自己点検・評価報告書(言語系コース(英語),小学校英語教育センター) 兼重昇

報告者 兼重昇

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  研究活動としては,本務にあたる小学校英語教育センターにおける事業が中心となるが,特に高学年での小学校英語活動が実施の方向となるなか,その成果について具体的に検証していく。評価の方法を精査し,より客観的なデータとしてその成果が証明されるような手法について研究および実施を行う。そして,その研究成果を各種学会にて発表し公表する。

(2)点検・評価

  国立教育研究所の「小学校における英語教育の在り方に関する調査研究」の調査研究委員として,全国の小学校での,小学校英語の成果について大規模な調査を行った。また,河内長野市の研究開発校において,小学生を対象に評価活動を行い,その成果を各種学会において平成21年度発表予定である。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  授業実践においては,まず教育実践との連携を深めることを重視していく。具体的には,各授業において,英語コミュニケーションでは,小学校英語(外国語活動)を行えるような基礎的英語力と,実際に利用できる教具の作成などを通して,タスク型の授業を行う。英語教育関連授業では,実際に教壇に立つ者として必要な基礎知識や技能を高めるための手立てを演習形式で多く盛り込む。また,学校教育における授業実践者との交流を進めるような授業展開を行う。新規,授業(教員国際教育センター開講)については,国際貢献事業に役に立つ実践的内容を扱うものとする。
  以上の目標に基づいて,授業を展開し,評価においては結果だけでなくプロセスを重視した評価を行う。

(2)点検・評価

  授業実践としては,当初計画通り,英語コミュニケーションでは小学校英語(外国語活動)を意識した授業として,英語絵本の作成及び読み聞かせを実施した。また,英語教育関係の授業においても,受講者に実践での最新の情報を提供するよう心がけた。新規授業については,教員国際教育センター所属の学生対象のため,受講者が少なかったものの留学生を中心とした各国の教育情報交換など新たな授業構築へつながった。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  学生の課外活動として,野球部,ESSの顧問として学生の活動が円滑に進むように支援する。そのため,活動への積極的な参加や相談にも応じる。
  教育においては,ゼミや授業外活動における就職活動支援をおこない,教員になるために必要な最新の情報を提供すると共に,基礎学力を高めるための勉強会の場を提供する。

(2)点検・評価

  課外活動については,数件の活動中の事故などがあり,安全面での注意が十分確保できなかった点が反省点としてあるが,その他の活動については,円滑にすすめられた。ESSでは,新たに四国大学との共同で8月19日20日に小学生対象の英語キャンプを行い実施するなど,活動の幅を広げることになった。
  ゼミ等での就職対策については,学部ゼミ生2名のうち,それぞれ大阪府,兵庫県の小学校教員(正採用)となった。

2-2.研究

(1)目標・計画

  前述の研究活動と同様に,小学校英語教育センターとしての事業が中心となるが,特に,(1)小学校英語(外国語活動)における教員研修のあり方,(2)小学校段階での外国語教育の海外の事例などを収集する中での評価に関する研究をすすめていく。具体的には,アジアやヨーロッパで行われている評価方法の概要をまとめ,その日本での可能性について模索すること,英語力に関する客観的な測定方法の提案を行い,国別の比較を行う。

(2)点検・評価

  (1)教員研修としては,小学校英語教育センターの「お遍路研修」として,全国80地域以上の学校や地域での研修を実践した他,独立行政法人教員研修センター実施の「小学校における英語活動等国際理解活動指導者養成研修」や各自治体実施の研修に講師として参加した。(2)海外での評価事例に関しては,これまでの継続研究として,研究開発校でのスピーキング評価を実施をした。国際比較については未実施である。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 国際交流委員会の委員として,留学生の派遣や受け入れに関する諸支援を行う。
  • 小学校英語教育センターの事業を県内外にアピールすることで,大学の広告的役割を担う。

(2)点検・評価

  コンソーシアム協定締結校からの留学生を交換留学制度として新たに受け入れた。また,ウエスタンカロライナ大学から20数名の大学生を授業内に受け入れ,本学学生との交流授業を実施した。
  小学校英語教育センターの事業である「お遍路研修」やその他,国や自治体の研修会を通して,本学の大学院への入学を広告した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  附属学校(特に小学校)での英語教育(外国語活動)の授業実践の支援を行う。
  社会との連携としては,徳島県総合教育センター主催の教員研修・10年次研修,公開講座などに積極的に取り組む。県内外の公立小学校での授業実践,校内研修などの事業を行う。
  国際交流については,積極的に海外の研究機関との共同研究を進める。具体的には,小学校英語教育に関する共同研究として,韓国,台湾,中国などとの情報交換や現地調査を進める。国際交流協定締結校との交流を推進する。

(2)点検・評価

  附属学校への長期的支援については,センター教員内での分担として,マーシェソ講師に依頼したため,研究会等での授業作成支援,指導助言等にとどまった。
  徳島県への貢献として,県内ののべ80地域にわたる小学校へ授業や研修を実施すると共に,総合教育センターの研修会や2回の公開講座(鳴門教育大学,大阪市),免許更新制度予備講習の実施などを行った。
  国際交流としては,韓国京仁教育大学への研究訪問,ウエスタンカロライナへの訪問など共同研究を継続的にすすめている。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  平成20年度より,学内措置として小学校英語教育センター事業の継続を決定されたことで,これまでの研修事業が継続できることとなった。それにより,平成 23年度本格実施の新学習指導要領が円滑に進むよう行った地域へ研修や提案授業は,全国で高評を得ている。また,「学習指導要領解説小学校外国語活動編」の作成協力者として,これまでの教育研究活動が評価されたものと考えられる。

最終更新日:2010年03月29日

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