自己点検・評価報告書(藤原伸彦)

報告者 藤原伸彦

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

①教職大学院・教員養成特別コースの学生が,講義や演習で学んだ理論知と実習で身に付けた実践知とを統合できるよう,自身の知をマネジメントする方法について示す.特に,思考に関する認知心理学的な知見と,ICTを活用したアプローチを示したい.
②上述した内容に関する講義とともに,学生が自分たちで考え,議論する場を多くとり,実際に知をマネジメントすることを体験させるようにする.
③学生が実習の際にとっている記録や,授業実践の質とその省察内容から評価する.

(2)点検・評価

①特に院生の最終成果報告書作成に伴う指導(いわゆるゼミ指導)において,認知心理学的な知見の提示とICTを活用したアプローチを試みた.具体的には,マインドマップによる思考の整理と創造およびiPod Touchの活用である.いずれも,「試み」レベルで留まっており,教育方法として十分に確立されるまでには未だ至っていない.H23年度も,引き続き検討したい.
②本年度担当した授業は,少人数を対象とするものがほとんどであり,学生たちが自ら議論しながら進めることができた.特に,ホワイトボード等を使って議論の内容を外化・共有し,まとめあげ,その成果をデジタルカメラで記録して蓄積する方法を身につけ,学生が自分たちの知をマネジメントしていた.
③上記の試みは,学生にとって自分のものとして身に付きつつはあるが,未だ十分ではない.H23年度も引き続き行ってきたい.

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

①特色GP以降取り組んでいる「授業実践映像データベース」に関する知見について,他大学から問い合わせを受けることが多くなってきた.平成22年度も,他大学からの問い合わせに応じ,情報を提供することを通して,全国の教員の資質の向上に貢献したい.
②昨年度まで実施していた「子ども歩き遍路」で明らかになった知見を活かし,子どもの学びを支援する場を構築する.

(2)点検・評価

①授業実践映像データベースの整備を進めることができた.

②「子ども歩き遍路」を実施しているメンバー(徳島県内の現職教員,院生,一般ボランティア)と協同して,子どもの学びを支援する活動を実施した.具体的には,鳴門市内に「寺子屋いもっこ」と名付けたすベースを作り,月一回のペースで小中学生と供に体験活動を実施し,「いわゆる学校教育とは異なる」スタイルの学びの場を構築した.

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①教職大学院・教員養成特別コースの学生が実りのある大学院生活を送ることができるよう環境を整える.特に,鳴門市小学校での実習が円滑に行えるよう,関係各所と連携を取っていきたい.
②学生がボランティアで行っている活動(N*CAPや子ども歩き遍路)を企画・運営するのに必要な場所や資源を提供するなどによって活動を支援するとともに,その教育的な意味について振り返りを支援する.

(2)点検・評価

①教職大学院・教員養成特別コースの学生が充実した学習・生活を送ることができるよう,院生室の環境を整備したり,鳴門市小学校との実習が円滑に行えるよう実習校や教育委員会との連絡調整を行った.
②N*CAPや子ども歩き遍路を企画・運営する学生のために,場所や資源を提供するなどの支援を行った.

 

2-2.研究

(1)目標・計画

学生が自身の模擬授業を省察するために利用できる環境を構築し,その効果について検証する.具体的には,簡単な操作で模擬授業を録画,Web上で閲覧できるように自動的に登録されるシステムを開発し,誰でも活用できるように整備する.
この延長上には,e-ラーニングコンテンツ作成の自動化があり,GP(代表校:香川大)の取り組みとも関連している.

(2)点検・評価

科研費の助成を受け,学生が模擬授業を省察できるようICT環境を整えた.学生に一人一台iPod Touchを配布し,授業映像を取り込みやすく整備した.自動的に登録されるシステムの開発については,Mac OS X上のシステムの改善があったため,当初予定していた方法論を転換した.そのため,作業工程に若干の遅れが出て,「誰でも活用できる様に整備する」というまでには至っていない.

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

GP(代表校:香川大学)の企画運営に関わる.

(2)点検・評価

四国の知GPの企画運営に関わり,H23年度から開始する単位互換授業のe-ラーニングコンテンツの作成を行った.

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①平成21年度より科研費(幼年発達支援講座の田村先生が代表)の助成を受けて附属幼稚園と協同研究を実施しており,平成22年度も引き続き行う.具体的には,附属幼稚園がこれまでに蓄積してきた「遊誘財」に関する知見をWeb上に蓄積するデータベースを構築し,附属幼稚園におけるデータベースの活用を支援する.
②徳島県内の美術館と連携し,小学校・中学校を対象とした教育活動を実践する.
③徳島県が実施しているe-とくしまの教育分野ワーキンググループの委員として,県内の教育に関する分野でのICTの活用について提言を行う.

(2)点検・評価

①附属幼稚園と協同し「遊誘財データベース」を構築,大学の授業内で学生に活用させるなど,保育実践力の向上のために使用した.
②大塚国際美術館と連携し,小学生を対象とした美術鑑賞ワークショップ「N*CAP」を運営した.
③徳島県が実施しているe-とくしまのワーキンググループの委員として,県内の教育に関する分野でのICTの活用について提言を行った.加えて,e-とくしまの活動の一つであるe−スクール推進協議会にも副会長として参加し,提言を行った.

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

教員養成特別コース長として,6年一貫を視野に入れた学部新コース「学校教育実践コース」について,教員養成特別コース教員,教職大学院教員,学校教育コース教員と協力して計画した.

 

お問い合わせ

経営企画戦略課
電話:088-687-6032