自己点検・評価報告書 (社会系教育講座) 齋木哲郎

報告者 齋木哲郎

1.学長の定める重点目標

1-1.大学の活性化を目指す教育活動

(1)目標・計画

  • 倫理学や哲学というのは堅苦しいドグマを中心とする分、受講生の興味を惹かないことが多い。それを打破して興味を持たす為には、まず内容を理解させ、それに共感し得る授業を展開する必要がある。私が専門とする東洋の領域に関していえば、授業の内容を学生が理解し得る形で講じ、それを学生なりに判断し、検討しえるようにする必要がある。そうした授業をめざしたい。
  • 基準を示し、公平に評価するのが前提。ただし、独創性や卓越性のあるものには加点する。

(2)点検・評価

  • 哲学や倫理学が持っている堅苦しさを打破し、学生に共感をもてる授業を展開することを目指し授業に臨んだ。その結果、学部「哲学・倫理学概論」の「学部生授業評価結果報告」(学生による授業評価専門部会」の集計)では、この授業に対する高い支持を得ることができた。大学院生の「哲学・倫理学研究」も同様であった。一応成功したものと理解する。私の授業法が学生達の授業方法の形成にも参考されるようになって欲しい。
  • 目標通りの評価を行った。

1-2.学生支援、地域連携活動

(1)目標・計画

  学生の就職支援活動、なかんずく教採合格のための方策を考えたい。具体的に言えば、クラブ活動や卒論研究が優先する意識を持ち続ける学生に、まず教採合格を目標に据える意識を持たせ、本学の就職支援活動の一環として行われている諸行事にめを向けさせたい。
  地域連携活動はこれまで依頼がなかったことからしてこなかったが、今後依頼があれば出来るかぎり協力してゆきたい。

(2)点検・評価

  今年度はゼミ生がいなかったことから学生に対する教採合格のための指導を行うことはできなかった。ただ授業やその他の活動時において、早い時期からの受験勉強の開始や、不要なアルバイトよりも受験のための活動に時間を割くよう、また就職委員会主催の行事に参加するよう、助言した。かつての私のゼミの修了生がそれで複数県で合格した経験をふまえたものである。
  地域活動に関する依頼は今年度なかった。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  学生から相談があった場合、適切に対応する。
  学生の意識に教採合格を目指す意欲を呼び起こしたい。
  中国の留学生から日本語の指導を依頼された場合には、できるだけ希望に添う。

(2)点検・評価

  学生、なかんずく中国からの留学生から、日本語の指導を頼まれ、それを本年度の夏前まで続けた。日本の学生から特に相談を受けるということはなかった。学生に教採合格の意識を持たせようとしたのは「学生支援」の所で示した通りである。留学生の一人から私的なことも含めて相談を受け、それに対し私には力のなれなかったことがあった。悔いの残るところである。

2-2.研究

(1)目標・計画

  科研を申請し、これまで進めてきた唐宋新春秋学の研究を前進させたい。また、この領域は中国哲学の分野ではこれまでその重大性が指摘されながら、文献の解読が進まなかったことから殆ど手つかずにいる。私がこれまで発見した事実をできるだけ多くの機会を通じて公表し、この領域の持つ研究対象としての意義を示してゆきたい。

(2)点検・評価

  「唐宋の春秋学」に関して予定していたことの全てをやり終えて、新しく「宋元春秋学の展開」へと歩みを進めることができた。また、私の研究に対し、特に中国の学者が感心を持ち、山東大学の曹峯教授からの招聘の打診、清華大学の彭林教授からの京都大学池田教授を介しての招聘の打診、昨年度台湾中央研究院文哲研究所で開催された隋唐五代国際学術検討会で発表した論文「呂温与春秋学」がその後の審査を通過したこと等があった。今後に繋がるよい成果を得た思いである。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  大学院連合学校教育研究科での職務も含めて、与えられた委員の職責を忠実に務め、自らの責めを果たしたい。

(2)点検・評価

  今年度私に割り当てられたのは附属図書館運営委員会副委員長と兵庫教育大学連合大学院社会系連合講座議長という要職であった。附属図書館運営委員会の方は運営委員会での審議が仕事の中心でさほど忙しい思いをしたことはなかったが、連合講座議長の方は各大学の講座代表者の意見の集約に苦労した。けれども、兵庫教育大学の松田副議長のサポートを得て無事に職務をこなし得た。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  附属学校で開催される行事にはできる限り参加して、学生の指導に当たりたい。
  学会役員としての責任も忠実に果たして行きたい(日本道教学会・中国出土資料学会)
  この頃、時折中国や台湾の学会から参加を求められるが、それに対し出来る限り答え参加して、我が国の学術交流の一翼を担いたい。

(2)点検・評価

  附属学校で開催された事業に出向くことができなかった。連合の代議委員会の開催(あるいは講座議長として意見の集約化を進めていたこと)によるものであったり、他大学への集中講義によるものであったかと思う。
  学会役員としての活動は、日本道教学会で評議員として、中国出土資料学会では理事として活動した。
  今年度海外での学術活動はなかった。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  兵庫教育大学大学院社会系連合講座議長として与えられた職務をこなし、議長担当大学としての職責を全うさせえた。また、日本学士院賞受賞の決定をみ、本学の研究水準の高さを示し得た。ただし、決定の通知は私に知らされることなく、間にいた人物によって破棄されてしまった。もしこの犯罪がなければ、本学大学院への進学希望者が増えたものと思われるが、それが悔やまれる。
最終更新日:2010年02月17日

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