平成23年度ベストティーチャー賞受賞者

教育部門

所属・氏名 基礎・臨床系教育部 井上 とも子 准教授 inoue.jpg
自己点検・評価書

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研究者総覧
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121603934/学内の別サイトへリンク
選定理由及び
優れた教育手法
 井上とも子氏の専門分野は,特別支援教育である。氏は,自らの専門研究の成果を学部,大学院教育に活かすとともに,教育現場の実践的指導として展開している。
 井上氏は,発達障害児指導法の研究に意欲的に取り組み,その研究成果を大学の授業実践に取り入れ,教育効果を上げている。具体的には,大学院の授業として高機能発達障害児の小集団の指導方法を身に付けることを目標とする「特別支援教育コーディネーター実地教育」において,就学前療育・教育臨床授業を展開し,実際の指導場面と大学教員による事前・事後指導を通して,院生の教育実践力向上に成果を上げている。教育実践におけるこれらの成果は,日本小児神経学会誌「脳と発達」(第42巻・第3号,pp.19-24,2010年)に掲載されている。そして,この授業で得た知見を基に,県内外の教員の研修や学校現場の実践的活動を行っている。
 こうした教育内容・方法は,第1に,本学の特別支援教育の充実・発展に,第2に,県内外の教育現場の発達障害児の教育改善に貢献するものである。
また,井上氏の平成22年度学部学生,大学院学生の授業評価における授業の満足度は,高い評価を受けている。
 以上,井上氏の業績は,教員養成を専門とする本学の教育の中でも,特に今日的教育課題となっている発達障害児の理解・啓発と指導方法に関し,大いに貢献するものである。
受賞者のコメント   本学の「高度な専門性と実践的指導力を身につけた教員の育成」という理念を具現化するべく,大学院の授業,とりわけ,特別支援教育コーディネーター養成分野に特化した授業として,数組の親子にご協力願い,大学院生(現職教員)が指導者となって進める「高機能発達障害幼児の就学前指導」の教室に取り組んできました。この授業は本学附属特別支援学校の地域連携室で行っており,附属及び地域の学校・園の教員等の研修の場としても活用するなど,附属特別支援学校地域支援部と連携しながら,多目的に展開しています。発達障害児への適切な対応や支援が通常の学級においても必須とされる今日,教育現場で活かせる指導方法の開発とその啓発が喫緊の課題です。今後も,授業と研修,さらに,指導法の開発等の研究とのコラボレーションも視野に入れ,今日的課題の解決と実践力のある質の高い教員養成を目指して授業の工夫・発展に努めたいと思います。

 

研究部門

所属・氏名 基礎・臨床系教育部  葛西 真記子 教授 kasai.jpg
自己点検・評価書

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研究者総覧
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121603620/学内の別サイトへリンク
選定理由及び
優れた教育手法

  葛西真記子氏の専門分野は,臨床心理学・カウンセリング心理学である。氏は,自らの専門を学部教育・大学院教育に活かすとともに,連合学校教育学研究科(博士課程)の「マル合」教員を兼務している。
 葛西氏の研究面における2010年度(平成22年度)の主要研究業績は,以下のとおりである。
1) Chrisler, C.J. (編)“Reproductive Justice:A Global Concern”(Praeger)の第1章‘The Choice before the choice’を執筆した(現在印刷中)。これは,アメリカ心理学会第17部会(カウンセリング心理学)と第35部会(女性問題)が推進しているプロジェクトを著書にしたものである。日本国内では,「スポーツ活動経験とレジリエンスの関連」(教育実践学論集,11,39-50),「LGB Sensitiveカウンセラー養成プログラムの実践」(日本心理臨床学研究,現在印刷中)を執筆した。その他,論文4編,学会発表4件(うちアメリカ心理学会におけるシンポジウム2件)である。これまでの研究業績が認められ,日本心理臨床学会主催ワークショップ(5月23日:大妻女子大学,11月21日:広島大学)の「心理臨床における研究の進め方」を担当した。さらに,アメリカ心理学会第17部会の発行誌である“The Counseling Psychologist”のAd-Hoc Reviewerとして国際的に活躍している。
2) 2011年8月にはアメリカ心理学会第17部会より,2010年度の研究業績と学会への貢献が認められ,国際的に活躍している研究者に贈られるInternational Scholar Awardを受賞した。
3) 本学の予防教育科学研究教育センターの兼任教員を務めている。そして,連合大学院研究科共同研究プロジェクト「健康と適応を守る学校予防教育の国際比較研究」及び概算要求特別経費(プロジェクト分)「学校において子どもの適応と健康を守る予防教育開発・実践的応用研究事業」のメンバーとして,代表者会議,海外視察,国際シンポジウム等に精力的に取り組んでいる。

 以上の研究業績は,自らのカウンセリング経験をもとに文献研究や調査研究を行った成果であり,今後の一層の発展が期待されるものである。これらの業績を総合的に判断し,葛西真記子氏を研究部門のベストティーチャ―として選定した。

受賞者のコメント

  平成22年度は,様々な意味でこれまでの研究が形になり始めた時期,認められ始めた時期であったように思います。まず,これまで継続的に研究を続けてきたセクシュアルマイノリティに関する内容について執筆したものが本となり,実践研究が学会論文に掲載されることが決まり,文部科学省の科学研究費(基盤研究C)が採択されました。また,臨床心理学、カウンセリング心理学の分野において科学的な研究を行うことの大切さを常々提示してきたのですが,それが日本心理臨床学会主催のワークショップを担当するという形で認められました。次に,アメリカ心理学会で発表を行ったり,シンポジウムを企画したりしてきたことも,学会で認められました。最後に学校教育に関して,スクールカウンセラーとして児童生徒の様々な心の問題に対応してきたのですが,本学の予防教育科学研究教育センターの兼任教員として,予防的な観点から児童生徒の支援にも携わることが可能となりました。

 これらのことが評価され,本学において,今回のベストティーチャー賞(研究部門)を受賞することができ,大変感謝しております。今後ますます学校教育のために,臨床心理学・カウンセリング心理学の分野のために貢献できるよう日々精進していきたいと思います。

最終更新日:2011年10月3日

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