自己点検・評価報告書(村田 守)

報告者 村田 守

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

早く大学生になること,教員採用試験に合格できること,指導書に頼らず自ら教材研究できる基礎学力のある教員になれるように,大学教育を行っている。
(1)授業内容
知識を丸暗記するのではなく,理解することが重要であるので,時には小学校や中学校に遡って,懇切丁寧な講義を行う。昨今の揺り戻し現象で,新構想教育大学が生まれる前の水準の低い教科内容が是認されつつある。これでは学生が教育現場に立って1・2年はやり過ごせるが,その後たち行かなくなるので,教科内容を深め,旧帝大の教養科目程度の内容を理解させるようにしたい。
(2)授業方法
本学学生は,講義の内容をまとめつつノートを取ることができないので,パワーポイントを使用せず,板書を多用する。また,実験を出来る限り取り入れる。
(3)成績評価
出席等の情実は排し,成績評価を厳密に行う。成績評価が正しくなされているかのチェック方法は以下の通り。受講者数が多ければ,成績は正規分布を取るであろうから,1/3程度が不合格になっていれば成績評価が正しく・厳密になされたことになる。

(2)点検・評価

私が指導した学生2名・長期履修生1名全員が,公立学校教員に正規採用された。また,理科の学部生・大学院生の教員採用率は他コースよりも良かったので,学生の「質保証」への取り組みは正しく,また実効のあがるものであったと結論づけることが出来る。
(1)授業内容
丸暗記から理解することに重点をおいた講義をおこなった。また,小中学校の実験に対しても,教科書に書かれた実験をそのまま行うのではなく,異なる実験・工夫をこらした実験を学生に課すことで,彼等に表面的な理解でなく,真の理解ができるようにした。
(2)授業方法
パワーポイントによる10年1日の繰り返しの講義を行わず,学生の理解を確かめながら,板書中心の講義を行った。これは,学生に話を聞きながら纏める能力の育成をも養うので,意識的に1年生には板書を多く,その後は板書量を少なくした。

(3)成績評価
出席等の情実を廃止し,試験のみで成績評価を厳密に行った。初等理科のような100名近い受講生のいる教科では,地学分野の不合格者が1/3であったので,成績が正規分布をとるような適切な出題がなされていること,且つ正しく成績評価がなされていることが分かった。
 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

大学教員には,論文を書くことが使命として課されているので,税金を使用して行った研究を公表することで,成果を社会に還元する。また,研究を通じて蓄積された成果は,国内はもとより広く海外にも還元する。そのために,産官学連携の知的基盤整備事業へも協力したい。
研究によって培われた力を若手研究者育成・海外研究者育成にも向けたい。また,現職教員や本学大学院過年度修了生の再教育も行う。 

(2)点検・評価

(1)著書:日本規格協会とSpringer-Verlagより,各1冊
(2)論文:SCI高評価海外学術誌3編,査読付き海外学術誌1編,国内誌1編
(3)学会発表:海外学会6回,国内学会2回,国内学術報告(日中教師教育)1回
(4)依頼講演:松茂町立図書館,徳島県立総合教育センター,徳島市立公民館
(5)その他講師:あすたむらんど徳島サイエンスフェア講師,大学開放推進事業講師,教育支援・アドバイザー派遣事業等講師,教員免許更新講習講師
(6)産官学連携知的基盤事業:JIS耐火物標準化委員会委員,同分析分科会主査,JIS耐火物国際規格適正化委員会委員,耐火物JIS 原案作成委員会委員長,ISO TC/33 (Refractories) WG4 (Chemical analysis) project leader
(7)若手研究者・海外研究者の育成:早稲田大学講師の論文作成指導,連合博士大学院院生の主指導教員,Tabriz Univ.およびAristotle Univ.の博士課程院生の海外指導教員
(8)再教育:過年度修了生及び他府県現職教員と地質調査等を行うことで,再教育を行っている。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

(1)正しいプレゼンテーション能力を身につけさせる。
(2)学生・院生が自分の学力を正しく判断出来る機会を設け,自らの学びの動機付け機会を与える。
(3)学生・院生が自ら実験教材や実験方法を開発できるようにする。
(4)連合博士課程院生の指導のみならず他大学の院生や海外の院生の指導も行う。

(2)点検・評価

(1)理科の学生には,プレゼンテーション能力の開発方法を1年生で教え,訓練している。過去においても,私が主に指導した学生・院生はほぼ全員が教員採用試験に正規合格しており,22年度卒業学生2名・大学院生1名も全員が教員採用試験に正規合格したので,実効があがっていると言える。
(2)学生・院生に適切な時期に,適切な問題による試験を行い,彼等の現時点での学力を理解させ,教員採用試験勉強への動機付けとした。その結果,理科では全学の教員採用率よりも高い割合で,教員採用試験に合格できている。
(3)学生・院生は指導書に書いてある実験を行うことで精一杯であるが,それでは不十分であることを教え,指導書に書いてある実験内容や記述に誤りがあることを分からせた。さらに,新しい実験方法・実験教材の開発を行わせた。 東レ理科教育賞受賞には至らなかったが,最終選考まで1件が残った。
(4)連合博士大学院の主指導教員を務め,京大修士院生,Tabriz Univ.およびAristotle Univ.の博士課程院生の指導を行っている。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

