自己点検・評価報告書 (障害児教育講座) 島田恭仁
報告者 島田恭仁
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
- 毎年、授業中に多くの文献を紹介するが、それを読んで自学自習する学生は少ない。そこで、専門書や論文ではなく、親しみやすい実用書の書評を授業中に行って、学生の興味を喚起したい。
- 学生は客観式テストによる能力評価を多く経験してきたため、自分の知識に基づいて、独自に考えることに自信がもてない様子である。そこで、試験やレポートで自分なりのアイデアを展開させることにし、それを高く評価することで、自信とやる気を引き出したい。
(2)点検・評価
- 特別支援教育の実践に役立つ実用的な文献を多く紹介した結果、支援を要する児童への心理学的配慮や指導法について、学生の興味を喚起することができ、基礎力・応用力の育成に役立った。
- 前半で授業内容の要旨をまとめ、後半で自分なりの私見を展開する形式のレポート作成を行わせた。その結果、自身の実践体験や独自のアイデアにもとづいたユニークな意見を記述できた学生が増え、高く評価することができた。
- 発達障害者支援法や文科省の法令に定められた、特別支援教育関連の事項を分りやすく説明したことにより、LD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒に対する興味・関心を喚起することができた。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
- 従来の特殊教育が特別支援教育に転換しつつある社会情勢を鑑み、特別支援教育の体制整備のための地域貢献に、重点的に取り組みたい。
- 具体的には、県の教育委員会と連携しながら、県内各地域で実施される特別支援教育の協議会や事例検討会に赴き、特別支援教育の実践に役立つ、相談・援助活動を行うことにする。
(2)点検・評価
- 特別支援教育の体制整備のための地域貢献として、公開講座・教職十年次研修等の機会に、現職の教員や保護者に対する幅広い相談援助活動を行った。
- 県の教育委員会の特別支援教育体制推進事業に参画し、専門家チームの委員として、特別支援教育に関する相談援助活動に従事した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 学生が障害児心理学に興味がもてるように、入門的な文献、学習実験の具体例等の紹介を、授業中に随時行うことにする。
- 学生が心理学を応用した障害児の指導法(支援法)に興味がもてるように、分かりやすい参考文献、公的機関の発行するパンフレットやリーフレット、学習指導の実践例等の紹介を、授業中に随時行うことにする。
(2)点検・評価
- 障害児心理学への興味を喚起するために、入門的な文献と学習実験の具体例を逐次紹介したところ、授業評価アンケートの「教材は適切だった」の項目でほとんどの学生が、「教養や専門性を高めるものだった」の項目ではすべての学生が5または4の高い評定を行った。
- 障害児指導法への興味を喚起するために、実践的な事例研究を詳細に紹介したところ、効果的な指導の仕方について理解を深めることができた。
- 特別支援教育における学習指導に、心理学の理論がいかに役立てられるのかについて、実際に教材を操作させながら考案させたところ、学生の反応は良好であり、終始関心をもって取り組めた。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 従来から実施してきた障害児の学習心理に関する研究の成果を論文にまとめ、学会誌または研究紀要等に投稿する。
- 障害児の学習面・適応面での指導に関する研究の成果をまとめ、全国規模の学会において、その成果を報告する。
(2)点検・評価
- 障害児の学習心理に関する研究成果を論文にまとめ、日本教育心理学会の学会誌「教育心理学研究」に投稿したところ、審査の結果採択された。
- 障害児の学習指導に関する研究の成果をまとめ、日本特殊教育学会と日本LD学会において、成果を報告した。
- 教育研究支援プロジェクトの一環として行った共同研究(特別支援教育の全国実態調査)の成果を論文にまとめ、共同研究者と共に本学研究紀要に寄稿した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
- 前年に引き続き、入試委員会委員として、学部入試または大学院入試のいずれかにおいて、本学の運営に貢献する。
- 障害児教育講座において養護学校での教育実習の世話役を務め、障害児教育の学生のみでなく、他専修の学生に対しても、障害児教育の第2コアを志向する実習指導を展開する。
(2)点検・評価
- 学部入試委員として、所属講座における20年度入試の配点等について検討し、入試委員会と所属講座との連絡調整の任に当たるとともに、試験班員としての業務に従事した。
- 附属養護学校での教育実習の世話役として、特別支援教育の第2コアを志向する事前・事後指導を充実させ、受講生の教育実践力を高めるための養成プログラムを立案し遂行した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 県の教育委員会と連携しながら、県内各地域で実施される特別支援教育の協議会や事例検討会に赴き、特別支援教育の実践に役立つ、相談・援助活動を行うことにする。
- 小・中学校教諭や保護者からの求めに応じて、軽度発達障害等の問題をもつ児童の教育相談を実施する。
(2)点検・評価
- 県の教育委員会からの委嘱を受けて特別支援教育相談会に赴き、知的障害児やLD児の具体的な事例に即した相談・援助活動を行った。
- 小学校の特別支援教育巡回相談員と保護者からの要望で、発達上の問題をもつ児童の教育相談と指導を行った。
- 大学院の教育実践研究受入れ校と協議し、本講座と連携しながら特別支援教育の実践を行う協力校になることについて了承を得た。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
平成18年度には、特に下記の3点で貢献できた。
- 特別支援教育の体制整備のための地域貢献を幅広く行った。
- 障害児の学習心理に関する論文が学会誌に採択された。
- 所属講座と連携しながら特別支援教育の実践を行う協力校を得た。
最終更新日:2010年02月17日