自己点検・評価報告書 (総合学習開発講座) 藤村裕一

報告者 藤村裕一

1.学長の定める重点目標

1-1.大学の活性化を目指す教育活動

(1)目標・計画

  1. 情報教育・教育の情報化に関する最新の研究成果を反映しつつ,学校現場のニーズに応じた授業内容を構成し,討論などを交えた参加型の授業とすることで,受講生の意欲を喚起する。その中で,基礎・基本となる理念・知識を定着させると共に,即戦力となる諸能力も育成する。
  2. 最終試験による結果のみで評価するのではなく,受講生に目指すべき姿を提示しつつ,授業における討論やレポート,課題への取り組み状況,出席状況をも含めて評価し,到達度評価と個人内評価を行うことで,受講生のやる気を引き出し,適正な評価ができるようにする。

(2)点検・評価

  1. 遠隔教育準備室長として,遠隔教育システムの導入と運用試験を行い,イギリスや韓国などの最新の状況や学会における最新の研究成果について,イギリスや現場等からの生中継遠隔授業を行ったり,遠隔教育システムによる討論や課題提出の日常化を行ったりして,受講生の意欲を喚起しつつ,理念・知識の定着を図り,演習も積極的に取り入れ,現場密着の即戦力となる諸能力の育成も行った。また,遠隔教育システムを用いた授業支援を,4名の教員に対して広げた。
  2. 基礎情報教育等の授業において,要所要所で受講生に到達目標を印刷するなどして示し,上記の多様な評価材料を基に,到達度評価を行うとともに,各人の伸びについてのコメントを返し,受講生の意欲が増大して,成果物のレベルが飛躍的向上した。

1-2.学生支援、地域連携活動

(1)目標・計画

  1. 教育委員会において採用を担当した経験を生かし,希望者に対して面接その他に関するカウンセリング・就職指導を行う。
  2. 徳島県教育委員会や地元の小・中・高等学校と連携し,研修会の講師や総合的な学習の時間の講師などを引き受け,総合的な学習の時間や情報教育・教育の情報化の普及・啓発を支援する。

(2)点検・評価

  1. 採用率を上げるべく,総合学習開発コースの院生を対象に,小西教授とともに採用対策講座(試験勉強対策,面接対策,模擬授業対策)を2回行うとともに,希望者に対する各県別試験対策講座,模擬授業講座を独自に4回行った。また,他のコースの学部生・院生に対しても,個別のカウンセリング,就職指導も多数行い,その大半を合格に導いた。
  2. 徳島県教育委員会の各種委員を務め,教育の情報化や学校情報セキュリティに関する国からの予算獲得と事業推進を行うとともに,名西高等学校の学校評議委員,城ノ内中学校・高等学校の総合的な学習の時間の講師,鴨島養護学校や県立聾学校等々における助言を務め,総合的な学習の時間や情報教育・教育の情報化に関する支援を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 情報教育・教育の情報化の分野において,最新の研究成果を取り入れつつ,現場で役に立つ内容で授業を構成すると共に,参加型の授業を行って,学生の意欲を引き出し,基礎・基本と即戦力となる能力の両面を育成する。
  2. これから採用試験を受ける長期履修生・学部生・大学院生のうち,希望する学生複数名に対し,教育委員会において採用を担当した経験を生かして,面接や模擬授業対策などに関するカウンセリング・就職指導を行う。

