自己点検・評価報告書(米澤義彦)

報告者 米澤義彦

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

①教員にとって何よりも必要なことは,教科内容に関する幅広い知識とスキルである。特に,私が所属する理科の分野では,すべての校種において実験が不可欠であり,そのための知識とスキルを向上させる内容を第一としたい。
②学生の自主的な学習を促すために,授業内容に関するレポートを課し,これにもとづいて議論を行う方法を一部に取り入れたい。
③本学の方針に基づいて,厳格な授業評価を行う。評価の方法については,それぞれの授業科目のシラバスに明示するが,複数教員で担当する科目については,事前の打ち合わせを十分行い,教員間で評価に差が出ることの内容にしたい。

(2)点検・評価

①理科の授業科目については,おおむね目標を達成できたと判断される。特に,卒業研究では,小学校教員としてのスキルを習得させることができたと判断される。
②学部前期の授業科目「生物学Ⅰ」は,授業途中の6月中旬より外国に出張したため,目標に沿った授業を行うことができなかった。
③学部の授業については,おおむね厳格な評価を行うことができたが,大学院の授業に関しては,多少甘いところがあった。特に留学生(私費)に対する評価は,学生の日本語能力の問題もあり,厳格な評価を行っていない。

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

自分自身の教育研究活動の社会還元については,その成果を学術雑誌での公表や学会発表を通じて行う。また,教育支援講師・アドバイザー制度を利用して,教育現場に還元したい。 

(2)点検・評価

自分自身の教育研究活動については,学習指導要領の改訂に伴う高校生物の授業内容について,日本生物教育学会の機関誌「生物教育」(51巻3号)において,私見を公表した。
教育支援講師/アドバイザーについては,外国出張の影響もあり,石井町立浦庄小学校(2回)のみであった。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

ここ数年来,計画をしながらも十分な成果が得られていないことに再度挑戦する。すなわち,これまで授業に使用する資料は印刷物(コピー)が主であったが,それらをパワーポイントの資料に転換して行くことである。また,最近の動向として,小学校教員であってもある程度の英語力が要求されており,本学の学生もこれに対応させていく必要がある。そのため授業ではできる限り英文の学術雑誌等から資料を作成して利用し,大学院生や学部生の英語力の向上を図りたい。
生活支援としては,俗に言う「早寝,早起き,朝ご飯」の生活態度を確立させるための方策を考えたい。すなわち,多くの学生は,午前中の授業に出てはいるが,授業内容を理解していない。この原因の一つに「夜更かし」があるものと思われる。3年後期の教育実習に向けて,「7時起床」を習慣づける方策を考えていきたい。

(2)点検・評価

授業資料のPowerPoint化については,大学院の「細胞生物学特講」の一部において実現した。ただ,この場合でも,従来通りの紙媒体の資料も配付した。受講者が数名のため,効果は判断できなかった。
学部授業の資料については,英文の資料を一部配付するなど行ったが,理解度を試す試験を行っておらず,効果は不明である。
また,「早寝,早起き,朝ご飯」については,1時限目に行う授業を中心に声かけを行ったが,効果は判断できない。特にクラス担任をしている1年次生については,自然系コース(理科)の他の教員からの報告では,生活態度の乱れが見られる学生もいるようで,新学期早々にクラスミーティングを開催したいと考えている。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

本学に着任以来,2つの研究テーマを掲げて研究活動を行ってきた。ひとつは染色体の構造変化による種分化の機構であり,他のひとつは雑種形成による種分化の機構である。前者については,ほぼめどがついたので,昨年度より後者に重点を置いて研究を行っているが,大きな進展は見られていない。本年度は,昨年度に引き続いて,野生ギクを対象とした分子マーカーによる雑種個体群の解析を継続して行う。これは岡山理科大学と共同で行う。また,近畿大学原子炉等利用共同研究として,放射線の生物検量計の開発を引き続いて行う。

(2)点検・評価

日本産野生ギクの種分化の機構については,核及び葉緑体DNAの特定領域の塩基配列の解析によって解明を目指しているが,分析に耐えうるDNAが抽出できない状態が続いており,DNAの抽出方法の再検討が必要である。
近畿大学原子炉等利用共同研究は,ほぼ目的を達したので,今年度で終了することとした。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

創立30周年記念事業である記念誌の刊行委員に委嘱されたほか,いくつかの委員を兼務することになっている。これらの委員会活動を通じて,大学運営に貢献したい。

(2)点検・評価

学部入試委員会副委員長及び総括班長として,委員長を補佐した。大学入試センター試験において,試験監督者の言動に対してクレームがあったが,副委員長としての責任は果たせたと考えている。
他の委員についても,責任を果たせたと考えている。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

昨年度後半より,本学がSSCと共同で行っているアフガニスタンの教育支援(STEP2)に加わったので,まずはその職務を果たすことを第一としたい。また,例年どおり,附属幼稚園の園外保育の指導や,附属小・中学校での授業研究会等にも参加して,附属学校教員の資質向上に寄与したいと願っている。

(2)点検・評価

STEP2のプロジェクトのために,6月下旬より50日間アフガニスタンに出張した。アフガニスタンでの行動に制約があり,十分な活動ができたとはいえないが,責任は果たすことができたと考えている。また,カブール市大学機材整備計画のフォローアップ調査のために10月下旬から20日間現地に赴いた。この調査結果に基づいて,新たな支援計画が準備されていると聞いている。
附属幼稚園の園外保育の指導は予定通り行うことができたが,附属小学校の授業研究会は,悪天候のため出張先からの航空機が徳島空港に着陸できず,参加できなかった。このため,附属小学校の学校関係者評価委員としての活動が十分できなかったことは反省しなければならないと考えている。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

学部入試委員会副委員長として,委員長を補佐できたことは自分自身は評価している。

 

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