自己点検・評価報告書 (生活・健康系(家庭)教育講座) 金貞均
報告者 金貞均
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
- 学生の意欲を引き起こし、基礎学力や応用力をしっかりと身に付けさせるために、課題発見・課題探究・課題解決型の授業方法を取り入れる。
- 学生の能力や努力を正当に評価し、適正な成績評価を実現するために、ミニテスト(授業理解度、随時)、課題発表(課題解決・知識の統合化・プレゼンテーション能力)、最終テスト(知識の定着度)により総合的に評価する。
(2)点検・評価
- 授業では予習を兼ねた調べ学習と「課題発見-探求(調査)-解決」といったプロセスを重視し課題(テーマ)中心型授業を行った。「住居学概論」では「まち探検」を実践課題として取り入れ、実際の生活場面における理論の検証・評価の授業を展開した。「住生活学」では、人間居住にかかわる14のテーマを立ち上げ、各自調べたうえで,報告書をまとめ発表を行う形式を取り、課題探究や問題解決能力の向上が見られた。「住生活学研究(院)」では、住まいの本質論的接近と社会や環境問題とのかかわりで住生活問題を捉える実践教育を中心に据え、テーマ別に効果的な発問の工夫、見方を変え様々な居住問題を再認識できるきっかけの提供などに力を入れた。
- 授業の特性を考慮した成績評価方法を工夫した。基礎知識を重視する「住居学概論」では知識の理解と定着を図るテスト(口頭試問・ミニテスト・期末試験)を実施し、六つの課題の評価を含めて総合評価を行った。「住生活学」では課題の報告書で理解度・完成度を図り、発表を通して知識を統合させ、説明できる力を評価した。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
- 学生支援活動として、キャリア教育に力を入れるとともに、就職支援活動を行う。
- 地域の学校との連携活動として、徳島県の家庭科教員支援ネットワーク活動を支援する。
- 国際協力として韓国からの研究者の研究活動を支援するとともに共同研究を立ち上げる。
(2)点検・評価
- 新カリの「初等中等教育実践基礎演習」を通して、専門職として家庭科教師に求められる資質についてのキャリア教育を行った。なお、教員採用試験、特に模擬授業と個人・集団面接で求められるプレゼンテーション能力の向上のために、授業方法を工夫し、就職活動の基となる部分を指導するとともに、就職委員として4年次の状況を把握しながら情報提供など就職支援活動を行った。
- 第5回家庭科教員支援ネットワーク研修会(12.25)において住居分野開発教材を紹介し、現場の家庭科教育活動を支援した。
- 平成18年度は研究のために本学に長期滞在した韓国の研究者はいなかったが、本学主催の国際情報教育セミナーに参加した韓国釜山大学校からの研究者らと意見交換・交流を通して支援した。なお、韓国の国立全南大学校の研究者と韓国の民家調査の共同研究を立ち上げ、10月に1次調査を実施した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 学生が主体的に授業に参加できるよう、課題発表や討論等を取り入れたい。
- 「教科教育実践基礎演習」は複数担当であるので、講義内容の関連付けができるよう、連携を図る。
- 特に、住まいの人権意識と居住問題の理解を深められるような授業を進める。
- 学生の進路や悩み等の相談に随時応じ、大学生活を支援する。
(2)点検・評価
- 学部と大学院の授業において「参加型授業」を目指して、「課題をまとめ→発表し→知識を共有し→議論しあう」授業形式を取り入れ実践した。
- 本授業は教員としての実践的指導力育成のための基礎となるもので、担当教員間意思疎通を図りながら情報を共有し、家庭科という教科の成立とキャリア教育の視点から展開した。特に、現場の教員の授業には一緒に参加し、授業終了後の意見交換を通して共通理解を図った。
- 日本で全般的に薄い「住まいの人権意識」の向上を目指して、「人権と住まい」といったテーマで課題学習を展開した(住生活学)。他の授業においても根幹に据え、他のテーマ(高齢者居住問題、住まいの公共性等)と関連させて取り上げた。
- 2名の学生と個人面談等を行い、学校生活等に関してアドバイスした。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 従来からの研究テーマ(ネットワーク居住)をまとめ、日本建築学会誌に投稿する。
- 日本の伝統住宅の調査研究を行い、外国の学会に投稿する。
- 学内外の研究公募に積極的に申請し、研究資金の調達に努力する。
(2)点検・評価
- 平成15年度~平成17年度科学研究費補助金(基盤研究(C))の成果報告が病気休養で1年延長になり、平成18年度は3年間のネットワーク居住調査研究の最終まとめと報告書の作成に取り掛かったので、学会誌への投稿までは至らなかった。成果報告書をまとめ提出したことを研究成果として自己評価したい。
- 徳島県海部町の漁村民家の調査を行い、社団法人韓国住居学会の論文集に投稿し、掲載された。(Journal of the Korean Housing Association Vol.18, No.1, pp.27-34)
- 上記の1の理由により科学研究費の研究応募はできなかった。 学内の学長裁量経費のプロジェクト研究公募には講座として一本化して申請したが、不採択であった。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
前年度に引き続き就職委員会委員として、本学の運営に貢献する。
(2)点検・評価
就職委員として教員採用対策として実施される、「模擬授業・模擬個人面接」「模擬集団面接」の面接官をつとめ、教員採用率向上のために協力した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 講座と付属教員とが連携し、立ち上げた教育研究支援プロジェクトを支援する。
- 社会との連携を図るためNPO法人活動を開始する。
- 本学の留学生らの教育・生活相談に応じ、支援するとともに、本学に留学を希望する学生らに情報を発信する。
(2)点検・評価
- 教育研究支援プロジェクトは、学長裁量経費の課題が採択されなかったため、具体的なプロジェクトは立ち上げなかった。しかし、附属小・中学校における授業研究会等を通して教育活動を支援した。なお、講座の教員と附属中学校の教員が共同で実践研究の成果をまとめた。
- 徳島県のNPO法人「阿波グローカルネット」(福祉関連活動を行う非営利団体)に加入し、活動を開始した。
- 韓国からの留学生(院生3名、学部交換留学生2名)らと交流会を持ち、教育・生活全般に対するアドバイスを行った。なお、本学に留学を希望する韓国の現職教員らに留学情報を送り、1名が大学院への進学を果たした。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
- 大学の研究開発検討部会のメンバーとして、平成18年度「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」の採択に貢献した。
- 日本建築学会四国支部の「住教育研究会」のメンバーとして、伝統的建造物群保存地区である「東祖谷山村落合地区」での見学会と研究会を主宰した(11/25-26)。三好市主催の保存地区選定1周年記念行事(11/26)では、落合民家調査(代表:奈良女子大学・増井正哉教授)に参加し、保存対策調査に貢献したメンバーの1人として紹介された。
なお、三好市教育委員会に協力して伝建落合案内表示版の韓国語表示を指導した。
こうした地域密着型の活動を通して本学の一人として対外的に貢献できたと考える。
最終更新日:2010年02月17日