教授 化学 香西 武 教授 地学
佐藤勝幸 教授 生物学 松川徳雄 教授 物理学
村田 守 教授 地学 米澤義彦 教授 生物学
粟田高明 准教授 物理学 工藤慎一 准教授 生物学
武田 清 准教授 化学 本田 亮 准教授 物理学
早藤幸隆 講師 化学 小汐千春 助教 生物学

 

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

 

◇自己点検・評価

1.学長の定める重点目標

1-1.大学院学生定員の充足

(1)目標・計画

①受験生の情報源としてのHPの充実する。
②学会・講演会等を利用し,学外で本学の紹介を行う。
③サイエンス普及活動により認知度のアップを図る。
④志願者とeメールで事前指導を行う。
⑤他大学教員・院生・学生に長期履修制度の説明を行う。
⑥大学院説明会等での,本学院生による説明と勧誘を図る。
⑦大学院のカリキュラムがネックとなって,受験を諦める志願者が多いので,大学院カリキュラムの変更(例えば,教育実践フィールド研究の選択必修化等)を,入試委員会と教務委員会で根気よく説明していく。
⑧入試方法について検討する場を設けたい。
⑨教員免許更新研修に積極的に取り組み,受講生に大学院進学の勧誘を行う。

 

(2)点検・評価

 上記の地道な取り組みにより,平成21年度大学院入学生4名を22年度は9名に倍増させることができた。また,JICA派遣の国際教育コース2名も受け入れ,実質11名と目標を大きく上回った。

 

<現職教員>
 理科卒業生へのアフターケアを行ってきたが,今まで彼らが派遣されたのは教育方法・生徒指導・現代総合・教職大学院と教育委員会が好む実践を主体とするコースであった。今年度もそのようなコースに派遣されている卒業生もいるが,卒業生の強い要望の結果2名を受け入れることができた。

 

<本学学部生>
 ほぼ全員が教員に採用されるために,大学院進学希望者は少なかった。進学希望者2名のうち,1名に定員割れが重大な問題になっている教職大学院への進学を勧め,1名を理科に1名を教職大学院に進学させた。

 

<他大学学部生>
 定員充足には,他大学学部生を受け入れるしかないので,勧誘・受験・進学を以下のように行った(重複学生あり)。
 ○卒業生繋がり:修士在学生の出身大学・学部・ゼミに情宣をかけ,徳大2名・岡理大1名が進学。
 ○大学院説明会:参加学生は各々1名ずつであったが,研究室案内や事前事後のメール指導を行い,参加学生全員が進学。長浜バイオ大1名・岡理大1名。
 ○メールによるきめ細かな指導:カリキュラム・教員免許・修士課題研究等多くの問い合わせに対してメールで対応し,長浜バイオ大1名・中国私費留学生1名が進学。 大学院カリキュラムでは,教育実践フィールド研究が導入当初から危惧していた通り,専門研究を行いたいという志望者の受験離れを招いている。これは多分,音楽・美術・体育等の実技系でも同じであろう。大学院は初等教員志望者だけのものではないし,高校教員や高校教員を目指す学生は専門の研究に集中したいと考え,受験を諦めている。22年度にコア科目・教育実践フィールド研究の見直しが行われるとのことであるが,大学院のフィールド研究は必修を選択科目にすることで,共存も図れるであろう。受験希望者から,大学院カリキュラム(教育実践フィールド研究)の問い合わせが来る度にドキッとして,また逃げられるのかと思うのは理科の教員だけではないであろう。大学院カリキュラムの緩和(教育実践フィールド研究の必修をはずす)をやらないならば,大学院定員充足はありえないことを肝に銘じて貰いたい。我々はもうこれ以上の努力は出来ないところまで来ているのだから。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

<教育支援>
 ○講義の際にも,採用試験をも考慮した説明を追加し,教科内容を充分学習できるよう指導し,学生・院生の学力向上を図る。
 ○院生に対しては,各自の希望を踏まえた研究課題を与え,各自が自主的に研究に取り組める環境を整備する。
 ○長期履修生に対しては,各人の学部教育を考慮して,きめ細かな指導を行う。
 ○SSHを始め,各種のサイエンス普及活動に積極的に参加させ,科学への興味関心を持たせる。

 

<教採対策>
 ○採用数の多い県・都市への受験を指導する。
 ○学生が就職支援室を積極的に利用し,また支援室の行事に積極的に参加するよう指導する。
 ○基礎ゼミでの自己紹介の仕方の指導・面接対策等,1年生から教採対策行う。
 ○教員採用試験対策を学生に個別指導する。
 ○学生・院生が教員となった卒業生・修了生と直接話す場を提供し,学生・院生のモチベーションを高める。
 ○フレンドシップ事業を充実させ,学生が理科の実験を通して,児童生徒と触れ合う機会を増やし,教員志望のモチベーションを高める。

 

<学生生活支援>
 ○少人数制教育の特徴を生かしたperson to personの教育を行い,卒業研究についても学生の自主性を重んじる。

 

