自己点検・評価報告書(岩佐博久)

報告者 岩佐博久

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

1 教員採用において,「コミュニケーション力」や「豊かな人間性」など「人物重視」の傾向が一層強くなっている状況に鑑み,対話力,表現力等を高めることができる教採ガイダンスの内容構成や,指導方法について構想し,実践を試みる。

(2)点検・評価

1 対話力,表現力等を高めることができるようにするするためには,早い段階からの意識付けと指導が重要となる。そこで,2年次合宿・3年次合宿での「自己PR」の事前指導に,教採に合格した表現力豊かな4年次生の自己PRの様子のビデオ録画を見せて参考にさせたほか,集団討論や個人面接の実技ガイダンスの内容の充実をすることで,対話力や表現力の向上に努めた。
また,3年次生,大学院生を対象とした教採対策ガイダンス(基礎編)では論作文の添削・個別指導を徹底し,表現力の向上に努めた。

さらに,教員採用試験一次合格者を対象とした二次試験対策ガイダンスでは,学生の受験地の実施形態に即した模擬授業・個人面接・ロールプレイを実施することで最終合格率を向上させることができた。

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

1 教職を目指す学生・院生に対し,地域との触れあいや人間関係の幅を広げる体験活動として,ボランティア活動に参加することを勧め,本学周辺の市町の小・中学校における学習支援ボランティアの拡充を図ることを通して,地域の学校の教育力の向上に資する。 

(2)点検・評価

1 教職を目指す学生・院生に対しては機会あるごとに「学習支援ボランティア」として,本学周辺の学校でのボランティア活動への参加を勧めてきた。鳴門市教育委員会,徳島市教育委員会,松茂町教育委員会,北島町教育委員会との連携を一層強化し,150人ほどの学生・院生が学習支援ボランティアとして参加することができた。また,ボランティア説明会を2月に実施することで年度当初から学生・院生がボランティア活動に参加できるようにした。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

1 教員採用試験(審査)において正規合格者を増やす。   
2 学校教育学部生の教員就職率のさらなる向上を目指す。
3 教採対策ガイダンスの内容・使用資料等を検討・改善し,その充実を図る。
4 各都道府県・政令市の教員採用試験の方法や内容を分析し,学生への相談に応じる。
5 教員採用試験に課せられる一般教養問題,教職教養問題,集団・個人面接,模擬授業,場面指導,論作文,自己PR文等の指導の充実を図る。
6 臨時教員希望者の説明会,個別のガイダンスの充実を図る。 
7 大学院生の教員就職率向上のための取組の充実を図る。

(2)点検・評価

1 学校教育学部卒業生113名中,教員採用試験での正規合格者は58名で過去最高となった。
2 2010年卒業の学校教育学部生の教員就職率については,正規教員の合格数が増加したことに加え,卒業後の期限付き教員への就職の働きかけを積極的に行った結果,2010年9月末の教員就職率78.26%(全国一)となった。   
3 教採対策ガイダンスの内容・使用資料等については,学習指導要領の改善等教育改革の状況に合わせて改訂を図り教員採用試験対策に生かすことができた。
4 各都道府県・政令市の教員採用試験の方法や内容等の情報については,採用試験説明会での聞き取りや,教採情報誌,教育委員会のホームページなど,あらゆる方法を駆使して収集に努め,学生に提供することができた。
5 前年度全国で実施された最新の教採筆記問題,面接問題等を使ってのガイダンスに努めた。特に近年の教採で重視されている集団討論,場面指導については指導の充実を図ることができた。
6 臨時教員希望者に対する教育委員会の説明会の実施,臨時教員希望シートを使った個別のガイダンスの実施等により,充実することができた。 
7 教採対策ガイダンス(基礎編)について,大学院生向けに特別ガイダンスを実施(計7回)するとともに,個別の面接指導等の相談にもきめ細かく応じることができた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

1 学校教育学部における教員就職状況の追跡・考察を行い,今後の教採対策に役立てる。   
2 教員就職希望の多い都道府県・市の教育委員会の訪問,説明会の開催などを通して,教員採用方針や今後の採用状況の動向について把握する。
(以上の研究は,教員就職率の向上に資する上で重要なものである。)

(2)点検・評価

1 正規教員として採用されたばかりの優秀な卒業・修了生を招いての情報交換会,教育委員会訪問時における人事担当者からの聞き取り等を通して,卒業・修了生の教員としての活躍の状況を把握することができた。
臨時教員として就職した卒業生については,本人との電話連絡,教育委員会訪問時の聞き取り等により,就職の状況を把握した。また,教員への就職ができていない卒業生についても,本人や教育委員会ときめ細かく連絡を取り,就職の働きかけを行った結果,教員就職希望者ほぼ全員の就職を確保することができた。
2 次年度に受験を希望する者の多い16都道府県・政令市の教育委員会を訪問し,採用方針や次年度の採用数,実施方法等について聞き取りをするとともに,実施問題,評価規準等について情報公開請求により収集し,教採対策に活用することができた。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

1 就職委員会及び学生支援委員会委員として,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

1 就職委員会委員として,実技ガイダンス(集団討論,模擬授業,個人面接)実施の際の資料準備やガイダンスの運営に当たった。また,就職委員会では教員採用状況・就職状況等について資料に基づき報告を行った。学生支援委員会委員としては,2年次合宿研修に参加しての学生への指導,大学祭(鳴潮祭)の見回り,四国インカレ壮行会とうに参加しての激励等を行った。。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

1 附属学校での教育実習前に「教育実習と教員採用試験との関係」についてガイダンスを実施し,教育実習の重要性を認識させる。   

2 附属学校授業支援アドバイザーとして,附属学校教員の指導力向上について指導・支援するとともに学生の実地教育について就職支援の立場から連携して取り組む。

(2)点検・評価

1 教採対策ガイダンス(準備編)を,7月21日(水),27日(火)に実施した。ほぼ全員の学部3年次生が参加した。教員採用試験において模擬授業や場面指導など教育実践の力が重視されていることから,教育実習に真剣に取り組むことの重要性について講義した。また,実習中の記録や資料等を整理しておき,教員採用試験に活用できるようにしておくこと等についても指導した。
2 4月に附属学校教員(加藤教諭)の指導力向上のために,図画工作科の教材の在り方,指導方法の工夫等について指導する機会を持った。学生の実地教育における指導の在り方についても連携して取り組むことができた。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

平成22年3月の学校教育学部卒業生の教員就職率が全国国立系教員養成大学47大学中第1位という好成績を収めることができたことは,本学にとって,全国に誇れる大きな成果であると考える。
その成果の裏には,学生の就職支援に関する多くの事業が本学の多くの教職員の献身的な協力により達成できたことがあげられる。土曜日に実施している実技ガイダンス(集団討論,模擬授業,個人面接等)や教採対策ガイダンス(基礎編・実践編)への参加者数,論作文の添削を受ける者の数は年を追って増加しており,私自身の負担感は増したが学生の教員就職への意欲の高さがうかがえる充実した1年であった。

 

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