現代教育課題総合コース
◇教員名簿
氏名 | 職名 | 専門分野 | 氏名 | 職名 | 専門分野 |
---|---|---|---|---|---|
小西正雄 | 教授 | 国際文化論 文化間教育論 | 近森憲助 | 教授 | 環境教育 |
西村宏 | 教授 | 環境教育 宇宙地球環境科学 |
太田直也 | 准教授 | 文化間コミュニケーション論 英文学 |
藤村裕一 | 准教授 | 教育情報システム学 情報社会学 情報人間学 |
谷村千絵 (平成20年4月1日昇任) |
准教授 | 教育人間学 メディア論 |
*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。
◇自己点検・評価
1.学長の定める重点目標
1-1.コースの運営
(1)目標・計画
もっとも留意する点は,従前の講座制のよさを今後とも維持,発展させていくことである。総合学習開発講座は,その発足前の準備段階での会合も含め,これまで,ほぼ週に1回の頻度で,平成20年1月末現在で通算256回の会合をもち,教員相互の意思疎通に努めてきた。メンバーには全国各地あるいは諸外国で教育研究協力に従事する教員が多いので,全員が参集できない場合には,メール会議というかたちで情報交換をおこなってきた。 ヨーロッパ,アフリカと日本を結んで実施した実績もあり,その効果は全員が実感しているところである。今後も引き続きこのシステムを有効に活用して,通常時のみならず現代教育課題総合コース担当教員団(以下「チーム総合」)メンバーが世界各地に分散している状況下でもコース運営に支障をきたさないよう努めたい。
また来年度から「チーム総合」の定員が1名減の6名となったため,1人がいくつもの学内委員を引き受けることになるであろうと思われる。出張等での欠席の可能性が高まることも予想されるので,可能な限り「副担当」をあらかじめ決定しておき,主担当多忙の際でも情報伝達に遺漏なきよう体制を整える。
コース制の下では,従前の講座を越えて授業担当や学生指導担当を行うことが容易になるはずである。小コースはその性格上,他のコース担当教員の協力を得やすい内容を取り扱っているので,今後は積極的に外部の教員にも声をかけて,小コースへの協力をよびかけていきたい。
(2)点検・評価
今年度も原則として週1回コース打ち合わせ会をもった。休業期間中等は休会となるので,今年度の開催は21回となった。上記のようにメンバーには全国各地あるいは諸外国で教育研究協力に従事する教員が多いので,全員が参集できない場合には,正式の打ち合わせ会以外にも “メール会議”というかたちで情報交換をおこなってきた。またコース会計については担当の西村教授が一切を取り仕切り,「コース会計通信時々刻々版」と題するメールをとくに会計年度終了時間際には頻繁に送信し,コース予算の円滑な処理を行うことができた。 このシステムは他のコースにはない画期的なものと自負できる。上記の「副担当」については固定的にそれを割り振るよりも臨機応変に代理を決定する方が現実的であったので,その現実にあわせるかたちで遂行した。
1-2.大学院学生定員の充足
(1)目標・計画
平成20年度の募集に際しては,40以上の大学等にポスターを掲示したほか,各地の大学に積極的に広報したことが直接間接に奏功して,定員をはるかに超える合格者を出すことができた。20年度においてもこの流れを途絶えさせぬよう,より訴求力の高い内容のポスターを制作し多くの大学に掲示を依頼する。数としては19年度なみの40カ所程度を目途としている。職大学院設置にともない現職教員の多くが新設コースに流れている風潮があるので,現代教育課題総合コースとしては,以前にもまして私学へのアタックを強めたい。 目途としては20大学程度の訪問を予定している。なお,コース紹介ウェブページについては,大学ウェブページに先駆けてすでに今年度のうちに新コース名称を冠したニューバージョンに切り替えており,さしあたって大きな改訂の必要は認められないが,4月に完成する公式の「大学院ガイドブック」の記述内容との整合性を考えて,場合によっては改善する可能性もある。
(2)点検・評価
