自己点検・評価報告書(工藤慎一)

報告者 工藤慎一

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 「学術の成果を次世代に伝える活動=教育」に携わる人材には,当然ながら自ら学術を修める以上の能力・資質が要求される。卒業研究等を通じてそのような人材育成に携わる本学の教員には,理学部や文学部等に所属する教員のそれに勝るとも劣らない研究レヴェルが要求されて当然であろう。従来通り,行動生態学の実証研究で国内をリードすることは無論,国際的にもインパクトを与える成果を挙げることを目標に研究を進めて行きたい(具体的には下の研究欄参照)。

(2)点検・評価

 以下の論文を国際学術誌に発表した:

 Kudo, S., C. Koshio & T. Tanabe (2009) Male egg-brooding in the millipede Yamasinaium noduligerum (Diplopoda: Andrognathidae). Entomological Science, 12 (3): 346-347. また,以下の論文を国内学術誌に発表した。山本亜生・林正美・工藤慎一(2009) 日本産ツノカメムシ科の寄主植物. 昆蟲(ニューシリーズ) 12 (1): 31-38.

 さらに,国際学術誌(Journal of Ethology)に新規研究課題の1報が受理されている。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 公的な競争的資金は税金から支弁されている。資金獲得自体が「目的」となり「評価の対象」となるようでは,税金の無駄遣いと言うしか無い。研究の内容に応じて,その実施が配当される運営費交付金等で賄えない場合に限って,(現在申請中の資金採択結果を踏まえつつ)過不足の無い範囲で科学研究費補助金をはじめとする外部資金の獲得を目指すつもりである。 

(2)点検・評価

 研究代表者として科学研究費補助金基盤研究(B)に応募した課題「親の投資をめぐる利害対立の進化的帰結:ツチカメムシ類の栄養卵生産と種子給餌」が採択され,現在,学外の研究分担者と共同で研究を進めている。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

 教室内セミナーなどを通じて,学生・院生の研究指導を熱意を持って行い,自然科学の最前線に触れさせることで,学生・院生の論理的思考能力の向上を目指す。

(2)点検・評価

 教室内のセミナーでは,行動生態学分野で最新の論文を選び,当該問題のレヴューとともに紹介し,学生・院生の発表に際しては建設的な批判・助言を与えて論理的思考を促した。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

 従来通り,「親の投資進化」に関する課題を中心に研究を推進する。特に,昨年度まで科研費を受けて進めてきた「ヒラタヤスデの繁殖生態」に関する研究成果を論文として国際学術誌に投稿し本年度内の受理を目指す。

(2)点検・評価

 昨年度まで科研費を受けて進めてきた研究成果の第1報を国際学術誌(Entomol. Sci.)に発表(学長の定める重点目標の点検・評価を参照),さらに1報を別の国際学術誌に投稿し現在審査中である。

 また,新規研究課題の成果が,国際学術誌(J. Ethol.)に受理されている。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

 学内委員会委員に就任した際は,教育部並びにコースと連絡を密に取って適切な活動を行う。

(2)点検・評価

 大学院入試委員会委員として,部並びにコースと連絡を密に取って適切な活動を行った。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

 日本動物行動学会の学会賞検討委員並びに雑誌のあり方検討委員として,学会賞設立や学術誌の改革に向けて審議を積極的に進める。 エディトリアル・ボードやレフェリーとして国際学術雑誌の編集に責任を持って携わり,日本の基礎科学に対する国際社会の信頼を損なわないように努力する。

(2)点検・評価

 日本動物行動学会の学会賞検討委員として,日本動物行動学会賞並びに日本動物学会日高賞の設立に尽力した。さらに,雑誌のあり方検討委員として学術誌の改革に向けて審議を進めた。

 Journal of Ethology並びにEntomological Scienceのエディトリアル・ボードとして国内外から投稿される論文の編集に携わった。さらに,Journal of Animal Ecology等の国際学術誌からレフェリー依頼を受け,投稿論文の審査を行った。

 附属小学校の理科授業講師,並びに附属中学校のLFT講師を務めた。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 

 

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