自己点検・評価報告書(原田昌博)
報告者 原田昌博
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
(2)点検・評価
①担当する「外国史概論」では7回の講義の中にフランス革命から東西冷戦までの約200年に亘る歴史を因果関連を明確に捉えながら通じ的に理解できる内容を設定した。また、「外国史特論」では特定地域かつ一定時期の歴史(1930年代から40年代にかけてのドイツ)を政治・経済・文化など多様な視点から分析する内容を設定し、両方の講義を通じて歴史分析の視点を涵養することを目指した。
②いずれの講義でも、それぞれ20種類に及ぶ講義レジュメや史資料を準備し、学生の授業理解の一助とした。また、演習系科目では学生のプレゼンテーションを導入し、学生の思考力や発表能力の向上を目指した。
③成績評価は出席や試験・レポート結果を総合的に加味して行い、さらに演習系科目では授業への参加も考慮して成績評価を行った。
1-2.大学教員としての社会貢献
(1)目標・計画
研究成果を論文・学会発表等で公開するとともに、①市民向けの講演などの要請に積極的応じていくこと、②鳴門史学会での活動を通じて地域社会との人的・学術的な交流を推進することにより社会に貢献したいと考えている。
(2)点検・評価
6月に中四国歴史学地理学協会大会(福山大学)で研究報告を行ったほか、松茂町の公開講座の講師として市民向けにドイツ史を解説した(11月)。また、鳴門史学会では4回の例会と1回の大会(10月)を企画・開催し、特に後者では四国遍路や熊野古道など「巡礼」をテーマに講演会を開催し、多くの市民が参加することで地域社会との交流を促進した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
①進路や日常生活の悩みなどについて学生からの相談があった場合、随時積極的に応じ、適切な助言を行う。
②情報提供や日常の対話などを通じて、指導学生の就職指導を行い、特に教員採用試験の受験または大学院への進学に対する動機づけをはかる。
(2)点検・評価
①授業・ゼミ・会議以外は研究室を開放して、ゼミ生や講義受講者などの質問・相談に随時対応した。
②教員採用試験を受験するゼミ学生には大学が行う諸行事・説明会への出席を促し、また研究室にも対策問題集を常設して可能な限りの補助を行った。
2-2.研究
(1)目標・計画
①科学研究費補助金の申請を行う。
②従来からの研究テーマ(ワイマル共和国期ドイツにおけるナチズムの労働者政策)の研究を継続するとともに、新しいテーマ(ワイマル共和国期ドイツにおける右翼労働運動の展開)に関して夏期休暇中に渡独して史料収集を行い、その分析を進める。
③これまで収集した史料と併せて分析・検討を加えていき、論文・学会発表を通じてその研究成果を公表したい。
(2)点検・評価
①平成22年度科学研究費補助金(新規)に採択された。
②夏季休暇中にドイツ連邦共和国の文書館・図書館にて科研テーマに関する史料調査・収集を行い、帰国後その分析を進めた。
③6月に中四国歴史学地理学協会大会で学会発表を行った。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
①学内での委員としての職責を果たし、本学の運営に貢献する。
(2)点検・評価
戦略的研究開発室(研究開発検討部会)および国際交流委員会の委員として委員会に出席し、教育部・コースとのパイプ役として双方の意見反映に努めた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
①評価授業の参観や附属学校教員との意見交換などを通じて附属学校での実習指導を支援する(附属学校)。
②鳴門史学会での活動を通じて、地域社会との人的・学術的な交流を推進する(社会連携)。
③留学生を積極的に受け入れる(国際交流)。
(2)点検・評価
①指導学生の附属学校での教育実習の授業を参観し、授業終了後、適宜学生への指導と附属小・中学校教員との意見交換を行った。
②鳴門史学会において研究大会および例会(4回)を企画・運営し、地域社会との人的・学術的連携を図った。特に、研究大会に関しては、「巡礼と信仰―四国遍路・熊野信仰―」と題して、巡礼の歴史的意味を考える講演会を企画・実施し、多くの一般市民が来場した。さらに、大学・地域連携講座の一環として松茂町図書館で「ナチス・ドイツの政治と社会」と題した講演を行った。
③ドイツ連邦共和国。リューネブルク大学から交換留学生を受け入れ研究及び生活上の指導を行った。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
特に以下の3点で貢献した。
①授業の充実(方法・教材など)を積極的にはかり、学生の外国史への理解を可能な限り容易・具体的にするように努め、結果として授業アンケートなどで学生の高い評価を獲得することができた。
②科学研究費補助金(新規)を獲得し、本学の外部資金獲得に貢献した。
③ドイツで未公刊史料の収集を行い、新たに発見した史料を用いて学会発表を行った。