自己点検・評価報告書(小汐千春)

報告者 小汐千春

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 優れた科学研究を行うことができるもののみが,大学での優れた科学教育を行える以上,教育大学の教員としてすべきことは,優れた研究を行うことに尽きる。その上で,その経験やその成果を学生に還元するという大学教育に生かせるのである。 従って,本年度も従来から行っているウメスカシクロバおよびフタイロカミキリモドキにおけるsexual selectionの研究を,sexual conflictやpolyandry,selfish genetic element (SGE) など行動生態学における現時点での最先端の観点からひき続き行うとともに,講義やセミナー等を通じて学生や院生に還元していくつもりである。

(2)点検・評価

 研究については,従来から行っているウメスカシクロバおよびフタイロカミキリモドキの研究について,目標および計画に書いたことを十二分に行えた。また,学生指導については,他の教員についている修士の学生の研究指導の補助を行うとともに,講義やセミナーにおける助言・指導を積極的に行った。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 行動生態学の研究は,頭脳は必要であるが,必ずしも高額の資金が必要とは限らない。科研費を申請すれば,そして,外部資金を獲得すれば評価されるという現在の風潮には首をひねらざるを得ない。

 従って,不必要な場合は特に外部資金の申請を行う事は考えていない。申請にかかる労力を,論文出版等のアウトプットにまわす予定である。逆に,現在の研究の進展如何により,今後遠くのフィールドでの研究や遠くの研究者との共同研究などが必要となった場合にはそのための科研費申請などを行う予定である。 

(2)点検・評価

 これまでの研究により,特にフタイロカミキリモドキでは,地域個体群間の変異が大きい可能性が示唆されたため,来年度以降,さまざまな地域個体群について研究を行う計画をたてて,科学研究費補助金の申請を行った。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

 担当している講義「生物学の基礎」「中等理科(生物学分野)」と実験「生物学実験」「生物科学実験」を通じて,生物学の面白さ,生物学を学ぶ意義を学生に伝える。また,セミナー等を通じて,専門である行動生態学・動物行動学の最先端の話をわかりやすく興味深く伝えていくとともに,学生や院生の科学への取り組みを促していく予定である。

(2)点検・評価

 講義については,つねに最新の内容も盛り込みながら,また,学生の質問にも丁寧に答えながら行うことを心がけた。セミナーについては, 最先端の研究についての論文を学部学生や大学院生にわかりやすく丁寧に解説するよう心がけた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①フタイロカミキリモドキの研究についてsexual conflictの観点から更に発展させていく。

②ウメスカシクロバのpolyandryの研究について,genetic benefitの観点から研究を進めていく。

③ウメスカシクロバのフェロモンの研究をブルガリアの研究者とともに進めていく。

④論文をすみやかに作成する。

(2)点検・評価

①フタイロカミキリモドキについては沖縄の個体群などについても調査を行い,興味深い知見を得た。

②ウメスカシクロバのgenetic benefitについて,selfish genetic elementsとの関係も含めて共同研究を行い,既に結果を得ている。

③ウメスカシクロバのフェロモンの研究については,大きな成果が上げられた。

④これらの研究成果を国内外の学会で発表するとともに,論文として作成し,投稿した。うち1編は受理され,既に公表されている。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

 何らかの委員や入試関係の仕事がきたときには,責任持って遂行する。また,外部への情報発信の場としての生物学教室のウェブサイトを随時更新し,充実をはかる。

(2)点検・評価

 講座の会計担当として仕事を遂行した。また,生物学教室のウェブサイトについても随時更新を行った。全学的には振興会理事としての仕事を行った。更に,試験監督等も行った。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

 専門分野におけるさまざまな問い合わせや講演依頼・査読以来が来た場合は適切に対応する。日本鱗翅学会の評議員として学会運営に関与する。

(2)点検・評価

 9月に県立海部高等学校において高校3年生を対象に出張講義を行い,好評であった。また,鱗翅学会の評議員としての仕事も遂行した。更に,学会誌の査読の仕事も依頼に応じて行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 

 

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