自己点検・評価報告書(山田芳明)

報告者 山田芳明

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

教育について,21年度は以下の点から改善と推進に取り組む。
① 本務である教職大学院において,20年度は学外の有能な実践者1名に学生教育協力を依頼し教育実践をサポートしてもらった。そこで21年度は,学外の学生教育協力実践者を倍の2名以上に増やし,学生の教育実践力の育成を多角的にサポートしていく体勢づくりを進める。
② 兼務している実技教育研究指導センターの業務に関連して,学生の図画工作・美術の実技指導能力のさらなる向上を図るべく,平成21年度中に本学の教科専門教員にも協力を要請し,教員養成大学で育成・サポートすべき図画工作・美術の指導実技能力について検討する研究会を開催する。

(2)点検・評価

①については,前期授業と関連して2名の学生教育協力実践者を得て,学生への授業公開並びに学生指導の協力を得ることが出来た。

②については,学内で研究会を開催した。その他,他大学の教員と同内容について,意見交換を3度行っているなど精力的に進めることができた。また,今後は,大学美術教育学会が推進している教科内容学の研究プロジェクトにも協力していく方向での依頼を受けている。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

①科学研究費補助金については,毎年応募しており,21年度も応募する予定である。

②さらに代表者として応募できるのは1件のみであり,本学にも応募していない教員がいることから,21年度は美術コースの教科専門の准教授と共同で複数応募する体勢づくりをしたいと考えている。具体的には,前項目に関連する内容や,それ以外に学生の美術教育実践力の形成をテーマにした研究内容等を検討し,複数教員で協力して申請書を作成し申請する。

(2)点検・評価

①に関しては,21年度も応募した。(22年4月に内定通知をいただいた)

②に関しては,美術科コースの教員と協力体勢づくりを進めようとしたが,協力関係を確立できなかった。しかし現在の所属コース(教員養成特別コース)の教員と協同研究体制を築き,研究分担者として申請を行った。(22年4月に内定通知をいただいた)

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①学生がより実践的な視点をもち主体的に講義内容を受け止めることができるように,具体的な事例を,ワークショップ形式やグループディスカッション等の形式を授業に取り入れる。

②主として教職大学院では,学外に実践者のアドバイザーを設けて,ネット等(スカイプや掲示板を想定)を通じて指導助言をもらうことで,研究知と実践知との融合をはかる。

③学生の進路,悩み事等の相談には,所属コースを超えて応じるようにし,美術教育に関しては具体的な進路の支援をする。

(2)点検・評価

 ①に関しては,大学院の「美術科教材開発研究」において教材開発を実際に行うとともに,毎年夏に開催している現場の先生を集めた研究会において,その学生らが開発した教材を発表する場を設けた。こうした取り組みにより,学生により実践的な視点を与えることが出来た。また,学部の「美術科教材論」では,学校現場で行われているきっと教材を制作し,その内容についてディスカッションしたり,「図画工作科教育論A」では,教育現場の具体的な課題を提示し,それについての考え方をグループ単位で意見交換させたりするなど,具体的な現場の事例を基にしたディスカッションの場を多く設けた。

②に関しては,ネット等を利用した指導助言に関しては頂けなかったが,3名の学外の協力者を得て,学生を引率して3つの授業参観を行うなど積極的な授業改善に努めた。さらに,学生の要請を受けて,「きのくに子どもの村学園」の学校参観に学生を引率するなど,学内の授業にとどまらない,学生の研究地と十センチとの融合を図るべく取り組んだ。

③に関しては,教員養成特別コースだけではなく,図画工作・美術教育コースの学生や大学院生からも多くの進路相談を受けて指導を行っており,また,教育現場からの要請に応じて,臨時採用の協力も行った。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

現在取り組んでいる3つの研究内容をさらに深めていくために以下のような取組をする。

①鑑賞の能力形成に関する研究について,大塚国際美術館と連携して資料収集を進め,学会で発表するとともに,論文にまとめて大学美術教育学会誌に投稿する。

②学生の教育実践力形成に関する研究について,現在申請中の科研費の採択結果にかかわらず継続的に研究を進め,その成果を,国内か国際レベルの学会で発表する。

③児童の造形能力の形成過程に関する研究について,過去の研究データを補完すべく,学外に研究協力者を求め,実践研究データの収集を行う。

具体的に2校種3例以上のデータの収集をめざす。

(2)点検・評価

①に関しては,美術館との協力は進めており,新しい鑑賞カードの作成など具体的な事業を立ち上げ,1月末に完成した。学会発表は,以下の通り別件での発表を行った。

②に関しては,美術コースの教員と共に研究を進めて,大学美術教育学会,及び美術科教育学会におい発表を行った。

③に関しては,新たに京都女子大学の附属幼稚園,附属小学校の協力を得て,新たに2校種8事例のデータを収集するとともに,今後の研究計画について,連携している大学教員と22年度からの進め方について打ち合わせを行った。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①前年度に引き続き,就職支援委員会委員として,本学の運営に貢献する。

②要請があれば,前年度に引き続き,GP開発チームのメンバーとしてGP申請・遂行に寄与する。

③前年度に引き続き,教職大学院のFD推進委員会の委員として,本学の運営に貢献する。

④前年度に引き続き,実技教育研究指導センターを兼務し,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

①に関しては,就職委員会の委員として,集団面接,個人面接等の業務を積極的に行った。

②に関しては,四国の知GPの開発メンバーとして協力を行った。

③に関しては,FD推進委員会の委員として,授業評価と改善を推進した。

④に関しては,実技教育研究指導センターの兼務教員として,グレード指導を行い,学生の資質向上に寄与した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①附属学校教員と連携し,美術教育分野について協同研究を進める。(附属学校)

②大学と地域・社会との交流・連携を積極的に行い,社会に貢献していく。具体的には,鳴門市と大塚国際美術館と連携して行っているN*CAPの継続,鳴門市文化市民会議委員の継続等,鳴門市からの協力要請に積極的に応じる。(地域連携)

③全国の教育委員会や教育研究会等からの審査・指導・助言の依頼について積極的に応じる。(社会連携)

④国際協力事業関連からの授業公開,指導助言等の依頼があれば積極的に応じる。

(2)点検・評価

①に関しては,附属学校の協力要請に応じて,日常の授業並びに,附属中学校の研究会に参加し指導助言を行った。

②に関しては,N*CAP並びに鳴門市文化市民会議委員を継続し,積極的な協力を行い,次年度も引き続いての協力を要請された。

③に関しては,本年度も徳島市,三重県,高槻市等からの実技指導,講義,講演依頼を受けた。徳島県の教育研究大会の図画工作の全体講演の依頼を受けた。また,徳島新聞,新潟日報,新潟県下越地区,大阪府幼小年教育美術展等から児童絵画展の審査の依頼を受けた。

④に関しては,協力要請がなかった。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  21年度は,教職大学院も2年目となり,修了予定学生の種指導教員として,積極的に指導を行った。また,大学を直接訪問し,学生対象に大学院の説明会を開催したり,学外説明会で説明するなど,学生募集にも積極的に取り組んだ。さらに,美術コースの教員とも連携協力を行い,以前同様の学部・大学院の授業を担当するとともに,学部学生の卒論指導を過去4年間にわたり担当している。またさらに,実技センターの兼務も行い,学生の実技能力形成に寄与すべく,グレード生の指導ならびに就職支援室との連携で就職支援対策の指導を行うなど積極的に取り組みを続けている。以上のように,教職大学院,美術コース,実技センターと3つの部署で積極的に学生指導に取り組むことで本学の学生の教育力の向上に大きく寄与していると考えている。

 

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