4.附属学校部 附属中学校

<附属中学校>

(1)教育課程の編成

  本校の教育課程の編成については,教育課程編成方針を立てその理念のもと,文部科学省の「中学校学習指導要領」に沿って作成した。
ア.教育課程編成方針
  • 特色ある学校,特色ある教育活動を展開し,基礎・基本の確実な習得と輝く個性を持ち生きる力を身につけた生徒の育成をめざす教育課程を編成する。
  • 教科教育,道徳,特別活動と総合的な学習の時間の関連を図り,豊かな心を育む教育課程を編成する。
  • 大学と附属のより一層の連携をめざし,教員養成系大学の附属校としての使命である教育研究と実践研究の充実をめざす教育課程を編成する。
イ.具体的実施状況
  • 1授業時間を50分単位に戻し,本校の知の総合化をめざした教育目標の実現に向けて全教職員の協力体制を確立する。
  • 小中連携体制の中で,小学校教員による授業を引き続き実施し,中1プロブレムの解消に努めるとともに,補充・発展的内容を効果的に扱い知識の確実な定着を図る。
  • 特色ある選択教科を設定し,興味関心・意欲を喚起することをめざすとともに,個性を生かした教育の充実を図る。
  • 総合的な学習の時間では,体験や調査的な活動を積極的に導入する。このことにより,自ら学習する能力や態度を養うとともに,人間性豊かな生徒を育成する。同時に,LFタイムとして,大学教員の講演等による生き方を考える時間を計画的に取り入れる。
  • 豊かな心が育つ道徳教育を研究し,その実施に当たる。
  • 生徒自らが学校生活に主体的に取り組むという意識を強く育み,責任感を養うために生徒会活動を充実させる。
  • 部活動については,教科外における幅広い教育活動との認識のもと,その充実を図る一方で,従来通り週1回のノー部活動日を設ける。
以上,主立った項目を挙げたが,これらの達成に向けて教職員全員が叡智を結集して取り組んだ結果,概ね当初計画通りの教育成果を上げることができた。

平成19年度における本校の教育課程(年間時数)

区分 必修教科の授業時数 道徳 特活 選択教科 総合的な学習の時間 総時数
国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保体 技・家 外国語
1年 140 105 105 105 45 45 90 70 105 35 35   100 980
2年 105 105 105 105 35 35 90 70 105 35 35 55 100 980
3年 105 85 105 80 35 35 90 35 105 35 35 135 100 980

(2)教育研究

  大学と一体となって教育の理論及び実践に関する科学的研究を行うこと,さらには教育界の課題の解明に努め,関係機関と連携し本県中学校教育推進の一翼を担うことが本校の使命に掲げられている。この使命を達成するため,毎年課題を設定し,研究委員を中心として毎週定期的に研究会を行い,理論,実践の両面から研究を進めてきている。その研究で得られた成果は研究紀要に掲載するとともに,毎年6月に開催する中学校教育研究発表会において発表している。
  ここでは,公開授業,それを受けての分科会が催され,教育関係者や大学教員からの質問,アドバイス,意見交換が行われ,さらに深い研究へと進められている。この研究発表会には,県内のみならず,全国から教育関係者や大学教員等が参加し,それぞれの立場から真剣な討論が為されてきた。
  昨年度までは「個に応じた指導によるわかる授業の展開-生徒の認知スタイルを生かしたペア学習の創造」を2年間研究し平成18年6月6日に,その成果について発表した。
  今年度からは研究主題を新たに「「目標・指導・評価」の一体化を図った授業の創造-パフォーマンス課題を取り入れた授業とルーブリックによる評価-」と設定して研究している。本研究は,特に観取ることが難しいと言われている部分(「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」)においてはパフォーマンス課題を設定し,その達成状況をルーブリックによって観取ろうとの考えで研究を進めたものである。すべての教科においてこの試みを取り入れた研究授業を行い分析を行ったが,研究を進めていく上で当初の考えが不十分であった部分も顕在化した。これらは今後の研究に待たれる。
  この実践報告及び研究成果等については平成19年6月8日の第51回中学校研究発表会で報告した。当日は鳴門教育大学の学生・大学院生も研究会に参加,教科別分科会では鳴門教育大学の教員に指導助言をお願いした。

(3)実地教育について

  実地教育(教育実習)は附属中学校としての使命であり,よりよい教員を養成するため大学と附属学校が連携・協力してより充実させていかねばならない。しかし,その一方で多くの実習生の指導を任された教員の負担は過大なものであり,特に教科担当一人のところは厳しい実態もあり,よりきめ細かな指導を行うためにも人的な充実が切望される。さらに,本年度からは長期履修学生(大学院生)の一部も附属学校実習に加わることとなった。実習生の単純な人員増加に伴う負担増だけではなく,従来の学部学生では見られない大きく違った個性を持った学生も存在し,指導には今までにない苦労も増えてきている。
  ア.実施状況

○実地教育I ふれあい実習 1年生 9月10日
○実地教育III 附属校園実習直前指導 3年生
○実地教育V 附属校園実習 (53名),大学院生(3名) 9月3日~9月28日
○実地教育VI 附属学校園実習事後指導 3年生
○実地教育VIII 副免実習 4年生(45名) 10月29日~11月9日

(4)教職員

  ア.教員組織
  本年度は,校長,副校長,教頭と教諭18名(うち1名は鳴門教育大学大学院研修中),養護教諭1名の計22名のほか,附属小学校との併任教諭1名(理科),大学との併任の非常勤講師1名(英語),その他の非常勤講師6名,事務職員,用務員,臨時用務員,事務補佐員,技術補佐員の計5名の構成である。
  各教員は通常の教育活動,課外活動に加え,生徒指導上の問題も抱えている。その一方で,附属学校はよりよい教員養成のための実地教育,県下中学校教育の推進を担うべき研究活動という使命を担っている。このことを考えたとき,附属中学校が使命を十分に果たし,その存在意義を確立するためには,厳しい中ではあるが人的充実の工夫が必要と思われる。
  イ.勤務の状況
  通常の学校教育活動に加え,研究発表会に向けての研究会,実地教育指導,教員養成コアカリキュラムにおける学部学生の指導,教育実践研究での院生指導等を行った。
  また,県下の多くの教科研究会の事務局が附属中学校に置かれ,編集委員,事務局員として多くの業務を遂行した。さらに,各種研究会で指導助言者等として県下教育界に多くの貢献をした。
  附属学校教員の資質向上を図るため,1名の教員が鳴門教育大学大学院へ研修中であり,国内各地の研修会に多くの教員が参加した。
  今後の大きな課題としては,本校の教員が大学院での研修を行う際の後補充の問題である。現在は担当教科の時数のみの後補充となっており,1日単位の勤務とはなっていない。この解消が附属中学校の喫緊の課題である。

(5)施設・設備

  体育館の耐震改修工事が完了し,体育の授業のみならず,さまざまな学校行事が安心して実施できている。
最終更新日:2010年02月17日

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