自己点検・評価報告書(山森直人)

報告者 山森直人

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

①授業内容として受講生に学ばせる「基礎・基本」を明確化するとともに,授業内容と教育実践との関連性を明確に示す。
②わかりやすく,かつ,意図が明確な授業を展開するためにも,教育理論を具体的な教育実践事例や教育実習での学生の自己(像)と関連づけて指導するように努める。また,学生が主体的に授業に参加する指導方法を目指す。そして,授業外における学生の自主学習を促す授業運営のあり方を考慮する。
③学生の到達目標を設定し,学生が自分自身の学習成果を感じることができる授業設計・評価を目指す。

(2)点検・評価

①前期「初等中等教科教育実践Ⅲ(英語)」において授業実践力評価スタンダードを用いて教育実習に必要な基礎的基本的な授業力を意識させるとともに,学内での模擬授業と附属小中での模擬実習を行うことで,教育内容と教育実践との関連づけを図った。また「主免教育実習事後指導」においても同スタンダードを用いて教育実習をふりかえらせ,実習の成果や課題を意識づけた。(Ⅱ-1-②,Ⅱ-2-②,Ⅱ-4-①と関連)

②前期「英語科教育論Ⅰ」において,指導案を書かせるなど教育実習を意識させる指導を試みた。授業内ではグループ討議形式をできるだけ採用し,授業外では moodle を用いて意見や感想を毎週書かせることで,学生の主体的な授業参加を促した。後期「英語オーラルコミュニケーションⅠ」では教育実習を含む英語授業実践において求められる教室英語使用のスキルを具体的に示し,受講生の教室英語スキルを養うためのトレーニングを行った。また同授業においても moodle を用いて意見や感想を毎週書かせることで,受講生の主体性・自己省察力を養った。

③上記①②のいずれの授業においても,教育実習に必要な具体的な力を授業の到達目標として示し,学生が教育実習との関連で授業成果を感じることができるように工夫した。

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

①教育支援講師・アドバイザー派遣制度等を通して積極的に地域の学校に出向き教育支援を行う。

②公開講座や教員研修等を通して,優れた教員の育成に積極的に関わる。

(2)点検・評価

①教育支援講師・アドバイザー派遣制度で7月13日に勝浦中学校を訪問した。また,小学校英語教育センター実施の出張型研修制度で1月27日に加茂名小学校において外国語活動に関する校内研修の講師を担当した。そのほか,徳島県立池田高等学校における「教育研究開発事業」の指定校運営指導委員を担当した。板野郡弁論大会(9月24日)の審査員を務めた。美作地区中学校英語教育研究会(11月25日)にて「新指導要領の実施に向けて―中学生の語順意識を育てる指導の試み―」と題し,講師を担当した。

②本学公開講座(8月24日)において「教室英語(Classroom English)―小学校外国語活動にそなえるために―」と題し,また,免許更新講座(8月25日)において「小学校外国語活動における教師の教室英語使用の意義と方法」と題し,講義を担当した。

③中高大連携による歩き遍路体験プログラム(11月13-14日,教育研究支援プロジェクト経費による)の引率指導を行った。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①英語科教育コースの学生の英語力向上に努める。学生に英語資格試験の受験を進めるとともに,そのための学習環境を整備し,試験対策に協力・支援していく。

②英語科教育コースの学生の教育実習に事前事後をふくめ積極的に関わる。

③日頃から英語科教育コースの学生に積極的に声をかけ,学生生活,勉学,進路などに関して相談しやすい雰囲気をつくる。

④英語科教育コースの学生の就職支援に積極的に取り組む。

(2)点検・評価

①英語科教育コース(学部)および言語系コース(英語)(大学院)の学生の英語力向上をねらい,コース掲示板やe-mailにて英語資格試験の情報を宣伝した。英語科教育コースおよび言語系コース(英語)の学生を対象としたTOEIC-IPテスト(6月11日)を実施した。また,同テストの事前対策英語勉強会(10日間)を開催し,テスト対策を協力・支援した。

②「初等中等教科教育実践Ⅲ」を通じて英語科教育コースの学生の教育実習事前指導をおこなった。特に,本学附属小学校松永宏教諭および附属中学校英語科鈴江涼子教諭と連携し,同授業内で模擬実習(附属学校において授業を実施)をおこなった。また,「主免教育実習事後指導」において,授業実践力評価スタンダードやmoodleを用いて実習の成果や課題を学生に意識づけた。(Ⅰ-1-①,Ⅱ-2-②,Ⅱ-4-①と関連)

③日頃から英語科教育コースの学生に対し積極的に声をかけたり話す機会を設け,学生生活,勉学,進路などに関して相談しやすい雰囲気をつくってきた。また,学部卒業研究指導生(ゼミ生)2人が正規小学校教諭として採用された。また修士研究指導生(ゼミ生)2人もそれぞれ臨時(常勤・非常勤)の教職(高校)に就いた。

