自己点検・評価報告書(廣瀬隆司)

報告者 廣瀬隆司

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

教職大学院の教員として、
①担当する科目では、目標論・内容論・方法論・評価論を考慮し, 担当する授業内容の本質的な側面に留意し, 院生の指導に当たる。   
②授業方法としては, 授業内容のプリント・授業内容に関連する資料等を用意し, 教師としてのより実践的な力が身に付くように指導に当たる。
③成績評価は, 自己評価・観察・提出物・テスト等の評価法の内, 複数を用いて行う。

(2)点検・評価

目標・計画①に関して,「教科カリキュラムの内容と構成」の授業では, 算数科の新旧の学習指導要領の比較を行い, オリジナルな学習指導要領または教科書作成の手がかりとした。また,「カリキュラムの編成の実査と課題」の授業では, 算数科の目標論・内容論・方法論・評価論について,「論理的な思考の育成」という観点から, 分析を行い, 院生が過去に参観した授業に照らし合わせて, その授業の改善点等をレポートにまとめ, 提出させた。 
目標・計画②に関して, どの授業でも授業内容に関わる資料等を用意したが, とりわけ,「学習指導と学習評価」の授業では, 現職の院生が課題とする情意面の評価について取り扱った。また,「教材教具の開発演習」の授業では, 方法論・評価論の観点から, 教材教具の開発について講義を行い, 開発の手がかりとした。さらに,「授業実践フィールドワーク」の授業では, 神戸大学附属小学校の教材開発について講義し, 参観を行った。
目標分析③に関して,「授業実践の分析と改善」の授業では, 徳島市内の川内南小学校において, 各グループのテーマに沿った各学年・各学級の授業を参観し, 授業分析を行い, 分析結果・改善点をレポートにまとめ, 提出させた。

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

本年度の研究テーマは、
①「算数教育における教師の思考と言動に影響する心的要因のメカニズム」  
②「内包量の深層構造化に関する研究」
である。これらの研究の成果を、教職大学院の院生に授業で伝えたり、徳島県の公立校での授業実践や指導助言を通して伝えたりして、社会への還元に貢献していきたいと考えている。

(2)点検・評価

目標・計画①に関して, この研究テーマは, 科学研究費補助金に関するテーマであるが, 研究の成果として、「数学に対する感情尺度の開発に関する研究」が, 数学教育学会誌(2009/Vol.50/No.3・4, pp.79-89, 2010年9月25日発行)に掲載された。科学研究費補助金に関するテーマ達成のため、神戸市立有野小学校の研修に参加し, 指導案の書き方・指導方法等の情報交換を行った(平成22年8月11~13日、8月23・24日, 8月30・31日, 9月9・10日)。また, 鳴門教育大学「明日の教育をつくる」の教育支援講師として, 海部郡小学校算数部会の研修会に参加し, 指導方法や課題解決の助言を行うと共に, 教師の思考と言動に影響する心的要因のメカニズムに関する情報収集を行った(平成22年7月30日(金))。
目標・計画②に関して, 「「小数×小数, 小数÷小数」の理解度に関する研究」を日本科学教育学会に投稿中である。「問題解決における課題分析と問題形成に関する研究」を日本教授学習心理学会に投稿中である。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①自主的な学習活動を促すために, 授業時におけるコミュニケーション活動・探求的学習等を取り入れた授業を展開する。
②授業中, 授業に対する理解状況についてのレポートを作成させたりして, 授業内容・授業方法の改善を図る。   
③学生及び院生の進路や悩み等の相談に随時応じる。

(2)点検・評価

目標・計画①に関して,授業では、講義だけに終わらせることなく、院生との話し合いの場を持ち、授業が探求的なものになるよう努めている。    
目標・計画②に関して, 院生のニーズに応えるよう、具体的な実践例を採り上げたりして、授業を進めている。
目標・計画③に関して, レポートのまとめ方・院生の置籍校への訪問等の相談に随時応じた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

先にも述べたように、本年度の研究テーマは、
①「算数教育における教師の思考と言動に影響する心的要因のメカニズム」  
②「内包量の深層構造化に関する研究」  
である。
①・②については、学会発表と学会誌への投稿を計画している。

(2)点検・評価

先にも述べたように, 目標・計画①に関して, 研究の成果として,「数学に対する感情尺度の開発に関する研究」が, 数学教育学会誌(2009/Vol.50/No.3・4, pp.79-89, 2010年9月25日発行)に掲載された。目標・計画②に関して,「「小数×小数, 小数÷小数」の理解度に関する研究」を日本科学教育学会に投稿中である。「問題解決における課題分析と問題形成に関する研究」を日本教授学習心理学会に投稿中である。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

○担当する委員会の委員として, 本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

予算・財務管理委員会のメンバーとして, 委員会に出席した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①附属小学校の合同研究会への参加(附属学校)。   
②附属小学校の算数担当教員の協力を得て, 附属小学校での算数科の授業を行う(附属学校)。
③大学と社会との交流の機会を随時捉え, 社会に貢献していきたい(社会との連携)。
④JICA等の国際協力事業に貢献する(国際交流)。

(2)点検・評価

目標・計画①に関して, 合同研究会に参加し、本年度の研究テーマ等について検討した。   
目標・計画②に関して, 平成23年2月21日(月)に第1学年3クラスを対象として授業を行った。
目標・計画③に関して, 徳島県及び神戸市の小学校との交流を行った。また, 職員宿舎の粟津会(自治会)の会長として, 職員宿舎の環境整備に努め, 里浦自治会の方々との交流を行った。
目標・計画④に関して, 平成22年5月下旬~7月上旬にかけて、地域別研修「大洋州地域における算数・数学教育に関する教授法の改善(教員対象)」において、指導を行った。また, 平成23年1月中旬には, 仏語圏西アフリカの研修員に対して, 指導を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

今年度は、「算数教育における教師の思考と言動に影響する心的要因のメカニズム」について、附属小学校及び川内南小学校の協力もあり、かなり研究が進んだ。この研究は、本学の教職大学院院生に役に立つと思われるので、科学研究費補助金の支援のもとに, 平成23年度も引き続き行っていきたいと考えている。  
今年度は、本学の社会的貢献と国際協力事業にかなりの成果があったと考えている。 

 

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