コースポスター(A2版)を制作した。今回は現代教育課題総合コースのユニークさをアピールするため,左上に「日本初」の文字を入れた。 またコースの研究・教育スタンスをより鮮明にするため,「実践とほどよい距離を保ちながら」というフレーズを挿入した。 このポスターデザインを表とし裏面に主要授業名,修士論文題目,ニュースなどを記載したA4版のパンフレットも作成した。 とくに裏面の「教育委員会からの派遣実績」というデータは説得力が高いと考えている。
このポスターならびにパンフレットの配布先は以下の通り。
修了生 21名,別府大学,近畿大学(10部),吉備国際大学(3部),佐賀市教育委員会,皇學館大学,弘前大学教育学部,山形大学教育文化学部,甲南女子大学,大阪府私立大学学長,尾道市立長江小学校校長,沖縄県立教育センター,愛知県総合教育センター,栃木県小学校校長お茶の水女子大学,藍住町小学校校長,大阪教育大学,奈良教育大学,中村学園大学,帝京大学,麗澤大学,日本大学,早稲田大学,法政大学,関東学院大学,駒澤大学,仙台市教育センター(90部),天竜川・浜名湖地区総合教育センター(60部),久留米大学,九州産業大学,福岡女子大学,別府大学(10部),佐賀県教育センター,宇都宮市教育委員会(約100)説明のみ,宮古島市幼稚園,小学校,中学校(合計40),米子市立福米西小学校教職員(約30名),放送大学対面授業受講者(15名),長野県下小中学校教職員(約60名),岐阜県華陽フロンティア高等学校教職員(約40名),福知山市立小・中学校教職員(約30名),富山県下小・中・高等学校教職員(約30名),全国情報教育担当教職員(約1000名),倉敷市立小・中学校教職員(約60名),全国学校事務職員(約100名),和歌山県下小・中・高等学校校長・副校長・教頭(約30名),青森県下小・中学校教職員(約60名),鳥取県下小中学校教職員(約30名),愛媛県下小・中・高等学校放送教育研究校教職員(約50名),徳島県下小・中学校視聴覚教育担当教職員(約50名),徳島県立盲学校教職員(約30名)
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
教職大学院設置の余波で,現代教育課題総合コース希望者のうち現職以外の院生の占める割合が急速に高まっている。 とくにいわゆる長期履修の学生比率が高くなってきていることに十分な配慮が必要であると考えている。 長期履修学生については20年度からM1段階では学部授業に専念させる体制ができるが,このことは逆に言うと,長期履修学生とそうではない学生との間に,同じ入学年度にもかかわらず,ある種のミゾが生じることも意味する。 このデメリットを回避するため,現代教育課題総合コースでは,詳細は未定であるが,少なくとも月2回程度,同じ学年が一同に集えるなんらかの行事を設定できないかと模索中である。
(2)点検・評価
長期履修1年生のアイデンティティ確保のための方策として,コース長による小集団面接を5月~6月に行い,履修状況その他を聴き取った。また7月下旬には院生のほぼ全員,教員全員が一堂に会してウチノ海総合公園でバーベキュー大会を実施し,親睦を深めた。その甲斐あって,教員側からの行事設定を待つまでもなく自発的に勉強会がスタートしたのは喜ばしいことである。また2月11日には「通常」,「長期」の別なく院生全員が修士論文口述試験を参観し,そのあと長期履修学生のゼミ選択ガイダンスを実施した。この流れは非常に効果的であったと考えている。
2-2.研究
(1)目標・計画
「チーム総合」の教員定員が6となってしまったため,学部必修授業「総合演習」の運営が困難になることが予想されている。「総合演習」は受講生を教員ごとのグループに配属させ体験的活動を行っているが,1グループあたりの学生が増加すると,必然的に体験的な活動にかなりの制約が加わってくる。しかしながら,本学の「総合演習」は,文科省の視察でも高い評価を受けるなど,教員養成系大学,学部の模範となるような内容をこれまで維持してきており,安易に現在の体制を変更することは許されない。したがって,定員6という新たな状況下でのこの授業のあり方をどのように模索していくかが,コースの最大の研究課題となっている。
