平成26年度ベストティーチャー賞受賞者

教育部門

所属・氏名 人文・社会系教育部 余郷裕次 教授 余郷裕次(優秀教員表彰web).jpg
自己点検・評価書

余郷裕次.pdf(107KB)

教員情報
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121604283/
選定理由及び
優れた教育手法
 余郷裕次氏は,国語科教育研究を専門分野とするが,近年は絵本モンタージュの研究とその読み聞かせの効果に関する研究に取り組んでいる。特に絵本の読み聞かせの実践や啓発活動に意欲的に取り組み,自らの授業実践にもその成果を活かしている。具体的には,絵本の読み聞かせのパフォーマンス演習を通して,国語の授業力向上に役立てている。その成果の一端は,「絵本の読み聞かせを教員養成に」の理念のもと,『鳴門教育大学教員養成改革の軌跡』(2013年・協同出版pp.150-153)に報告されている。
 学内では,平成18(2006)年度から附属図書館児童図書室長を務め,毎年自ら絵本の読み聞かせのワークショップを担当し,児童図書室の充実・発展と地域貢献に努めてきた。児童図書室の活動は,平成24(2012)年,全国学校図書館協議会の第42回学校図書館賞実践の部で奨励賞を受賞した。
 以上,氏の業績は,教員養成を専門とする本学の教育研究の中で,国語科教育の立場から独自の実践的成果をあげているだけではなく,社会連携・地域連携においても,地域の文化的啓発活動に大いに活かされ成果をあげている。これらの実績を総合的に判断し,余郷裕次氏を教育部門のベストティーチャーとして選定した。
受賞者のコメント  今日,日本の学校や社会が抱える問題として,いじめや貧困など,弱者がいよいよ追い詰められている状況があります。そんな大状況に対して一大学教員が無力であることも確かです。しかし,毎年,約3万人もの方々が自殺し,そこに小学生まで含まれる現状を看過することはできません。そこで,私は「絵本の読み聞かせ」を学校に,家庭に,社会に一層普及することで,愛を基盤とする社会を目指し,大学教育にも導入してきました。
 そんな個人のささやかな活動が評価され,本学のベストティーチャー賞(教育部門)を受賞することができたことは,望外の喜びであり,心から感謝しております。
 また,学校教育を子どもたちにとって息苦しくしているもののひとつに,知識基盤社会の弊害とも言うべき学力偏重の知識注入式教育があると考えています。そこで,私は,日本の伝統的学習方法である「修行」を学校に導入する必要性を感じています。「絵本の読み聞かせ」活動は,私の「修行」です。
 今後も,精進を忘れず,学校教育を中心とする社会貢献に努めたいと,心を新たにして います。

 

研究部門

所属・氏名 自然・生活系教育部 佐藤勝幸 教授 佐藤勝幸(優秀教員表彰web).jpg
自己点検・評価書 佐藤勝幸.pdf(100KB)
教員情報
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121604580/
選定理由及び
優れた教育手法

 佐藤勝幸氏は,プロジェクト研究企画・推進室長として,本学の教員養成コア・カリキュラムを教員養成のモデルカリキュラムとして汎用性・実践性のあるものに主導し,その成果を纏め報告書,国際学会等において発表した。その成果は,以下のとおりである。
 1)文部科学省 先導的大学改革推進事業「教員養成に関するモデルカリキュラムの作成に関する調査研究(最終報告書)」(平成23(2011)年3月),2)文部科学省 特別経費事業「教員養成モデルカリキュラムの発展的研究(平成25(2013)年度成果報告書)」(平成26(2014)年3月),3)「確かな質保証を実現するための教員養成:モデルカリキュラムと適格判定基準」環太平洋地域教師教育国際シンポジウム-教員養成の質の保証と評価の国際的な動向-鳴門教育大学Webで公開,全10ページ。平成24(2012)年7月,鳴門教育大学(日本・鳴門)4)Sato,K. Teacher training to guarantee positive quality: A model curriculum and qualified criteria.The 8th East Asia International Symposium on Teacher Education. pp.70-76.2013年9月,東北師範大学 (中国・長春)
 これらの業績は,本学の教員養成カリキュラムをモデルカリキュラムとして汎用性・実践性のあるものに高めるとともにその成果を国際的に発信したもので,本学だけではなく我が国の教員養成改革にも貢献するものである。なお,学士課程における教員養成モデルカリキュラム開発は,本学の中期目標において研究を推進する内容として掲げているものである。以上の業績を総合的に判断し,佐藤勝幸氏を研究部門のベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント  平成21年8月から平成23年3月まで文部科学省先導的大学改革推進事業「教員養成モデルカリキュラムの作成に関する調査研究」,平成23年7月から平成26年3月まで特別経費事業「教員養成モデルカリキュラムの発展的研究」を受け,これら研究に対して本学の教員が全学的に取り組みました。その成果は『鳴門教育大学教員養成改革の軌跡-教員養成の更なる高みを目指して-』鳴門教育大学企画戦略室編(2013)にも記載されています。先導的大学改革推進事業では,教育実践力のある教員育成のためのカリキュラム開発に努め,教員養成モデルカリキュラムを提案しています。教員として求められる資質・能力の選定,それらを育成する授業科目との関連を明確に位置づけると共に,教育実践力を評価する方法の開発にも努めました。また,特別経費事業では,作成したモデルカリキュラムの汎用性,実用性の検討に努めました。これらの成果は本学の教員のご努力とご協力の成果によるもので,この賞は私に対するものはなく,研究に関わっていただいた本学,他大学および教育関係の先生方全員に対するものであると思っています。今後はさらに「在り方懇」等で指摘されている課題を検討しながら,よりよい教員育成のために努めていきたいと思います。
最終更新日:2014年10月21日