鳴門教育大学憲章

前文

  鳴門教育大学は,主として現職教員に高度な研究・研鑽の機会を提供する大学院学校教育研究科,および初等中等教育の教員を養成する学校教育学部をもつ教員養成大学である。
  教育は国の基である。次代を担う若い世代を心身ともに健康な市民に育てることは,すべての人間にとって最も崇高で重要な使命であり,かつ困難な営みである。とりわけ,これに専門家として携わる教員は,豊かな人間性と幅広い教養,そ して高度な専門的能力をそなえていなくてはならない。かかる優れた教員を養成することが鳴門教育大学の目的である。
  われわれは,この目的を達成するため,日本国憲法,教育基本法,ユネスコの諸宣言の精神を踏まえて,基本理念,教育目標,研究目標,教育研究運営指針を定め,ここに「鳴門教育大学憲章」として宣言する。

1. 基本理念

  鳴門教育大学は,自由な学問の府として,学術・文化の継承と発展に寄与し,真理を探究する批判的精神をもって,平和で健全な社会の建設に向けた創造的役 割を担う。また,すべての構成員の基本的人権を尊重し,民主主義の原則に基づいて大学を運営する。

2. 教育目標

(1)教育の核心が人間愛であるとの認識を堅持する。
(2)教育の機会均等を尊重し,学ぶ者の権利を保障する。
(3)教養教育を重視し,心豊かで高潔な倫理と品性をそなえた,調和的な人格を陶冶する。
(4)学校教育に必要な専門的知識と技能を身につけた,確かな実践力のある教員を養成する。
(5)教師教育を充実させ,現代社会の直面する教育諸課題に応えうる,優れた判断力と指導力をもった人材を養成する。
(6)以上を踏まえた教育活動を通じて,文化的で民主的な社会の確立を目指す。

3.研究目標

(1) 知と創造を愛する精神を基本とし,個人の自発性と創意を尊重する。
(2) 学術・文化の継承と発展に寄与し,教育諸科学をはじめとするあらゆる研究分野における最高水準を目指す。
(3) 研究活動における公共性と倫理性を重視する。
(4) 社会の歴史的・現代的課題の解決に向けて,専門的見地から積極的に取り組む。
(5) 以上を踏まえた研究活動を通じて,地域社会や世界の持続的発展に貢献する。

4. 教育研究運営指針

(1) 学問の自由と大学の自治
鳴門教育大学は,思想および良心の自由と学問の自由を保障し,個々の構成員の連携と大学運営への主体的参画を求める。
(2) 教育研究環境の充実
鳴門教育大学は,教育研究の質の維持と向上のために必要な環境の整備と充実を図る。
(3) 地域に根ざした教育研究活動
鳴門教育大学は,豊かな歴史,文化,風土に支えられた地域社会に根をおろし,学校や教育諸機関等と連携して教育研究活動を行う。
(4) 国際交流の推進
鳴門教育大学は,国内外の高等教育機関と連携し,留学生や研究者の交流を積極的に行う。とりわけ,世界の教師教育の充実と発展に寄与するために国際交流を推進する。
(5) 情報公開の推進
鳴門教育大学は,開かれた大学として,学内外に対し積極的に情報を公開し,社会への説明責任を果たす。
(6) 自己点検・評価
鳴門教育大学は,本学の定める教育研究の諸目標に照らして自己点検・評価を行い,教育研究の質的向上を図る。

平成17年2月9日 制定

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