4.附属学校部 附属小学校

<附属小学校>

(1)教育課程の編成・実施

ア.学校教育目標

  1. 人権を尊重し,真理と正義を愛する平和的な国家及び社会の形成者を育成する。
  2. 個人の価値を尊び,勤労と責任を重んずる心身ともに健全な人間を育成する。
  3. 自主性と創造性に富み,実践力豊かな人間を育成する。

イ.重点目標

  1. 新学習指導要領の趣旨を生かし,子どもの未来を拓く教育課程の創造を目指す。
  2. 人権教育を学校教育の中核に据え,教育の全領域における人権教育の徹底を図る。

ウ.めざす子ども像

  1. 思いやりのある子ども
  2. たくましく生きる子ども
  3. よく考える子ども

エ.人権教育の基本目標

  人間尊重と平等の精神に徹し,差別の不合理性を理解させ,偏見や差別のない,公正・公平な生活態度や習慣を身につけることができるようにする。

オ.生活指導の目標

  よりよい学校や学級づくりを目指して,自分の言動にけじめや節度をもち,他人に対して思いやりや感謝の心をもって接することができる子どもを育てる。

(2)教育研究

ア.学習指導研究(第53回小学校教育研究会)

  平成10年度から文部省(現文部科学省)の研究開発学校の指定を受け,児童の学習実態に対応して,基礎的な学力の一層の充実を図る教育課程の研究開発を行ってきた。指定期間の4年間(通常3年の上に1年延長),変化の激しい21世紀に生きる子どもの未来を見据えた教育課程の創造を目指し,「子どもの未来を拓く教育課程の創造」を研究主題に掲げ,実践研究に取り組んできた。
  平成14年度は,これまでの研究成果を基盤とし,「よりよい生き方を見つめる子どもが育つ授業の創造」を研究主題として実践研究を進めた。また,平成15 年度は,このテーマを踏襲し,「生活的な学び」と構成主義的な教育観の関係,今日の教育に対する社会的要請と人間形成の側面との関係などの整理をし,子どもの学びのあり方に焦点を当てるとともに,教科等の特性に着目し,どのような資質・能力を育成すべきかを明らかにするために,「よりよい生き方を見つめる子どもが育つ授業の創造-教科等の特性と資質・能力に着目して-」を研究主題として掲げ実践研究を行った。
  平成16年度は,教師自らが授業をかえりみて,すべての子どもが主体的に授業に取り組めているかを問い直し「子どもの主体性をいかにはぐくむか」を研究主題として授業研究を行った。その研究の成果は,第52回小学校教育研究会(平成17年2月実施)で公開・発表した。
  平成17・18年度は,前年度の成果及び研究主題「子どもの主体性をいかにはぐくむか」を受け継ぎ,継続研究を行った。「かかわり」の場を授業実践に位置付けることにより,「主体的な学び」が継続され主体性がはぐくまれていくという基本的な考えに立ち,そのための支援のあり方を探っていった。
  その結果,支援のあり方として,およそ次の4つにまとまった。
  1. 「学習主体である自己を自覚する」場づくり
  2. 他者とかかわるなかで,「自己をつくる空間」としての学室づくり
  3. 「問い」(課題意識)をもつ動機づくり
  4. 「主体性を発揮する」場づくり
  一方,教育課程レベルの研究として,「学力・評価」部会,「総合学習」部会,「英語学習」部会,「幼・小・中連携」部会の各部においても継続研究を進めた。そして,これらの成果を第53回小学校教育研究会(平成19年2月実施)で公開・発表した。

イ.徳島県小学校教育研究会との関わり

  3名の教諭は,本研究会の運営委員になり,会の運営に深く関わっている。また全教員が各教科領域の研究会事務局に属し,県下の研究推進の指導的な役割を果たしている。中でも,国語科部会,社会科部会,算数科部会,理科部会,音楽科部会,図画工作部会,家庭科部会,体育科部会は,県小学校教育研究会の教科等の部会事務局等の重責を担っており県下小学校教育の牽引役となっている。

ウ.その他の研修

○徳島県教育委員会関係の研修会等への指導者としての参加
  • 図画工作・美術教育実技講座  8月7日(月)8日(火) 23日(水)
  • 県学校体育指導者講習会    7月28日(金)
  • 県10年次研修講師
○道徳教育指導者養成研修(中央研修)講座講師 6月7日(水)
○徳島市生徒指導研修会(Aブロック)指導  8月29日(火)
○徳島市人権教育研究会(Bブロック)指導  11月9日(木)
○三好市小学校教育研究大会指導       11月22日(水)

エ.その他

○姉妹校提携
アメリカ,ノースカロライナ州フェアビュー小学校との交流
○海外研修員の学校視察受け入れ
  • 韓国より学校視察3名          4月19日(水)
  • フィリピンより学校視察23名       6月29日(木)
  • 南太平洋諸島より学校視察9名      7月14日(金)
  • 中国より学校視察3名          10月23日(月)
  • ラオスより学校視察10名         11月20日(月)
  • アフガニスタンより学校視察5名      11月29日(水)
  • 台湾より学校視察7名          1月26日(金)
○小学校英語活動ワークショップ開催 〈主催:鳴教大小学校英語センター〉

(3)実地教育

ア.給食経営管理論実習 徳島大学医学部栄養学科(第4年次生)

○5月8日(月)~ 5月26日(金) 18名 第1・2・3学年配属
*1グループ6名が,1週間の実習を行った。全体で3グループ3週間。

イ.ふれあい実習  学校教育教員養成課程(第1年次生)

