自己点検・評価報告書 (教育臨床講座) 山下一夫
報告者 山下一夫
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
- 学部の「生徒指導論」や大学院の「学校臨床心理学」のような多人数の講義であっても、教員だけが話す一方通行の授業にならぬように、できるだけ学生の意見を求め、そしてその意見に教員が応え、ともに考えるような双方向の授業になるように心がけたい。このような教員と学生のコミュニケーションこそ、生徒指導における基礎的能力であり、応用力でもある。
- 多人数の授業であっても、出席をできるだけ確認し、欠席の多い学生はテストを受けさせない。テストは客観問題と論述問題を出題し、適正な成績評価に努める。そして、テストの採点を2週間以内に行い、不合格者には追試験(又はレポート)を課す。
(2)点検・評価
- 学部の「生徒指導論(必修・担当教員2名)」の受講者は177人、大学院の「学校臨床心理学」は75人と多人数であった。「生徒指導論」では、コースごとに座席を決め、できるだけ学生の顔と名前を確認しながら意見を求めた。「学校臨床心理学」では、受講者に顔写真を貼付した自己紹介文の提出を求め、できるだけ名前を覚えるようにした。そして、大学院生の意見をもとに話題が発展し、双方向の授業が「学校臨床心理学」では、ある程度達成できたように思える。
- 目標・計画通り、適正な成績評価に努めた。しかし、「生徒指導論」において177人中68人が不合格で追試験を行った。ほぼ毎回授業に出席しているのに、空欄を埋める問題でほとんど解答できない者が20人ほどいた。追試験後の最終成績は、S・23人、A・43人、B・87人、C・16人、D・8人であった。授業の改善だけでは限界があるので、来年度(19年度)から、学部学生と大学院長期履修生を分けて、同じ授業を2回行わざるを得ない。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
高知県で公開講座を開催する。そのとき、高知県の教育委員会や大学等に対しても、本大学と本講座の紹介を行いたい。さらに、講座の修了生との懇親会を開催し、本学修了生とのネットワーク作りに寄与したい。
(2)点検・評価
8月3-4日に、高知市で「子ども理解と不登校」というテーマで公開講座を開催したところ、受講者は43人であった。高知県教育委員会、高知県心の教育センター、高知市教育研究所、高知大学、高知女子大学、高知県臨床心理士会、高知県在住の生徒指導講座・教育臨床講座の修了生等に、公開講座の案内をするとともに、本大学院の入学案内も行った。また、4日の夜に、修了生・在校生10人以上と懇親会を開催した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 1-1で述べたように、多人数の授業においても、学生が授業に積極的に参加できるように、学生の意見を大事にしたい。
- 大学院の課題研究や面接指導において、たとえ院生数が多くても、できるだけきめの細かい授業を行う。
(2)点検・評価
課題研究【2】・9人、面接指導実習・9人、課題研究【1】・6人と、非常に多くの院生の指導を行った。例えば、課題研究【2】では、院生1人に対し、毎週45分の個別指導を行った。さらに、11月以降は時間を延長し論文指導をした。また、博士課程の院生を3人指導し、うち1人が博士号を取得した。
2-2.研究
(1)目標・計画
少なくとも、論文を1本発表する。
(2)点検・評価
時間的余裕がないなかで、共著ではあるが研究論文を2本発表した。さらに、実践的内容に関する雑誌論文も発表した。
- 論文
北澤弘二・山下一夫 2006 青年海外協力隊員のリエントリーショック 心理臨床学研究,24(4),487-493.
山下一夫・高芝朋子 2007 1歳6ヶ月児の母親の子ども虐待傾向:健診時における質問紙調査を通して 鳴門教育大学研究紀要(教育科学編),22,61-70. - その他
山下一夫 2006 臨床心理学キーワード(時の女神、依存と自立のサイクル、スキンシップ) 臨床心理学(金剛出版),6(6),834ー836.
山下一夫 2007 学校臨床心理学の実践的基本理論 臨床心理士のための基礎VI2006(日本臨床心理士会),1-10.
2-3.大学運営
(1)目標・計画
学長補佐として、積極的に教育委員会との連携を推進していく。
(2)点検・評価
学長補佐(教育連携担当)として、主に教職大学院や実習のことで、四国各県の教育委員会、及び徳島県下の市町村教育委員会と連携を図った。
学内においては、大学院教育組織見直し検討部会の主査を務めた。
学内においては、大学院教育組織見直し検討部会の主査を務めた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 1-2で述べたように、新規に高知県で公開講座を開催する。
- 日本心理臨床学会理事、日本臨床心理士資格認定協会評議委員、日本臨床心理士会理事などの社会活動を行う。
(2)点検・評価
- 前年度に引き続き、日本心理臨床学会理事、日本臨床心理士資格認定協会評議委員、日本臨床心理士会理事を務めるとともに、9月に日本生徒指導学会理事に選出された。
- 10月に本学で開催された、「第2回日中教師教育学術研究集会」において、「生徒指導の資質・能力を養成するための大学院教育」 を発表した。
- 「第24回鳴教大教育・文化フォーラム(子どもの心のつまずきと成長)」をコーディネートするとともに、シンポジウムの司会を務めた。また、「新しい学校づくり鳴門市地域協議会」(徳島県教育委員会)の議長を務めている。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
大学院生の指導(課題研究)をはじめとして本学の教育活動において多大の貢献をしたと自負している。さらに、大学運営、及び全国学会等において積極的に活動した。
最終更新日:2010年02月17日