(2)点検・評価
「総合演習」の運営については,今年度は6人体制ではあるが従前の方式で乗り越えることとし,5つのグループを編成した。 当然のことながら2つのグループで学生数が35人を越えるという状況となり,研究以前の問題としてグループ運営に難渋を極めた。 来年度はさらに担当者が減り実質3人となるので,「総合演習」のあり方を根本的に改めねばならない。そのための検討作業を2月に開始した。 これは新年度への継続研究課題となっている。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
教職大学院とならんで現代教育課題総合コースは,大学の今後の長期計画の方向にも大きな関与が期待されている。その1つがサテライト事業における小コースの関与である。サテライトの運営については,その労働負担,必要な費用等の面から,現存のすべてのコースがそれにタッチすることははなはだ困難である。その場合に,教科横断的,問題解決的な方向を志向する小コースが,他のコースをある程度代理(代表)するかたちでこれに対応するというのは予想される現実的な選択肢の一つである。 今後は執行部との緊密な連携のもと,その可能性をさぐっていきたい。
(2)点検・評価
藤村准教授を中心に遠隔教育の実践展開に努めた。参加者(現職教員,指導主事等)の勤務地は北海道から沖縄の広範囲に及んでおり,本学の知名度アップに貢献できている。 小西教授は,藤村准教授,村川教授(19年度まで総合学習開発講座に在籍)とともに,いわゆる「出前講座」を担当し,国内3カ所,合計600人近くの現職教員等を対象に講演を行った。 また近森教授を中心としたアフガニスタン教員支援事業によって,今年度もJICAプロジェクトとして400万円余(近森教授宛配分額のみ抽出)の資金を獲得し,大学運営に多大の貢献をした。 サテライト事業に関しては今年度はとくに進捗がなかった上,今後の展開イメージが明らかにはなっていないので,コースとしては距離をおいた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
附属学校においては,小学校,中学校ともに,いわゆる「学力向上」のかけ声のもと,教科指導に傾斜した研究を志向している。そのため,小コースの出番が以前よりも少なくなっている感は否めないが,これまで培ってきた信頼関係を大切にしながら,個々の課題解決に協力していきたい。 社会との連携に関しては,西村教授を中心に徳島県のNIE教育の発展への協力を継続する。また,喫緊の課題となっている教育情報セキュリティに関する研究については,藤村准教授を中心として文科省への貢献に努めてきたが,今後とも「チーム総合」として全面的にバックアップしていく。また近森教授による徳島県教育委員会及び同環境首都課などとの連携による地域の環境教育やアフガニスタン教員養成プロジェクトの推進についても同様である。
(2)点検・評価
小西教授を中心に附属小学校の研究支援に尽力した。教科系の研究はともすれば蛸壺型に陥りやすく,必ずしも附属小学校のニーズに正対しないという場合もあり,「総合」への期待は大きかった。 今年度は小西教授が研究発表大会での講演を依頼されるなど,ほぼその期待に応えることができたと思われる。 国際交流事業では近森教授がアフガニスタンに年間合計14週にわたり滞在し,現地の教育改革に粉骨砕身の貢献を行った。また谷村准教授は徳島県が主催するe-とくしま推進会議の委員として教育WG座長(三宮真智子教授の代理)を勤め、三好市にある複数の小学校との連携プロジェクト「やまごえブレイクタイム」の実践(ネット掲示板ならびにチャット利用に関するプロジェクト)に参加した。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
現代教育課題総合コースでは,それぞれの教員が持ち味をいかして,かなり積極的に大学運営に関わった。一方で,募集活動の成果もあって多くの院生を抱えており,コース運営ならびに院生の研究指導は物理的に限界に近づきつつある。