自己点検・評価報告書(乾 信之)
報告者 乾 信之
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
授業方法:講義は発問を増やして受講生の発言を促進する。演習は課題を受講生に発表させる。実技は受講生に運営させる。
成績評価:講義は60点をとるまで再試を繰り返す。演習と実技はパフォーマンスで評価する。
(2)点検・評価
学部の演習では「脳の中の身体図式」の要約と発表を受講生に課し,初等体育は短距離走,リレー,ハードル走で走とハードリングの中の脱力とバトンパスにおける予測を指導した。運動学の講義では体性感覚と身体イメージの関係を大幅に追加した。
大学院の運動学研究は動作を伴う情報処理の観点から講義し,その演習は9月から開始し,反応時間からみた運動プログラムの実験の方法とデータ整理を指導し,運動系列の増加に伴って反応時間が延長し,その変動が増加する結果を得た。
1-2.大学教員としての社会貢献
(1)目標・計画
国内外の学術雑誌の査読を行う。
(2)点検・評価
連合大学院の実践学論文集の査読を2件行った。
Perceptual and Motor Skillsの査読を1件行った。
(独)日本学術振興会審査委員候補者データベースに登録された。
鳴門高校の学校評議委員を委嘱された。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
講義は60点をとるまで再試を繰り返す。
博士課程への進学希望者には基礎学力の鍛錬と研究業績の蓄積を促進する。
教職希望の院生には就職を促進する指導を優先する。
(2)点検・評価
連合大学院研究生の論文として,「力の減少はその増加よりも変動が大きい」Human Movement Science, 29, 339-348が出版され,「タイミング制御における加齢の影響」Motor Controlは印刷中である。また,その院研究生の体育学会「力の変動構造に与える練習効果」とスポーツ心理学会「両手協応課題における力とタイミングの制御」の発表を指導した。さらに,昨年度の論文出版と学会発表によって,その研究生は授業料全額免除となり,連合大学院に進学が決まった。
学部3年のゼミ生にも関節角度の知覚に与える運動の影響の実験を指導し,11月の福山でのスポーツ心理学会には向学のために学部生・院生共に参加した。
2-2.研究
(1)目標・計画
両手の力とタイミングの制御および身体イメージを研究する。
研究テーマに対して,2つ以上の論文と学会発表を行う。
(2)点検・評価
「脊髄小脳変性症者における力の変動」をMotor Controlに,「力の増減における力の変動に与える練習効果」を体育学研究に投稿した。
体力医学会「小脳性振顫と知覚運動制御による力の変動の独立性と相互作用」,体育学会「力の変動量に与える練習効果」,スポーツ心理学会「カフ圧による上肢虚血時の手の大きさの急激な知覚変化」を発表した。一方,日本生理学会「カフ圧による上肢虚血時の身体イメージの急激な変化」は震災で中止になり,学会誌上で開催するという異例な形となった。科研費関連の実験「カフ圧による上肢または下肢虚血時の身体図式の知覚変化」も予想通りの実験結果が得られ,論文を作成中である。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
コース長としてコース運営を行う。
大学創立30周年記念事業委員会委員として活動する。。
(2)点検・評価
コース長の業務を行った。
大学公開委員会委員を行った。
学部入学希望者のための模擬授業を行った。
12月のFDワークショップの司会を行った。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
特別支援校で行った実験を論文にする。
Neuroscience Research Australiaとの共同研究を行う。
(2)点検・評価
附属特別支援校で行ったタイミングと力の制御の実験を Perceptual and Motor Skills に投稿した。
Neuroscience Research Australiaと共同研究した身体イメージの実験をJournal of Neuroscience “Forming a phantom hand”に投稿し,ロンドンの実験心理学会に発表した。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
コース長や入試の業務などの学内事務にかなりの時間を費やす一方,教育活動と研究活動は充実した年であった。