自己点検・評価報告書 (社会系教育講座) 木原克司
報告者 木原克司
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
講義型式の授業にこれまで以上に視聴覚機器を多用し、内容の充実した授業を実施し、基礎学力の向上に努める。また、学生のやる気や講義内容に対する理解度を高めるため、従来から大学院で実施してきたように、休日や夏休みを利用した授業内容に合わせた現地巡検を実施する。学部授業でもこうした試みをでき得る限り取り入れる。学生の意欲や努力を成績評価に加えるため、定期試験とは別に授業の中で課題を与え、レポート提出あるいは授業内での発表をさせる。
(2)点検・評価
- 地理学概論では実習型式を取り入れ、受講生を4グループに分けて空中写真の立体視による地形判読をさせ、授業に全員が積極的に参加できるようにし、グループ内での個人の行動を評価に取り入れた。受講生全員がグループ内で自分の意見を出し作業に参加していた。
- 地理学研究I(院)では、9月に1泊2日の飛鳥巡検を実施し、学部を対象とした考古学・博物館学特論では、鳴門市教育委員会生涯学習課の協力を得て、土曜日に市内古墳の発掘調査現場の現地見学を実施するとともに、板野町の県埋文センター資料室において展示資料を前にして現地講義をおこなった。
- 考古学・博物館学特論では、鳴門市教育委員会の協力を得て市内出土の各種土器類を借用し、授業時間の中で説明用に使用するとともに、受講生自身に土器および土器片に触れさせて接合作業の実践を行なった。一般講義とは異なり学生の目の色が変わっていた。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
教員採用試験に向けて、学生に対して採用試験対策など積極的な指導を行うとともに、同一ゼミの現職教員や県内の現職OBとの懇談会を設け、採用試験への対応策身をもって学ばせる。阿波国分尼寺(石井町)および郡里廃寺(美馬市)の史跡整備委員会の委員長を務めており、文化庁・県・市町と連携し、地域活性化の目玉の1つとして歴史景観の保全ならびに観光資源の確保に努力する。特に、国分尼寺については、18年度から基本設計の作成とそれに基づいた具体的な整備に入るため、現地においてこれまで以上に積極的な指導をおこなう。
(2)点検・評価
- 徳島地理学会の大会・例会や地図展展示にゼミ所属学生を参加させ、学会理事の現職教員と採用試験等に関連して会話をする機会を設けた。
- 阿波国分尼寺・郡里廃寺の史跡整備委員会委員長として現地において積極的な指導を行なった。
- 18年度からは新たに徳島県教育委員会主導の県内国指定史跡をネットワークで結び総合活用と地域の活性化を目的とした「いにしえ夢街道」推進事業が始まり、副委員長として市町村との連携事業に関わっている。
- 3に関連して18年11月には石井町中央公民館で「シンポジウム阿波の国府と国分尼寺」を開催しコーディネーターを務めた(参加者300名)。
- 3に関連して「豪族の奥津城—古墳から寺院への道」(美馬市・三加茂町)と「阿波のまほろば—古代政治の道」(徳島市・石井町)の2つの部会にも委員長・委員として参加している。
- 3に関連して文化財活用指導者の養成や地域における文化遺産保護活用のリーダーとしての教員の養成も進めている。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
学生の卒論・課題研究指導については、従来通り2名の教員での合同演習で指導・助言を行うとともに、指導教官としてマンツーマンで積極的な指導を実施する。学生の進路相談は、ゼミ指導学生以外に対しても積極的に対応する。教員志望学生については、教員採用試験に向けての特別講座を開くよう講座に働きかける。
(2)点検・評価
- 授業改善の取り組みを積極的に行なった。
- 卒論・課題研究については、2名の教員で積極的な指導を行なった。
- 卒論の個人指導を担当した学部4年生については、私的な問題で悩み、卒論作成や就職を放棄するような段階にまで至ったが、個別に何度も本人を説得し無事卒論を完成させ、保育所へも就職させることができた。
2-2.研究
(1)目標・計画
平成17年度から2年計画で取得した科学研究費補助金による研究を継続し、報告書の作成を行うとともに、新たな科学研究費の申請を行う。平成18年6月の歴史地理学会大会で、歴史的景観の保全をテーマとしたシンポジウムで学会より発表を依頼されており、科研費による成果を発表する。平成18年度は、少なくとも1編以上のA論文を学会誌・著書に執筆・掲載する。その他、従来から継続中の古代阿波の条里と交通路についても研究成果をまとめる。
(2)点検・評価
- 平成17年~18年度の2年間にわたって取得した科学研究費「基盤研究C」の研究を継続し、報告書を作成した。研究課題番号17520521「遺跡調査データーによる微地形復原と考古資料を用いた律令期大坂平野の考古地理研究」
- 平成18年6月の歴史地理学会大会(滋賀県近江八幡市)で科研費の成果の一部を発表した。
- 上記発表内容は、2007年1月発行の歴史地理学第49巻1号に執筆した。論文タイトル「古代宮都と周辺景観の保全—難波京と古代大坂平野を事例として—」
- 平成18年11月18日には、地方史研究協議会徳島例会(徳島大学)で研究発表を行なった。「古代阿波国吉野川下流域の条里再検討と阿波国府の構造」
- 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科編による「教育実践学の構築」東京書籍、2006、303~307頁に執筆した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
各種委員会・教授会・部会・講座会議等の学内の各種会議に出席し職務を遂行する。 全学集会でも積極的に意見を述べ大学運営に参画する。
(2)点検・評価
- 学部入試委員会、予算財務管理委員会、学術研究推進委員会に委員として出席し職務を遂行した。
- 講座会議、部会、教授会、全学集会に出席し、大学運営のための諸課題について積極的に意見を述べた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
教育支援講師・アドバイザー等の派遣事業に積極的に協力し、県内・外の小・中・高等学校、教育機関などで助言・講演を行う。県内市町村の教育委員会の委員会・審議会等で専門的な立場から助言を行い、教育文化行政に積極的に協力する。
(2)点検・評価
- 生涯学習まちづくり出前講座として、8月7日に「鳴門ロータリークラブ8月例会」において講演を行なった。(ホテルペガサス)
- 石井町教育委員会の阿波国分尼寺史跡整備策定委員会(委員長)、美馬市教育委員会の郡里廃寺整備検討委員会(委員長)、鳴門市文化財審議委員会(委員)に出席し、専門的な立場から積極的な助言を行ない教育文化行政に協力した。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
- 科研費(基盤研究C)の取得により外部資金の獲得において貢献した。
- 大学院生の確保のため、学会等で各大学の先生方に学生派遣を依頼するとともに、別刷や年賀状送付の機会に学生派遣のお願いをした。
最終更新日:2010年02月17日