(1)専門分野において,外部からの高い評価を得続ける。
(2)国際学会や国内学会で,積極的に発表する。
(3)学術論文を公表する。
(4)海外の研究者と共同研究を積極的に行う。

(2)点検・評価

(1)岩石鉱物科学誌編集委員Co-editor,Elsevier等の国際学術誌の査読者等の依頼を受け,国内海外から研究者としての高い評価を得た。また,海外から著書等への原稿依頼も受けており,評価は依然として高いと思われる。
(2)国際学会(海外)6回,国内学会2回,国内学術報告(日中教師教育)1回の発表を行った。
(3)SCI高評価海外学術誌3編,査読付き海外学術誌1編,国内誌1編に論文を公表することが出来た。直近5年でSCI高評価海外学術誌に10編,それも毎年印刷になっており,他国立大学法人で要求される大学研究者としての水準を大きくクリアすることができた。
(4)現在共同研究を英・独・ギリシャ・南ア・エジプト・イラン・パキスタン・アルゼンチン研究者と積極的に行っている。チリ・ポルトガル等からの共同研究の申し込みもあるが,定年までの年数を考え,考慮中である。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

(1)大学運営に参加する機会があれば,積極的に役割を果たす。
(2)本学が社会に開かれた大学であることのアピールできる機会があれば,積極的に役割を果たす。

(2)点検・評価

(1)積極的に役割を果たした。
(2)以下のように,象牙の塔にこもらずに,研究成果を広く社会に還元することで,本学の知名度をあげ,且つ本学が広く社会に開かれた大学であることを積極的にアピールした。
(2−1)依頼講演:松茂町立図書館,徳島県立総合教育センター,徳島市立公民館
(2−2)その他講師:あすたむらんど徳島サイエンスフェア講師,大学開放推進事業講師,教育支援・アドバイザー派遣事業等講師,教員免許更新講習講師
(2−3)産官学連携知的基盤事業:JIS耐火物標準化委員会委員,同分析分科会主査,耐火物国際規格適正化委員会委員,耐火物JIS 原案作成委員会委員長,ISO TC/33 (Refractories) WG4 (Chemical analysis) project leader
(3)その他:連合大学院自然系講座代表者,地学分野代表を務め,教員資格審査等連合大学院の発展に協力した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

(1)附属学校・社会との連携の機会があれば,積極的に役割を果たし,大学で学んだこと・明らかにしたことを社会に還元する。
(2)国際交流の機会があれば,積極的に役割をはたす。
(3)外国人研究者の招聘や外国人研究者との共同研究・学術交流を行う。

(2)点検・評価

(1)大学で明らかにしたことを社会に還元することで,社会貢献を充分に行った。
(1−1)依頼講演:松茂町立図書館,徳島県立総合教育センター,徳島市立公民館
(1−2)その他講師:あすたむらんど徳島サイエンスフェア講師,大学開放推進事業講師,教育支援・アドバイザー派遣事業等講師,教員免許更新講習講師
(1−3)産官学連携知的基盤事業:JIS耐火物標準化委員会委員,同分析分科会主査,耐火物国際規格適正化委員会委員,耐火物JIS 原案作成委員会委員長,ISO TC/33 (Refractories) WG4 (Chemical analysis) project leader
(2)パキスタンBharia大学理学部女性講師の国費留学生(大使館推薦)の推薦書等を作成し,国費留学生を実現した。残念ながら,教育実践プログラムが足枷になり,本学大学院に入学させられなかったので,鹿児島大学理学部に受け入れを依頼した。また,本学の海外留学生・家族とも交流を深めた。
(3)海外から本学の外国人客員研究員制度を利用し,2名の大学教授を招聘した。また,海外の共同研究者と共同論文を作成することができた。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

(1)指導学生・院生3名全員を公立学校正規教員にすることができ,本学の教員採用率向上に貢献できた。
(2)実行のあがらなかった大学周回道路の駐車禁止措置について,施設整備委員会で提言し,現在の方法を実現させた。これは,既存の駐車防止柵を道路中央に置くだけのもので,既存品の利用で,予算措置無く実効を上げることができた。
(3)SCI高評価海外学術誌3編,査読付き海外学術誌1編,Springer-Verlagから著書(分担執筆)を公表することが出来た。直近5年でSCI高評価海外学術誌に10編,それも毎年印刷になっており,他国立大学法人で要求される大学研究者としての水準を大きくクリアすることができ,国内外に本学の名を知らしめることができた。

 

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