(2)点検・評価

<教育支援>
 学部生・長期履修学生の学力不足が深刻である。学部・大学院の教育に支障が出るので,学生・院生の反応を見ながら,時には小学生の履修内容まで立ち返り懇切丁寧な指導を心がけている。それでも卒業研究や修士課題研究を行わねばならないので,授業とは別にゼミ等で手取り足取り指導を続けている。実地教育の期間は長いが観察中心で,授業や子供とふれあう時間が圧倒的に不足しているので,実験を通じて子供たちとふれあう機会を持たせ,子供の質問に答えられないことで学びのモチベーションを高めさせるようにしている。

 

<教採対策>
 教員採用試験の個別対策,個人面接用教材開発,個人面接・集団面接対策を行っている。また,講義やゼミの中にこれらを取り入れ,常に教採を念頭においた指導をしている。その結果,不況にもかかわらず新年度から行き先のない学生・院生はいない。

 

<学生生活支援>
 少人数教育の特徴を生かし,きめの細かい指導を行った。国際教育コースからの受託院生も,理科コース院生と区別なく接し,満足して帰国した。JICA派遣の過年度理科修了生の同僚が理科に進学したのも,理科コースの教育・学生支援体制が評価された証である。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①教員の研究方針については,各人に任されている。
②理科教室内はもとより,他コースや他大学の教員等との連携による共同研究を推進する。
③博士院生や外国人研究者の研究環境については,それを保証する。
④修士学生の研究課題については,本人の意志を尊重し,教員と議論の後,研究テーマを決める。研究の進展上,必要あれば指導教員の変更を含め,迅速に対応する。

 

(2)点検・評価

 研究成果を国際学会・国内学会での発表,国際学術誌・国内学術誌への投稿・印刷と,劣悪な研究条件下で努力している。教科領域の論文は,理学部や海外の研究大学の専門家との競合するもので,レベルの高い国際学術誌では投稿原稿が印刷になる確率が15%程度であり,印刷になるまでの苦労は並大抵のものではない。現行の個人評価システムでは,3日で書ける論文と受理まで数年かかる国際学術誌の論文が同じ扱いという信じられない評価になっている。そのために,絶対数評価では論文数が少なくなってしまう。このような評価が続けば,研究者として論文を書き続けるという高い志の教員はいなくなるであろう。本学が専門学校であるなら,現行の評価システムで良いが,大学と名乗るのであれば,大学人としての評価を行わない限り,自称研究は存在しても,大学人の目に耐えられる本当の意味の研究は存在しなくなるであろう。理科コース教員は,講義期間中は学生・院生の指導に忙殺され,各人の研究は深夜,休祝日,長期休業中限られている。論文は英語で書かなければならず,国際学術誌の厳しいレフリィングに耐えねばならない。そのために,努力したが論文は印刷されなかったということも出てくる。幸い論文が国際学術誌に印刷になったとしても,最後には,世界との競合とは無関係の評価を受けねばならない。評価は成果に見合った評価システムを作らない限り,何ら意味のない物になってしまう。理科教員の唱える研究は大学人の唱える研究であると思われるが,本学の唱える研究とはそうとうの乖離があるようだ。今後,このような点検項目に研究をあげる場合,研究とは何を指すのか定義をはっきりさせるべきであろう。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①大学運営に対しては,積極的に協力する。しかし,大学の方針に盲従するわけではなく,是々非々に対応する。
②教員の研究環境の改善に努力したい。

 

(2)点検・評価

①多くの大学行事に積極的に関わり,教員免許講習・連合大学院院生確保と外部資金の獲得にも努めた。
②学部・大学院カリキュラムの問題点も明らかにした。 これらについては,22年度に対処の検討を開始されたことに感謝申し上げる。
③教員の研究環境のソフト面の改善に大幅な進歩はなかったが,概算要求で大型機器をはじめ実験機材の拡充を行うことが出来,ハード面での改善ができた。これも会計課をはじめ大学当局の尽力なしでは実現できず,お礼申し上げる。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①附属学校とは,従来通り連携を深めていく。
②産官学連携に努める。
③教員免許更新研修等,教員との連携を深め,大学院進学の勧誘も行う。
④SSHや地域連携講座で,科学の普及に努める。
⑤JICA理数科教育研修にとどまらず,海外への調査・学術協力を行い,国際交流に努める。
⑥徳島県立博物館やあすたむらんど徳島との連携を通じて,生涯教育への貢献に努める。

 

(2)点検・評価

上記目標については,教員各人が分担し,全項目を実行した。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

<研究>
 劣悪な研究条件をものともせず,インパクトファクターの大きい国際学術誌に研究成果を発表する等,高い研究水準を維持した。これらの研究成果を学部生・院生の指導に還元し,彼らに科学の先端を体感さすことができた。

 

<教育>
 ゆとり世代の学力不足の学部生・院生に対し,根気よく基礎から教え,教員採用試験に合格させた。また,フレンドシップ事業をはじめ,自ら学びの機会を与え,自主的に学ぶ態度を身につけさせた。

 

<管理運営>
 教員免許更新講習等大学の運営に積極的に協力した。また,学部・大学院のカリキュラムの不備を指摘し,より良いカリキュラムの開発に向けて協力している。

 

 

お問い合わせ

経営企画戦略課
電話:088-687-6012