芸術系コース(美術)

記載責任者 武市 勝

◇教員名簿

氏名 職名 専門分野 氏名 職名 専門分野
武市  勝 教授 版画(リトグラフ,コラグラフ) 長岡  強 教授 彫刻
西田威汎 教授 絵画 野崎 窮
(平成21年7月1日昇任)
教授 彫刻
松島正矩 教授 構成・デザイン 山木朝彦 教授 美術科教育
岩佐博久 准教授   小川 勝 准教授 美術理論・美術史
鈴木久人 准教授 絵画 内藤 隆 准教授 構成・デザイン

 

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

 

◇自己点検・評価

1.学長の定める重点目標

1-1.大学院学生定員の充足

(1)目標・計画

1.本学美術コースの在学院生に対し、どのような選択と期待で受験したかについて調査する。この結果を整理・分析し、特質となる点について強化を行う。
2.同窓会を活用し、すでに修了した現職院生との連絡からその前後の卒業生とコンタクトをとり、機会があれば受験の勧誘を行う。
3.美術制作者の専門月刊誌である「美術手帖」に院入試の広報を掲載する。
4.美術コースのホームページを更新し、院生の修了展・論文発表はもとより、個展、グループ展、コンクール展や公募団体展の入選・入賞、また学会等での発表などの制作・研究活動を対外的に公表していく。
5.コース内教員が知り合いの大学教員宛てに連絡をとるとともに、「大学院ガイドブック」「募集要項」等を送付、受験生の推薦を依頼する。
6.修了研究の中間発表に学部4年生も参加させ、進学への関心を促進する。
7.大学院につながるかは未定だが、社会教育人養成としての実技教育カリキュラムについてコース内で検討し、案としてまとまればプロジェクトとして提案する。

 

(2)点検・評価

1.明確な数値結果は出ていないが、①すでに入学した先輩からの紹介や勧誘、②学部での指導教員からの紹介、が多く、雑誌などの広告やポスターを見て、というケースはなかった。また、なんらかの形で紹介されたあと、ホームページを見、大学院説明会に出たというケースもあった。私立大学の文学部から来た院生は父親が教師であり、その紹介で教員養成プログラムに関心を持ったと話していた。大学院で教職免許取得が可能というのは魅力的であるが、それほど全国的には知られていないように感じた。また、コースとしての入学生確保は、広告媒体より個別の知り合いなどからの紹介が強いと思われた。また美術の場合、不況の影響を受けやすく、さらに教員定員も減少に向かっているため、現行の院定員は背負いきれないという声もコース会議で聞かれた。
2.修了生を軸に何人かと電話または直接出向いた。具体的な話にはならなかったが、希望として後輩の発掘支援を要請した。
3.本年度はコース会議で協議の末、雑誌広告の掲載を見送った。理由は、「学長裁量経費による支援がなくなったため、コース等経費を修了・卒業展などへの学生支援に充てざるを得ず、広告掲載費までの余裕がなくなったこと」、「大学院生に聞いても、『美術手帖』広告を進学の一契機にした者がいなかったため、少し見直すべきという意見があったこと」のためである。
4.ホームページは今年度も更新している。また、学生表彰を含めて新しいニュースもとりあげてweb公開している。
5.大学院案内は例年通り送付した。さらに修了・卒業展などの会場受付にも置いて適宜配布するよう指示をした。
6.学部生も中間発表に参加した。質問等は出なかったが、卒業制作・卒業論文作成上の刺激になったことと思われる。
7.これについては現在はまだまとまっていない。継続検討をしている状態である。問題として、①なんらかの形で学校教育の中の課外教育に携われる人材育成ができないか、②団塊の世代を中心とした大量の定年退職者たちの、再教育~生き甲斐としての実技教育の場が作れないか、ということであったが、免許や資格もない中で打ち立てていくのは難しいというのが現状である。機会を見てあらためて提案にこぎつけたいと考えている。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

1.美術コースの特性は、「美術の実技制作、美術あるいは美術教育に関する論文研究」である。この上に立った学生指導・授業改善を積極的に推進する。
2.卒業研究、修了研究の指導については、コースの全教員が指導する体制をとるとともに、学生にも関連のある領域に関しては積極的に質問等の交流を持つように呼びかける。
3.学生の進路・悩みなどの生活上の問題に関しては、コース会議で適宜取り上げるとともに、クラス担任やゼミ教員以外の教員にも相談に応じる体制をとる。
4.学生の自主的な運営による修了展・卒業展の開催を支援し、このことを通じてコース全体の融和と学生の目標意識を構築する。
5.限られたスペースの中で学生が意欲的に研究・制作に取り組むようにするため、年度ごとの領域の増減に応じ、適宜、演習室のレイアウトを見直し、修整をはかる。必要に応じて空き部屋の活用も提案する。

 