(2)点検・評価

  1. 情報教育マイスター養成研究会における研究成果,自分が委員長を務める文部科学省や経済産業省の教育の情報化に関する委員会や学会における最新の研究結果を授業に反映させつつ理念・知識の定着を図るとともに,受講生の要望を聞いて,実技研修・演習にも力を入れ,学校現場で即戦力とできる能力をも育成するようにし,受講生からも好評であった。
  2. 総合学習開発コースの院生を対象とした2回の採用対策講座(試験勉強対策,面接対策,模擬授業対策)の他に,希望者する長期履修生・学部生等を対象に,受験都道府県別試験対策講座,模擬授業演習を独自に4回行った。また,他のコースの学部生・院生に対しても,分け隔て無く個別のカウンセリング,就職指導も多数行い,その大半を合格に導いた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 現職教員を対象とした情報教育・校務の情報化に関する全国規模での遠隔教育システムとそれと連動した資格認定制度を立ち上げ,複数の大学の研究者と共に,その在り方について共同研究を行う。
  2. 学校情報セキュリティの在り方に関して,実証実験を行いながら研究を進め,JIS X5080の教育現場への適用の可能性を模索して,その成果を学会等で発表する。

(2)点検・評価

  1. 現職教員を対象とした全国規模での資格認定制度として,「情報教育マイスター」制度を,金沢大学中川一史助教授,大阪市立大学木原俊行助教授とともに立ち上げ,100名を超す受講者を得るとともに,小田原市と東京都で2回の集合型研修を行い,毎回約90名の参加を得た。また,情報教育ミドルリーダー養成の在り方に関する上記2名との共同研究会を2か月に1回のペースで行った。
  2. 学校情報セキュリティの在り方に関して,徳島・栃木・愛知県教委,和歌山・三木市教委に協力を得て,実証実験を行いながら研究を進め,JIS X5080を教育現場に適用するための「ASSURE method」について,日本教育工学会等で発表を行うとともに,私立大学情報教育協会主催の「大学教育・情報戦略大会」等,多数の招待講演,「学校情報セキュリティハンドブック」の出版等も行った。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  学部教務委員会主管の学部1年「基礎情報教育」と学部3年「総合演習」を担当し,本学における情報教育を推進し,本学の情報化に寄与する。

(2)点検・評価

  「基礎情報教育」では,主担当教員を務め,大学生として必要な一般教養としての情報学だけでなく,教育学部に特化した「教員に求められる情報活用能力」を育成する授業改善を行い,そのための教科書も作成・出版した。また,「総合演習」では,ふるさと徳島を誇りに思える教材開発という実践的課題の下,学生が必要感をもって取材・教材研究・教材作成のための情報機器の効果的な活用について学べるようにし,本学の情報化を推進できるようにした。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属学校・徳島県下の学校を対象に,教育の情報化や情報教育を支援する。
  2. 科学技術振興機構,コンピュータ教育開発センター,NHKと協力し,教育の情報化の普及・啓発を支援する。

(2)点検・評価

  1. 附属養護学校教員からの情報教育に関するカウンセリングに応じるとともに,阿波西高等学校,鴨島養護学校などの県内諸学校,徳島県教委,三好市,鳴門市,徳島市などの教育委員会を対象に,教育の情報化や情報教育に関する助言・支援を行った。
  2. 文部科学省の校務情報化に関する中・長期的政策を策定・執筆するとともに,科学技術振興機構において「理科ねっとわーく」,「かがくナビ」(予算23億円),「理科教育副読本」(予算6億円)の開発と普及支援,コンピュータ教育開発センターにおける学校情報セキュリティ支援サイトの開発,NHKにおけるデジタル教材・新教育番組の開発等を,委員長・部会長等の立場で行い,「新IT改革戦略」等文部科学省,経済産業省,総務省における教育の情報化政策の策定・実行において中核的な役割を果たした。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  遠隔教育準備室長として,ニーズ調査,カリキュラムの作成,遠隔教育システムの導入,実証実験,広報活動をリードし,平成19年度からの本格的実証実験授業を可能とするように活動した。平成18年度においては,遠隔教育準備室員の協力を得ながら,本学の遠隔教育大学院のビジョン策定とその具体化を行ってきた。
  また,学長裁量経費が使用可能となる前には,外部資金を獲得し,宮崎,熊本における対面型集合授業実験を行うなど,大学の負担を軽減しつつ実証実験を行えるよう努力した。
最終更新日:2010年02月17日

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