小学校英語教育センター

記載責任者 小学校英語教育センター所長(命) 前田一平
<人文・社会系教育部 教授>

(1)教員名簿

センター所長(命) 前田一平 (任期:平成20年4月1日~平成22年3月31日)
氏名 職名 専門分野 氏名 職名 専門分野
<センター所長>
前田一平
教授 アメリカ文学 <カリキュラム開発分野>
兼重昇
准教授 英語教育
Gerard Marchesseau 講師 英語教育      

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

 

(2)センターの活動状況,今後の課題等

  平成17~19年度までの国庫運営交付金による事業展開から,平成20年度より本学独自の予算措置により事業展開を行った。これまでの研究・研修事業の結果を参考に,県内外の小学校英語関係者との情報交換をより密にし,効果的な小学校英語教育のあり方を実践的側面から検討することとした。特に,平成23年度より,小学校において,新『学習指導要領』に則った外国語活動が実施されることに鑑み,移行期間となるこの時期に教員研修を集中的に且つ効果的に行うことを本センターの活動の中心とした。教員研修のあり方として,これまでの経験を生かし,地域や学校を基盤としたもの(以後「お遍路研修」)を中心とし,併せて,各都道府県等で育成している「中核教員研修」のサポートを行った。また学内への直接的貢献のため,小学校英語が担当できる教員養成のための授業「初等英語」「初等英語科教育法」を言語系コース(英語)と共同で計画・実施した。
  この他にも平成19年度までに構築したウェブによるサポートシステムを活用し,小学校英語教育に関わる人材が情報共有できるようなデータベースの活用や電話やファックスも含めた学内,県内外からの教材の貸し出し依頼や質問に答えるよう環境整備を行った。
  今後の課題としては,授業実践へのサポートだけではなく,他地域で見られるような教員の自発的欲求に対応すべき英語力アップの研修の開催や,ALT(英語指導助手)の研修,日本人英語教師の研修など,研修の幅を広げていくことが課題として挙げられる。

(ア)小学校英語担当教員の研修の改善及び実施

  集合型研修としては,事業(エ)の小学校英語シンポジウムの開催のみであったが,当初計画通り,実際に小学校や地域へ出張して研修を行う「お遍路型研修」への事業焦点化を行い,50箇所を超える学校・地域で研修を行った。徳島県内の小学校数が約220校であることを考えると,平成19年度の延べ65箇所と合わせて県内の半分以上を網羅しつつあることが分かる。また,研修内容としては,実際に研修の一部として児童を対象に授業実践を提示することが非常に高く評価され,これは学校で直近に求められている研修といえるし,想定しているオンデマンド研修の実現に通ずると解釈できる。今後もこうしたお遍路型研修に対するニーズは高まると予想され,本事業の求められる事業形態として不可欠と判断できよう。

(イ)小学校英語教育ネットワークの活用

  ウェブページの整備と教材のデータベース化を行い,貸し出し作業も行った。また,拠点校を中心とした人的ネットワークの構築も行った。ウェブページの整備により,センターの所蔵する教材教具の公開が可能になり,小学校英語にかかわる人へのサービス向上が可能となった。また人的ネットワークに関しては,今後「小学校外国語活動」をすすめていく中核教員(文部科学省における用語:各小学校から1名ずつ指定される中心的教員)の情報共有の場としても機能することができると考えられる。

(ウ)小学校英語教育の支援および実態調査

  教員研修の事業の一環として,実際に小学校での授業実践を行い,それを対象とした研修を行うことで,具体的事例を示しながらの支援を行った。実態調査としては,研究開発校での評価に関する事業支援を行ったが,今後(平成21年度より),文部科学省実施の「英語教育改善のための調査研究事業」「教材の効果的な活用及び評価の在り方等に関する実践研究事業」への積極的支援を行う予定である。

(エ)小学校英語シンポジウムの開催

  集合型研修の一環として,小学校英語に限らず広く学校における英語教育に関する最新の情報を提供するためのシンポジウムを以下の要領で開催した。
開催日時 平成21年2月28日(土) 13時00分~17時00分
会場 鳴門教育大学講義棟B101講義室
題目 平成20年度小学校英語シンポジウム
「新学習指導要領からみる日本の英語教育の将来」
-小・中・高等学校学習指導要領を読み解く-
参加者 150名
内容等  本シンポジウムの開催に当たり,講師に文部科学省から菅 正隆教科調査官,シンポジストとして,小学校担当に京都市教育委員会指導主事直山木綿子先生,中学校担当に関西大学教授 田尻悟郎先生,高等学校担当に大阪府教育センター主任指導主事蛭田勲先生を招いて,今後の日本の英語教育について,学習指導要領の改訂の意図やその具体的な解釈や将来像という視点で,改訂にあたった当事者の意見を元に参加者との質疑もふまえて充実したシンポジウムを行い,参加者からも非常に高い評価を得た。

(オ)言語系コース(英語)との関係状況:小学校英語を担当できる教員養成を目指すため,学部授業を開設

  平成19年度より,「初等英語」,「初等英語科教育法」の2つの授業を言語系コース(英語)と開講し実施している。受講者は,現職教員大学院生が多く,本来の学部学生対象の授業としての意義や大学の教育課程との問題(必修化できないなど)で,その位置づけに関して課題が残った。一方,現職教員大学院生のニーズが高いことも明らかになり,今後,大学院レベルでの授業開設も含め検討課題となった。

(カ)教員研修の資格認定制度の確立を目指す

  資格認定制度については,教員免許法改定,教員免許更新制度とも併せて,今後の課題となったが,本年度試行される教員免許更新制度のコンテンツに関しては,これまで本センターで行ってきた研修のコンテンツが利用できると考えられ,試行後に改訂していく予定である。また,四国大学との協同事業として,現在資格認定制度について検討中である。

(キ)改組後の新教育・研究組織とセンターとの関係等について

  1. 要望:
    センター教員2名は人文棟3階の研究室に移動することが望ましい。現在,本センターの教員,兼重昇は人文棟5階の研究室を,ジェリー・マーシェソは同5階の本センター・オフィスを使用している。しかし,両者とも言語系コース(英語)に所属するわけであるから,他の英語教員と同じく人文棟3階の研究室を使用することが望ましい。特に,向井清教授と小野功生教授の退職後,両研究室は多コースの教員の使用に供している。これはいかにもいびつな状況であるので,言語系コース(英語)の運営を機能的にするために,また,マーシェソ准教授に研究室を与えるという意味でも,本来言語系コース(英語)が使用していたふたつの研究室を兼重,マーシェソ両准教授に使用させることを希望する。
  2. 困難な実情:
    教員・教育組織が統合されても,本センターでの仕事内容が専門化・特殊化されているので,コースと仕事内容や時間を共有することは困難な状況である。よって,本センター教員はコースの仕事がかなりの過重負担となり,研究時間の欠如を強く感じている。本センター教員によるコースの授業担当と学生の論文指導(ゼミ指導)は組織統合以前から行われているが,センター業務の繁忙さに鑑みて,これ以上のコースへ貢献することは難しいのが現状である。大きな改善が必要である。
  3. よい点:
    教員・教育組織統合のよい点は,コースで人事を進めることができることである。実際,平成20年度にはマーシェソ講師の准教授昇任人事が円滑に行われた。ただ,センター教員として期限付きで採用されたマーシェソは身分保障に不安を感じている。この点は学長および田中理事に確認したように,センターの存続いかんにかかわらず,コース教員として5年更新の契約採用であることを理解させた。
最終更新日:2010年02月17日

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