(2)点検・評価

1.本年度の美術コース教員スタッフは、実技系教員7人、理論系教員2人(理論系支援兼務教員1人)という態勢で、あとは嘱託講師である。教科の性格上、実技系での修了・卒業研究希望が多く、この配置が自然と思われるが、2年程度先においては実技系教員は3人退職の予定である。音楽コースと合わせての大学院35名定員をどれだけ支えられるかは、やや心もとない。今年度は学生指導に十分な態勢であったと思われるが、それでも工芸担当や教科教育での合をになう専任教員を欠いている状態であり、将来に不安を抱えてのコース運営ということもあり、これはしばしばコース会議や部会議で論議の対象となった。
2.本年度修了生の全員が実技制作、卒業生では1名が論文で、それ以外は実技制作であった。留年生については大学院は0、学部では2名出たが、1名は休学のためのものであり、もう1名は単位未了だが卒業研究は満たしている。また、大学院生の1名が実技制作で学生表彰を受けている。おおむね実技を中心とした学生指導は順調に推移した1年間と言っていいのではと思われる。
3.比較的学生については、会議の議題になるような問題は少なかった一年であった。ただ、前項でも記した1名の単位未了留年生については、サークルのリーダーなどつとめるほどなのだが、かなり基本的な必修科目を落としており、試験成績やレポートの水準が悪いとかいったことでなく、「一度欠席するともう行きたくなくなってしまう」といったようなことで未了となったことがわかった。クラス担任とコース長で本人とも話し、来年は絶対に単位を取るという覚悟を聞き、今後に期待するということを会議で報告し、全体で見守ることにしている。
4.経費と予約期間の関係で終了・卒業展を例年行っている県立近代美術館で開催できない可能性があった。M2生を中心に何度か足を運び、また他会場について経費や立地、意義などについて何度も協議し、最終的に例年通りの開催に落ちつき、コース長として安堵したことであった。案内状についても今年度は全教員・職員に配布し、同時に学内に掲示した。距離的にもかなり遠隔地であり、天候は必ずしもよくなかったが、全期間を通じて比較的入場者数は多かったことが報告され、コース全体、大学全体としての融和に貢献したと思われる。
5.演習室レイアウトの見直しはなかったが、小さなこととして、4階デザイン演習室の一部を木工用に変更したこと、D211、D214両研究室が空室のため、各々コース内での教室活用として一年間ゼミ室に利用していたものをさらに延長させてもらうこととなった。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

1.科学研究費補助金の申請も含め、積極的に外部資金の獲得をはかる。
2.実技系教員の、公募団体展、コンクール展、グループ展、個展等での作品発表を推進する。
3.学会等での学術団体における研究を推進する。

 

(2)点検・評価

1.本年度の科研による外部資金獲得は、小川准教授、山木教授の2名であった。申請件数は3件なので、採択率としてはかなり良いはずである。どうしても実技系分野には科研応募がそぐわないが、外部資金獲得のためになお一層呼びかけている次第である。
2.本年度の公募団体展出品は、日展、日彫展、白日会展、国画会展など(長岡教授、西田教授、鈴木准教授)。他には個展(西田教授)、グループ展(武市教授)などであった。
3.大学美術教育学会で、山木教授・山田准教授(教員養成特別)が発表した。また美術科教育学会で山木教授・山田准教授(教員養成特別)が発表を行った。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

1.全員が、部会議、コース会議で積極的に発言し、大学運営に寄与する。
2.各自が、委員として学内の各種会議に出席し、職務を遂行する。

 

(2)点検・評価

1.大学のセンター再編が行われた年であったこともあり、多くの会議で熱の入って論議が行われた。
  とりわけ、センター教員の「外数」をどう扱われるのかという問題については、部会議内でも意見の相違があり、美術のみならず多数の教員の発言があった。
2.各種委員会からの協議題、報告として毎月のコース会議で討議された。中でも前年度に1名の欠員となった学部入試の件については、システムのあり方について数回にわたって論議された。結論としては変更しなかったが、今後定員の減少化が続くようなら再度見直さざるを得ない。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

1.附属学校園で行われる授業研究会や実地教育にできるだけ参加して指導助言する。(附属学校)
2.初等中等教科教育実践(学部)、教育実践研究(大学院)の授業を通して、附属学校園との連携を深める。(附属学校)
3.公開講座を開講し、地域との連携に貢献する。(社会連携)
4.大塚国際美術館など地域の美術館との連携を図る。(社会連携)
5.外国人留学生を積極的に受け入れ、全員の協力で指導にあたる。また、留学生を派遣する場合も快く支援する。(国際交流)

 

(2)点検・評価

1.例年通り、研究会へ教員が共同参画し、附属小・中学校の研究活動を積極的に支援した。教育実習においても、学生たちへの支援や研究授業での助言を行なった。
2.初中等教科教育実践、教育実践フィールド研究では、学生指導をともに行うことで連携を深めた。
3.公開講座「デッサン教室」を今年度も開講した。
4.大塚国際美術館、大学、鳴門市の連携の中で、鑑賞教育のプロジェクトをコース教員が力を尽くした。
5.中国からの私費留学生1名、内モンゴルからの研究生1名、さらに韓国からの学部留学生1名を受け入れている。授業・生活面などにわたって多面的に指導を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 学長裁量経費が打ち切られ、財政的にはコース内予算はきびしい一年であったが、一方で科学研究費については3名申請し2名獲得という成果を得た。また、中国等からの留学生・研究生も3名を引き受けている。
 県内では学生の研究発表はさほど目立たないが、卒業・修了生による定期的なグループ展は阿波銀プラザを含め各所で行われた。大阪市の現代美術ギャラリーCASAでは毎年グループ展を行っている。また、国画展などを含めた公募展に出品して入選した学生も出た。教員・学生ともに活発に活動し、本学への貢献も含めての成果を得た一年と言えると考えている。

 

 

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