9月11日(月) 授業観察

ウ.附属校実習直前指導   学校教育教員養成課程(第3年次生)

6月16日(金)・6月23日(金) 講義 場所:鳴門教育大学
7月12日(水)  オリエンテーション   場所:附属小学校

エ.附属校実習  学校教育教員養成課程(第3年次生)

9月4日(月)~9月29日(金)  学習指導の観察・参加・実習
  長期履修生も加わり,1学級あたり5名から6名の実習生が配属された。4週間といっても実質の実習日が少ない現状の中,授業時数を確保するだけでも大変であった。基本実習としての附属学校実習の使命が十分達成できるよう,工夫する必要がある。

オ.副免実習   学校教育教員養成課程(第4年次生)

10月30日(月)~11月10日(金) 学習指導の観察・参加・実習
  以上が,附属小学校における鳴門教育大学生に対する実地教育の概要である。教育実習については,附属小学校の使命でもあり,今後とも充実する必要がある。しかし,現状では指導教員の負担が非常に大きく,人的な充実が望まれる。

カ.初等中等教科教育実践

  18年度は,学生が大学からバスに乗り小学校までやって来て,小学校で講義を受けるというスタイルをとったため,指導教員の負担は少なかった。〈11月1日(水)・11月8日(水)実施〉

(4)教職員

ア.教職員組織

  教員は,校長,副校長,教頭と教諭21名(内1名は大学院で内地研修),養護教諭1名,非常勤講師5名,職員は事務職員1名(途中から3名),事務補佐員1名,司書補佐員1名,栄養士1名である。

イ.教員の状況

  教諭の平均年齢はおよそ37歳であり,経験年数は平均して17年で中堅の教員が多い。附属小学校経験年数は,最高19年(1名)であり,本校での平均勤務年数は6年である。教育研究や教育実習の継続という面から考慮しなければならない点である。

ウ.その他

  徳島県教育委員会より,附属小学校校長のもとへ,研修生が派遣されてきている。研究目的は,附属小学校での授業実践を通じて教職研修を深めるものである
  平成18年度は徳島市川内北小学校より派遣され,1年間研究に取り組み,研究報告書を作成した。
  附属小学校での研修は週4日間であり,その他は鳴門教育大学での研修である。このような研修生の受け入れは,現職教員の研修として意義あるものであり,今後も継続していきたい制度であるが,派遣される教員の資質に問題があり,配慮事項が増えていることも事実である。

(5)施設・設備の状況

ア.道路拡張工事に伴う校舎改修

  校舎北側の道路拡張工事に伴い,正門や屏及び特別教室棟が改修されることになり,平成17年9月から工事が始まった。工事は全体を3工区に分けて行われた。ボイラー室等を改修し研究室棟にする工事,野外学習スペースを室内教室(はぐくみスペース)にする工事が,第1校区である。第2工区は,特別教室棟の改修,そして第3工区が正門周辺の工事である。これらの工事は,道路拡張が主たる目的であったが,同時に防犯対策,老朽化対策,環境改善も合わせて企図された。平成18年3月末に学校としての工事は終了したが,旧正門や屏を取り除き道路を整える工事(徳島市が担当)は年度改まって,平成18年度4月以降に行われた。

イ.体育館耐震工事

  本校の校舎の中で唯一耐震化ができていなかった体育館の工事が8月から始まった。19年の1月まで体育館を使用できないということで,カリキュラムを工夫し,体育館でないとできにくい教材(例えばマット運動や跳び箱運動など)を7月までと1月以降に配列し,全学年できちんと指導できるようにした。
  また,資材置き場等の関係から,当初運動場ではできないだろうと思われていた体育大会も,当日は資材置き場を縮小するなどして行った。
  平成19年1月12日に竣工し,これで全校舎の耐震工事は完了した。

(6)安全管理の状況

池田小学校の殺傷事件を契機とし,平成13年度より以下の防犯対策等を実施し,継続している。

ア.警備員の配置(授業日において,児童の登校時刻から下校時刻まで校門にて入構者のチェックをしている。)

イ.正門での入校者の一元管理(登校後,西門を閉じ,許可している給食関係業者等以外は,正門において,警備員のチェックを受けるようにしている。)

ウ.防犯カメラの設置(正門と西門,及び運動場周辺を監視するためのカメラを設置している。)

エ.防犯ベルの設置(全ての教室や必要性の高い特定場所に防犯ベルのスイッチを設置,職員室には受信機を備えている。)

オ.入校許可証の発行(全保護者を含む来校者)

カ.不審者侵入を想定した避難訓練の実施

キ.学校安全に関する校内体制を築き,学校安全委員会を組織

ク.児童登下校時の防犯ブザーの着用推進

ケ.安全対策用品の整備(さすまた,ハンドマイク)

コ.災害時優先電話の設置工事(2回線)

サ.災害時伝言ダイヤルの開設準備

シ.学校周辺の安全マップの作成(平成18年度7月一部改訂)

ス.附属学校園安全管理計画

セ.安全パネル作成,除幕式実施

ソ.教職員対象の安全管理講習会の実施

タ.防災倉庫の設置・備品の購入

チ.飼育小屋,造形コーナーに防犯カメラ・モニターを2台増設,全6台カラー化

ツ.登校時立哨指導の日常化(毎日実施)

テ.下学年を対象とした防犯教室の実施

ト.AEDの設置と使用方法等についての講習会実施

最終更新日:2010年02月17日

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