2.附属図書館

(1)特記事項

平成18年度の特記すべき取り組み事項は,以下のとおりである。
  1. 後藤家文書画像データベース学内の別サイトへリンク(画像約84,000点)の公開
  2. 開館時間の延長(学部前期試験期間及び実地教育期間)
  3. 児童図書室図書貸出期間の延長(2週間から3週間へ)
  4. 附属図書館特別展「敗者へのいたわり-松江豊寿と二つの俘虜収容所」学内の別サイトへリンクの開催
  5. 教育著作権セミナーの開催(メディア教育開発センターと共催)

(2)管理運営

  1. 附属図書館運営委員会
      附属図書館運営委員会は附属図書館長,各部から選出された教授,各委員会等から選出された委員13名で構成し,事業計画の策定や予算に係る重要事項等を審議している。
    <参考 図書館概要 pdf(52KB)>
  2. 事務組織
      法人化後はそれまでの3係体制(管理,目録,サービス係)から資料係,サービス係の2係体制となり,図書購入に係る契約事務は会計課に一元化している。
    【課題】
      昭和62年竣工時の図書収容力は約18万冊であったが,平成18年度末の配架資料は約30万冊である。ここ十数年閲覧席を減し書架を増設することで増加資料に対応してきたが,これ以上閲覧席を減すべきではない。今後の資料配架スペースを確保するために,資料の受入・保存基準を早急に整備し,狭隘化への抜本的な対策を講じることが喫緊の課題である。
    予算削減が続く中,一方では図書・雑誌経費の高騰が続き,図書館資料の充実についてはなかなか厳しい状況であるが,利用者サービスの低下を招かないための予算確保への努力が求められる。

(3)教育支援

  1. 蔵書
      日本の図書館2006(日本図書館協会)によれば,学生1人当り蔵書数は291冊で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
    <参考 統計資料 pdf(17KB)>
  2. 学術資料の収集整備
      教員養成大学として幅広く各分野の資料を選定しており,学生図書は全教員の推薦により購入し,図書館に備える基本図書は学生の利用状況や蔵書構成を勘案して職員が選定している。また,授業に関わりのある参考文献や学生から要望があった資料を購入している。
      外国雑誌については,図書館購入の冊子体は少ないが電子ジャーナル約3,500タイトルを利用できる。平成18年度に利用できた電子ジャーナルは次のとおりである。
      SpringerLINK , Wiley InterScience, EBSCOhost, Elsevier SD
      教科書,指導書については,平成18年度末現在11,000冊ほどを所蔵している。小学校及び中学校教科書は改訂時に順次整備している。また,文部科学省著作の「学習指導要領」及び「学習指導要領解説」も教科書コーナーに備え付けられて,利用に供されている。
    【課題】
      資料費を確保するために様々な経費を節約して努力しているが,これにも限界がある。資料費確保のための全学的な対策を講じる必要がある。
  1. 開館・利用状況
      平成18年度開館日数は325日である。学生の要望を受け,学生試験期間(8月1日~8月6日)・実地教育期間中(9月3日~9月10日)の開館時間を17時30分から20時30分まで延長した。
      入館者数は前年度よりやや増加したが,ここ数年は減少傾向にある。電子ジャーナルの整備が進み,図書館に出向かずに雑誌の利用が可能になったのも要因の一つと思われる。
    【課題】   図書館の利用促進には図書館利用指導がもっとも有効的な方法である。今後は利用者のレベルに応じたきめ細やかな支援が求められる。
  2. 情報リテラシー支援(図書館利用指導)
      新入生オリエンテーションでは「図書館利用案内」を配布すると共に,図書館の紹介を行っている。5月中旬には学部1年生の「基礎情報教育」授業の講義時間に図書館員が図書館利用指導を担当している。平成18年度も117名を対象に実施した。その内容は鳴門教育大学所蔵の図書・雑誌の検索方法( OPACの使い方),全国大学図書館等で所蔵する資料の検索方法( Webcat, CiNiiの使い方)であった。また,大学院生が受講する「臨床心理学研究法特論」でも,図書館員が3コマの授業を利用して,論文作成から文献検索,資料の入手方法等について担当している。
    【課題】
      図書館の利用促進には図書館利用指導がもっとも有効的な方法である。今後は利用者のレベルに応じたきめ細やかな支援が求められる。
  3. 図書館間相互貸借(ILL: Inter Library Loan)
      相互貸借や文献複写の申し込みが図書館ウェブページから可能となっている。ここ15年ほどの利用のピークは平成10年度で平成17・18年度の依頼件数は減少している。
    【課題】
      ILLは図書館所蔵資料の少なさを補うサービスとして重要な位置づけとなっているので,引き続き利用者に広報し,利用拡大を図る。
  4. 利用者懇談会
      平成18年度の利用者懇談会(大学院生,学部生)を11月15日と12月16日に開催した。そこで出された要望事項を検討分類し,その実現に向けての取り組みを続けている。
  5. 学習環境の整備
      平成18年度は,まだ一部残っていた書架の転倒防止工事とガラスの飛散防止フィルム貼付での耐震対策,エレベータの身障者仕様改造工事,閲覧室カーペットの張替工事,電動ブラインドの設置,エアコン等空調設備の整備を行った。

(4)研究支援

電子図書館サービス機能の充実
  1. 電子情報サービス
      図書館ウェブページ学内の別サイトへリンクから本学研究成果としての学位論文要旨,教科教育実践学関係資料,後藤家文書画像データベース,子どもの心を理解するための絵本のデータベースを公開しているほか,PsycINFO等のデータベースと約3,500タイトルに上る電子ジャーナルを提供している。なお,本学所蔵資料の目録(OPAC)についてはデータの遡及入力を終え,ほぼ100%図書館ウェブページから提供できている。
  2. 【課題】
      雑誌の値上り等への対応も含め,今後も電子ジャーナルの安定した継続供給への努力が求められる。
  3. 所蔵貴重資料のデータベース化
      図書館が所蔵している後藤家文書学内の別サイトへリンクには,江戸時代の組頭庄屋関係史料を中心に多様な分野の史料が含まれており,平成19年3月には同史料の画像データ約8万4千点をウェブで公開した。

(5)地域貢献

  1. 一般利用者(社会人,他大学学生,本学の卒業生・修了生等)への図書館利用サービス
      平成18年度は424人が利用登録を行った。この5年間において,学内者への貸出冊数がほぼ一定であるのに対して,一般利用者への貸出冊数は約1.5倍近くに増加している。
  2. 附属図書館特別展の開催
      徳島県内にあったドイツ人俘虜収容所の様子などを紹介した特別展「敗者へのいたわり-松江豊寿と二つの俘虜収容所」学内の別サイトへリンクを5月13日から6月11日まで開催した。板東俘虜収容所を舞台にした映画等でドイツへの関心が高まったこともあり,1,568人の来館者があった。
  3. 「教育著作権セミナー」の開催
      平成18年8月23日にメディア教育開発センターとの共催で教育著作権セミナー「教育におけるメディア活用と著作権」を開催した。県内の公立学校教員,司書など約80名が受講した。
  4. 児童図書室学内の別サイトへリンクの利用サービス
      児童図書室長,専任の職員を始め学生のボランティアが交代で活動しており,開室20年を迎えた。平成18年度は延べ4,004人が利用し,図書貸出は 6,112冊であった。企画行事として,絵本の「読み聞かせ」やストーリーテリング,七夕会や冬のお楽しみ会,学外のボランティア団体によるお話会及び講演会を開催した。これは,年度計画の「子育て支援活動」及び地域住民との交流を促進した結果である。
最終更新日:2010年02月17日

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