自己点検・評価報告書 (自然系(理科)教育講座) 早藤幸隆
報告者 早藤幸隆
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
科学的に探究する能力と態度の育成を目指した種々の身近な素材を用いる科学実験教材の開発に関する研究を通して,教育現場で実施可能な教材化について提案する。
(2)点検・評価
学習者の科学的に探究する能力と態度の育成を目指した「身近な有機化合物の酸化還元反応を用いた広領域型科学実験プログラム」を開発し,学生実習化学実験 Ⅱにおいて試行し,受講者から好評を得た。更に,教育現場で実施可能な形にプログラムを改良し,サイエンスパートナーシッププロジェクト(SPP)において徳島市立高校理数科コース40名及び徳島県立城南高校スーパーサイエンスハイスクール(SSH)化学コース20名を対象とした教育実践により,プログラムの教材化としての有効性を確認した。その成果の一部を日本教育実践学会第9回研究大会(鳴門教育大学,2006.11)において発表した。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
過去の全国の教員採用試験問題を抜粋した「実力だめし」の練習テストを作成し,研究室の所属学生及び院生に提供・試行する。また,練習テストにおいて理科専門領域に関する問題の解答方法について指導し,研究室の所属学生及び院生の就職支援に貢献していきたい。
(2)点検・評価
化学教室に所属する学部4年生1名及び大学院2年生2名に対して,過去の全国の教員採用試験問題を抜粋した「実力だめし」テスト,集団及び個別面接に関する模擬試験を試験3ヶ月前から隔週で実施し,理科専門領域に関する問題の解答方法の指導や面接における模範解答を提供した。3名のうち1名が神奈川県中学校理科と兵庫県中学校理科に合格し,兵庫県中学校理科教員として採用され,所属学生及び院生の就職支援に大きく貢献した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 助手として学生の主体的な実習への参加を促すために個別面談や討論を通じて,実験実習を積極的に補助する。
- 学生の科学的に探究する能力と態度の育成を目指して、理科教材開発研究に関する理解を深められるよう授業及び教育研究活動を積極的に補助する。
(2)点検・評価
- 学生実習化学実験IIにおいて,学部生のレポート作成指導の個別面談やグループ討論・集団面接を積極的に補助しながら,実習内容に関する理解度を高める事に努め,授業評価アンケートで好意的且つ高い評価を得た。
- 大学院生の実践教育のテーマとする「身近なビタミンCを用いた酸化還元反応を考える広領域型科学実験プログラムの実践」に関する研究とその成果報告において全面的に補助し,日本教育実践学会第9回研究大会(鳴門教育大学,2006.11)にて連名で発表すると共に,大学院生・学部生の科学的に探究する能力と態度の育成に大きく寄与した。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 研究テーマ「種々の身近な素材を用いた科学実験教材の開発研究」に関する論文をまとめ日本化学会「化学と教育」誌に投稿する。
- 学内外の研究助成の公募に積極的に申請し,学外資金の調達に重点を置く。
- 科学研究費補助金「特定領域研究」及び「基盤研究(C)」の研究分担者として,教育研究活動を行う予定である。
(2)点検・評価
- 日本化学会「化学と教育」誌に「科学的に探究する能力と態度を育てる化学教材の開発(IV)-フェノールフタレイン関連化合物を用いた化学実験プログラムの試行-」を投稿し,第二次審査を経て現在再投稿中である。
- 独立行政法人国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金」に申請し,審査により受理され学外の助成金を得て公開講座を実施した。
- 科学研究費補助金「特定領域研究」及び「基盤研究(C)」の研究分担者として教育研究を推進し,その成果を日本化学会中四国支部化学研究協議会化学研究発表会において発表した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
助手として学部及び大学院に関する入学試験(センター試験を含む)の試験監督者を担当し,講座並びに大学の運営に積極的に貢献する。
(2)点検・評価
センター試験,学部推薦及び前記入試の試験監督者,鳴風会幹事及び振興会理事を担当し,講座並びに大学の運営に貢献した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 小・中・高校と大学との連携による授業,教育実践及び公開講座を積極的に行い,社会に貢献していきたい。(社会連携)
- 助手として留学生の授業及び教育活動を補助していきたい。(国際交流)
(2)点検・評価
- 独立行政法人 国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金」から「科学の森~見つめよう!考えよう!私達の環境を~」を課題とする採択・助成を受け,本学の学部理科コース11名及び大学院理科コース4名をTA(指導者)として,7月30日「ものづくり体験を通してみんなで身の周りの環境を考えよう !」(中学生13名・大人8名),8月6日「身近な食べ物を科学の目で考えよう!」(小学生22名・大人16名)をテーマとする公開講座を実施し,社会貢献の一環として本学の教育研究の成果を社会に発信した。
- 化学教室が実施するセミナーを通した教育研究指導及び修士研究テーマに関する学術文献資料の提供により,大学院理科コースに所属する留学生の教育研究活動を積極的に補助した。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
サイエンスパートナーシッププロジェクト(SPP)及び独立行政法人国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金」助成活動において,本学の理科コース学部 11名及び大学院4名の指導協力者に対して,開発した科学実験プログラムを体験する研修会を実施し,現場の先生方から教育現場の視点で眺めた生の意見を聞くと共に,教育現場の実態を知る機会を提供し,教育現場に適した「生きた」総合的な教育実践指導力の育成に寄与した。
最終更新日:2010年02月17日