④英語科教育コースの就職支援を積極的に行ってきた。具体的には,進路に関する相談にのったり,教員採用試験に関する質問に答えたりした。また,就職支援チーム主催の教員採用試験前の模擬面接や模擬授業に面接官として参加した(6月19日,8月3日,8月10日,11月27日,2月19日)。

⑤英語科教育コース3年生による教育実習(9月)の実習授業を積極的に観察し,指導方法等について助言した。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①科学研究費補助金を獲得するための準備的研究を進め,それをもとに科研費を申請する。(現在申請中の科学研究費補助金を獲得した場合,計画どおりに研究を進める。)

② 授業内外での教育活動等と研究を連動させ,教員養成・現職教育に関する実践的な研究を推進する。また,学校教育現場に積極的に出向き,教育の現実を踏まえた教育研究を進める。

③英語科教師教育(教員養成・現職教育)と学校英語教育文化の創造のための研究を核に以下の研究を推進する。

l 「学校教育における英語科経営に関する研究」を継続する。

l 「教室英語に関する理論的研究」とともに,教員養成における「教室英語指導の実践的研究」を継続する。

l 「英語授業のデザイン」に関する基礎的理論的研究を継続する。

④学会発表や論文投稿を通じて,研究成果を積極的に公表する。

(2)点検・評価

①科学研究費補助金(英語科教師教育のための教室英語力育成プログラムの開発)を獲得し,おもに文献調査とデータ収集(授業映像の記録およびアンケート調査の実施)を中心に研究を進めた。

②大学院授業「教育実践フィールド研究」を軸に教育現場を意識した研究「中学校英語科授業のプラス1時間にどのように対応するか―英語スキルアップトレーニング法の開発―」を進め,実践的な指導法・教材開発に大学院生とともに取り組んだ。学部授業「英語オーラルコミュニケーションⅠ」および「主免教育実習」「主免教育実習事後指導」において,「英語科教師教育のための教室英語力育成プログラムの開発(科研)」のめのデータ収集を行った。(Ⅰ-1-①,Ⅱ-1-②,Ⅱ-4-①)

③英語科教師教育(教員養成・現職教育)と学校英語教育文化の創造のための研究を継続的に行った。

④過去に実施した研究調査を再整理し,「小学校における英語科経営に関する研究―外国語活動のための実践共同体のデザイン―」と題する論文にまとめ,鳴門教育大学研究紀要に投稿した。また,2008年度「教育実践フィールド研究」の取り組みを「「教育実践フィールド研究」における英語教育の専門職養成のための研究実践―2008年度中学校英語チームの研究活動における「問い」に関する考察―」と題する論文にまとめ,「鳴門教育大学授業実践研究(第10号)」に投稿した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①平成22年度に担当することになる委員を通して,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

①学校教育学部教務委員会の委員として本学の運営に携わった。

②就職委員会の委員として本学の運営に携わった。

③教育実践フィールド研究実施専門部会の主査を担当した。

④実地教育専門部会の委員として本学の運営に携わった。

⑤第1期中期目標期間確定評価における現況分析チーム委員を担当した。

⑥モデルコア・カリキュラム開発チーム(A. コア科目グループ)に参加した。(Ⅲ-①と関連)

⑦第59回中国・四国地区大学教育研究会実行委員会の委員として同研究大会の準備を進めた。(Ⅲ-②と関連)

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①教科教育実践や教育実習を柱に附属学校教員と積極的に連携を図る。

②鳴門教育大学英語教育学会や四国英語教育学会など地域の英語教育研究活動に積極的に参画する。

(2)点検・評価

①「初等中等教科教育実践Ⅲ」において本学附属小学校松永宏教諭,附属中学校鈴江涼子教諭と連携し,教育実習の事前指導を行った。また,「教育実践フィールド研究」において附属中学校鈴江涼子教諭と連携した。(Ⅰ-1-①,Ⅱ-1-②,Ⅱ-2-②と関連)

②四国英語教育学会の徳島県支部理事および鳴門教育大学英語教育学会の会計を担当した。

③本学留学生対象の授業「日本の教育と文化」を1コマ(6月16日)担当した。

④学部授業「英語コミュニケーションⅤ(オーストラリア語学研修プログラム)」を担当し,学生10名を引率した(3月5日から3月27日まで)。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

①モデルコア・カリキュラム開発チーム(A. コア科目グループ)に参加した。(Ⅱ-3-⑥と関連)

②第59回中国・四国地区大学教育研究会実行委員会の委員として同研究大会の準備を進めた。(Ⅱ-3-⑦と関連)。 

 

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