実技教育研究指導センター

記載責任者  実技教育研究指導センター所長(命)  梅野圭史
〈芸術・健康系教育部 教授〉

(1)教員名簿

センター所長(命) 梅野圭史 (任期:平成20年4月1日~平成22年3月31日)
氏名 職名 専門分野 氏名 職名 専門分野
<体育教育分野>
梅野圭史
教授 体育科教育学 <体育教育分野>
坂本和丈
教授 体育科教育学
<美術教育分野>
武市勝
教授 版画領域・石版画およびコラグラフの制作研究・版画教育研究 <音楽教育分野>
木村正邦
(平成22年3月31日退職)
准教授 声楽および演奏技法,演奏解釈,楽曲分析の研究
<美術教育分野>
山田芳明
准教授 美術科教育      

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

 

(2)センターの活動状況,今後の課題等

  実技教育研究指導センター(以下,実技センターと称す)は,初等・中等教育教員の資格取得をめざすすべての学部生及び大学院生を対象に,実技に係わる教科・領域の再認識,実技能力および実技指導能力の向上を支援することを主な業務として努力してきた。
  当センターの教員は,現在4教育分野の6人から構成されている。具体的には,保健体育教育コースから2名,音楽科教育コースから1名,図画工作科教育コースから1名,教職大学院教員養成コースから1名の計5名により運営している。これより,当センターの教員は各コースの業務を行いつつ,合わせて従来までの実技センターの業務を兼務している。それらの業務は,以下に示すとおりである。すなわち,グレード制(5段階評価)を中心に,実技教科に関する学生の実技能力の向上と実技指導能力の涵養である。
  1. グレード制による自学自習の支援
  2. 授業(演習)による実技指導能力の育成
  3. 教員採用試験支援のための実技指導講習会の実施
  4. 関連講座開設の授業担当
  上記業務内容について,平成21年度の活動状況と評価結果は次のとおりである。
  1. 「グレード制による自学自習の支援」では,グレードテスト3級のレベル(小学校教員の目標)に達していない学生に対して,各教育分野が指定した日程に従って実技指導を行うものである。3級以上の学生比率は,保健体育分野で平均81.6%(水泳:83.2%,器械運動:35.7%,表現・ダンス:100%,ボール運動:100%,陸上運動:89.2%)であり,きわめて高い取得率にある。美術分野では,素描・着彩および立体表現の2領域でいずれも30%を超す取得率であった。音楽分野では,ピアノで15.8%,声楽で5.3%であり,きわめて取得率の低い結果にあった。これにはグレードテストへの参加者が少ないこと,さらにはグレードの基準が高いことによる。今後の課題としたい。言語分野では,グレード基準の作成に着手している状況にある。しかしながら,数々のワークショップを開くことで,学生の英語力の向上に寄与している。
  2. 「授業(演習)による実技指導能力の育成」では,学部3年次生を対象とした「実技指導能力育成論演習」において,実技授業における様々な相互作用の在り方について各教育分野で教科特性を踏まえながら指導を行っている。内容的には,梅野が教育分野を越えて,「課題(めあて)を形成・把握させる場面」における教師の教授技術を共通課題として指導し,その後,教育分野毎で「課題解決への関わり方」を集団による討議や模擬授業等によって学習している。年々,教師になりきって大きな声で模擬授業をする学生が増えてきた。また,教具を自分たちで工夫するようになり,この授業の性格や内容が学生に周知されてきように感じられる。このことは,われわれ教員もさらなる授業の工夫をしていく必要のあることを示唆している。
  3. 「教員採用試験支援のための実技指導講習会の実施」では,各教育分野間で実施日程の調整を行い,就職支援室と連係しながら実施している。実技指導の内容は,各教育分野ともに学生が受験する都道府県(市を含む)の試験内容(想定)に応じて選択し,集中的に実施している。実施時期は採用試験日が7月に集中していることから,各教育分野ともに6月,7月期に実施している。指導環境について体育教育分野の例を挙げると,実施回数はボール運動2回,器械運動2回,水泳2回であり,1回の指導時間は約90分である。参加延べ人数は2回で40人強であり,ほぼ従来と同様の参加人数であった。参加学生も主体的となりつつあり,自分の実技能力の問題点を明確にして,講習会に臨むようになってきた。これには,講習会が採用試験の直前であること,しかもわずか2回の講習会であることが関係している。つまり,得られた機会をできるだけ有効に利用しようとする学生の意識の高まりである。これまで多年にわたり講習会を行ってきたが,参加学生の多くがグレード5級・4級以下の学生であることが多く,意欲に決意に欠けた雰囲気のあまりよくない場合が多々みられていた。しかし,近年になって採用試験の合格者数の増加に伴い,学生の教職に対する意識もかなり変容してきたものと考えられる。ますます,この講習会の必要性が学生諸君に認識されていくものと確信している。
  4. 「関連講座開設の授業担当」では,実技センター教員が各教育分野ともに実技科目の授業を担当している。ここでは,グレード制による実技能力の評価結果を実技授業へ反映できるように,相互乗り入れ的な授業展開の実施が課題であった。体育教育分野では「健康・スポーツ学Ⅰ」と「初等体育Ⅰ」において,また美術教育分野では「初等図画工作Ⅰ」において,それぞれグレード制による実技能力の育成と判定を行えるようになり,学生の教員採用試験に対する課題意識,教師としての指導能力などに対して相互関連的に指導することが可能となりつつある。また,実技センター教員が実技授業を講座教員と複数で担当することで,学生の実技能力の情報を共有することも可能となってきた。
nbsp; 以上,実技センターは,4教育分野の各教員が教科・領域の特性に応じて学生の実技能力,実技指導能力,教員採用試験合格率の向上等に取り組んできた。しかしながら法人化後,学部・大学院の改組改編にともなって言語教育分野(書写・英語領域)においては専任教員が不在となっている。さらに,センター業務が兼任教員により実施されるようになったことから,業務内容の見直しも必要になってくるものと考えられる。これを受けて,来年度よりセンターが改変され,「キャリア開発支援センター」として再出発する。
最終更新日:2010年12月17日

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