自己点検・評価報告書(工藤慎一)
報告者 工藤慎一
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
(2)点検・評価
生物学IIなどの科目で,バランスのとれた構成と盛り込むべき内容に過不足ない授業計画をたて,板書のみに頼らず授業内容を効率よく伝えるプリント資料を作り授業を行った。また,成績評価には試験以外の評価項目も考慮した。
1-2.大学教員としての社会貢献
(1)目標・計画
単行本や一般商業誌に解説記事を書く,あるいは講演会で一般向けに研究成果の紹介をするなどの啓蒙活動を通じて自身の研究成果を社会へ還元したい。
(2)点検・評価
一般商業誌で以下の解説記事を出版した:
工藤慎一・菊池義智. 母性愛あふれるツノカメムシ−子の保護行動と共生細菌塗布器官. 遺伝 65(1): 43-48. 2011年1月.
工藤慎一. 節足動物の親子関係:雄による子供の保護の進化をめぐる研究の進展. 昆虫と自然 45 (6): 29-33. 2010年5月.
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
教室内セミナーや修士研究・論文執筆指導などを通じて,学生・院生の研究指導を熱意を持って行い,自然科学の最前線に触れさせることで,学生・院生の論理的思考能力の向上を目指す。
(2)点検・評価
教室内のセミナーでは,行動生態学分野で最新の論文を選び,当該問題のレヴューとともに紹介し,学生・院生の発表に際しては建設的な批判・助言を与えて論理的思考を促した。
2-2.研究
(1)目標・計画
従来通り,「親の投資進化」に関する課題を中心に研究を推進する。特に,20年度まで科研費を受けて進めてきた「ヒラタヤスデの繁殖生態」ならびに新たに21年度から科研費を受けて進めている「ツチカメムシ類の栄養卵生産と種子給餌」に関する研究成果を論文として国際学術誌に投稿し本年度内の受理を目指す。
(2)点検・評価
以下の論文を国際学術誌に発表した:
Ento, K., K. Araya & S. Kudo (2010) Laboratory observation of siblicide with hatching asynchrony in an insect with parental provisioning. Journal of Ethology, 28 (2): 405-407.
Kudo, S., Y. Akagi, S. Hiraoka, T. Tanabe & G. Morimoto (2011) Exclusive male egg care and determinants of brooding success in a millipede. Ethology, 117(1): 19-27.
2-3.大学運営
(1)目標・計画
学内委員会委員に就任した際は,教育部並びにコースと連絡を密に取って適切な活動を行う。
(2)点検・評価
大学院教務委員会委員として,部並びにコースと連絡を密に取って適切な活動を行った。 大学院教務委員会では,コアカリ必修の見直し案を発議し具体的検討に先鞭をつけた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
日本動物行動学会の学会賞選考委員として公正な選考に務め,また雑誌のあり方検討委員として学術誌の改革に向けて審議を積極的に進める。
エディトリアル・ボードやレフェリーとして国際学術雑誌の編集に責任を持って携わり,日本の基礎科学に対する国際社会の信頼を損なわないように努力する。
(2)点検・評価
日本動物行動学会の学会賞選考委員として,第1回日本動物行動学会賞受賞者の決定に携わった。さらに,雑誌のあり方検討委員として学術誌の改革に向けて審議を進めた。
Journal of Ethologyのエディトリアル・ボードとして国内外から投稿される論文の編集に携わった。さらに,Biology Letters等の国際学術誌からレフェリー依頼を受け,投稿論文の審査を行った。
平成22年度県・大学等連携による教職員研修(10年時研修)を担当したが,受講者がなかったため開講されなかった。
3.本学への総合的貢献(特記事項)