自己点検・評価報告書 (総合学習開発講座) 太田直也
報告者 太田直也
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
- 授業内容に関しては、現代の文化を考えるにあたって必要不可欠と思われる事項を取り上げてゆくが、出来うる限り受講生にとって身近な具体例を取り上げて説明することを心がける。
- 今年度の院生によるアンケートの中に、「説明の際の用語が難解であった」との指摘があった。この点を改善したい。
- 受講生の能力や努力を正当に評価するために、受講生の発言機会を増やす。
(2)点検・評価
- 現代の文化論に接する際に必要不可欠と思われる事項に関しては、脱構築を除きほぼすべて「理解可能な解説」を加えることができたと自負している。脱構築の説明が受講者に伝わりにくかったということは、担当者の能力によるところが大きいのかもしれない。しかし同時に、デリダの理論の難解さのためでもあり、短期間に様々な理論の消化を強いられる受講者の時間的余裕のなさのためでもあろう。
- 前年度の反省に基づき、用語および事象の解説の際には具体例を挙げることに力点を置いた。主として食物を採り上げたが、それが効果的であったことは受講者によるアンケート結果に明らかである。
- 受講者の発言機会は必要以上に設けた。
2-1.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
総合学習開発講座では「総合演習」CAにおいて徳島県上勝町と連携して農作業体験をコアとする新しい相互支援交流型カリキュラムを開発する予定であるが、これに参与する。
(2)点検・評価
- 総合学習開発講座の上勝町との連携が、先方の都合により頓挫してしまったために、予定していた相互支援交流型カリキュラム開発への参加は実現できなかった。
- ただし、学生と共に上勝町に出向き、地域の人々とふれあい、上記の活動の基底となる部分を確認した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
学生の課外活動に協力する。例えばふれあいアクティビティーなどの活動に参加し、必要に応じて学生たちにアドバイスを与える。
(2)点検・評価
- 可能な限り学生の様々な活動を支援した。特に、ふれあいアクティビティーに関してはほぼ全ての活動に関わり、活動実行の便宜を図り、助言を与えるようにした。
- 「教師」である以上当然のことであるが、学生・院生の個人的な事柄についての相談にも応じた。基本的には月曜日を「相談日」としていたが、実際には曜日に関係なく学内外で助言を与えてきたつもりである。
2-2.研究
(1)目標・計画
- ディラン・トマスの詩(“Twenty-four years”)について論文を記す。
- 申請中の科研費が採択された場合にはウェールズとカムリ語を中心とした、少数(弱小)言語と文化との関係、歴史、現状についての研究を並行して行う。
(2)点検・評価
- ディラン・トマスの“Twenty-four years”については「<現実>への視線」と題した論文を記し、『異文化研究』3(国際異文化学会編)に掲載を許可された。
- 科研費は不採用であったが、ウェールズとカムリー語の歴史、現状、課題については学会全国大会(国際異文化学会平成18年度大会)にて発表を行った。
- 『十字軍大全』(翻訳、東洋書林)を上梓した。本学において訳書が評価されないことは承知しているが、「自己点検・自己評価」であるから敢えてここに記す。翻訳という仕事がどのようなものであるかを知る人ならば、また新聞、雑誌、ネット上で本翻訳がどのような評価を得ているかを見たならば、ご理解いただけるものと確信する。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
- 各種委員等、与えられた責務を遂行する。
- 入学者確保のための広報活動。主として関東地区の私立大学訪問を行う。
(2)点検・評価
- 与えられた職務は遂行したと愚考する。直接関わった委員会は国際交流委員会であり、『波紋』の編集委員をさせていただいた。その他の委員会の代理出席等、可能な限り大学運営には関わった。
- 私学訪問は積極的に行った。報告済みの大学以外にも、学会出張などの折に知人を通じて直接大学訪問をし、ポスター掲載を依頼した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 附属小学校の教諭と勉強会を行う。申請中の外部資金を得ることが出来れば共同研究も行う。
- 英語圏(主として英国、アイルランド共和国)の教育機関との関係強化。
(2)点検・評価
- 徳島県内の小学校教諭と小学校英語教育に関する勉強会を数回行った。また実践結果の分析にも参与した。
- アイルランド共和国の小学校との関係強化を図ったが、eメールによる交流だけに留まった。次年度以降の課題としたい。
- 社会との連携という点では、ふれあいアクティビティーにおいて、地域の小学生を連れて上勝町に出かけたことも挙げられよう。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
特記事項はない。しかし、新聞、学会誌、パンフレット等に書評や記事を書く依頼があれば積極的に引き受けたという事実はここに記す意味があるかもしれない。こういった仕事の場合、言うまでもなく、筆者の所属が公にされるわけであるが、それがそのまま大学の宣伝になると考える。実際、新聞で拙文を読んだ読者から大学に関する問い合わせを受けたこともある。個人的にはそれによって評価されようというつもりは毛頭ないが、草の根運動的に続けたいと考えている。多くの教員がこのような地味な宣伝活動をしているはずであるが、本学が一部の「派手な」活動のみに注目し、誠実に努力をしている教員たちを軽んずることがあるならば(そのような事はないと信じたいが)この上なく残念なことと思う。
最終更新日:2010年02月17日