自己点検・評価報告書(原 卓志)

報告者 原 卓志

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

①学習指導要領・教科書とを対照して得られた所謂「言語事項」を授業内容の中心に据える。また,古典 (古文)については,機能的文法・語彙指導と体系的文法・語彙指導の二方面を授業内容とする。
②現代語担当教員とのTT形式の授業(国語学特論Ⅰ,語学・文学総合演習Ⅰ)を核として,発表と討議, 模擬授業と討議という授業方法を中心にする。さらに,発表・模擬授業のレベルを引き上げるための方 策として,発表者に対する事前指導と,毎時間の学習記録を課し,力の定着を図る。
③発表・模擬授業・討議に関する評価の観点を示し,自己評価点を含めた成績評価を行う。

(2)点検・評価

①「語学・文学総合研究Ⅰ」で「言語事項」を中心とした授業を行った。また,「国語学Ⅱ」で,機能的文法・ 語彙指導と体系的文法・語彙指導を中心とした授業を行った。
②「語学・文学総合演習Ⅰ」「国語学Ⅱ」で,模擬授業と討議を中心に授業を進め,事前指導と学習記録に よって,学生の発表レベルの引き上げと,定着を図った。また「国語学特論Ⅰ」でも,事前指導と学習記 録を課して言葉に対する分析力の定着を図った。「中等国語科教育論」では,模擬授業を課したわけで はなかったが,学生の発表が自主的・自然的に模擬授業形式に発展していった。
③オリエンテーション,および学習記録を通して,模擬授業・討議に関する評価の観点を明確にし,「国語 学Ⅱ」において自己評価を含めた成績評価を行った。

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

①現代語担当教員・日本語教育担当教員とともに,公開講座を開設する。   
②小・中・高等学校や教育委員会などからの,講演や授業の依頼がある場合には,積極的に引き受ける。 

(2)点検・評価

①現代語担当教員・日本語教育担当教員とともに,公開講座「知ってるようで知らないことばの世界―日 常のことばを解剖する―」を6月19日(土)に開講した。
②平成23年1月28日,吉野川市山川公民館において,「ことばを見つめて ことばを楽しむ」というテーマで,生 涯学習講座山川教室主催「いきいき生活講座1月学習会」の講師をつとめた。 
③『臨江山地蔵寺所蔵文献目録』(全532頁)を刊行し,研究活動の成果を公開した。また,ウェブ上に公開 するために,文献索引・寺名索引・人名(僧名)索引の作成に取りかかり,準備を整えつつある。なお,こ の作業は平成22年度科学研究費補助金「国語史資料・学習史資料開発のための近世地方寺院伝存 文献の調査研究」(研究代表者)による。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①教育に関しては,Ⅰ-1 で述べたことを実施する。また,卒業論文・修士論文作成のためのゼミ指導を 充実させ,学生の専門的な研究を支援する。
②学生生活支援においては,特に就職支援活動を行う。就職支援委員会委員として,積極的に就職支援 行事に参画するとともに,面接・模擬授業・自己PRなどの指導を行う。

(2)点検・評価

①教育に関してはⅠ-1 に述べたとおり。卒業論文・修士論文に関するゼミ指導については,古典語だけ に止まらず,現代語を見通した研究を指導するとともに,学生の討議を中心に据え,主体的な思考を促 すことに努めた。
②就職支援活動は,就職支援委員会副委員長として,各種の就職支援行事に参画した。また,希望する 学生に対して,自己PRや模擬面接・模擬授業の指導を行った。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①醍醐寺宋版一切経に関する第2次調査(3年計画)を,年2回(6月・8月)実施する。
②国語学・日本語教育学分野教員と徳島方言に関する共同研究を進め,できれば,論文として発表する。
③阿南市地蔵寺所蔵文献をもとに,江戸末期の徳島ことばに関する研究を行う。

(2)点検・評価

①醍醐寺宋版一切経に関する第2次調査(3年計画の1年目)を6月1~4日,8月17~21日に行った(科 学研究費補助金・研究分担者として)。
②国語学(現代語)・日本語教育分野担当教員との共同研究として,論文「德島方言動詞「はめる」の意味 分析」をまとめ『語文と教育』(鳴門教育大学国語教育学会)第24号に発表した。
③阿南市地蔵寺所蔵文献を基にした研究「臨江山地蔵寺蔵『孟子聞録』について―江戸後期の徳島こと ばの資料―」を口頭発表した(鳴門教育大学国語教育学会,8月24日)。なお,これを基にした論文「地 方語史研究資料として見た学習記録―臨江山地蔵寺蔵『孟子聞録』を例として―」を本学研究紀要(第 26卷)に発表した。
④科学研究費補助金「国語史資料・学習史資料開発のための近世地方寺院伝存文献の調査研究」(5年 計画の1年目,研究代表者として)の交付を受け,美馬市の願勝寺所蔵文献の調査研究を開始した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

各種委員会委員として,大学運営に協力する。

(2)点検・評価

○言語系コース(国語)コース長として,また,就職委員会(副委員長)・学生支援委員会委員として,運営 に協力した。
○教育研究評議会評議員として,運営に協力した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①学部附属国語科連絡協議会に所属し,附属学校園の教員と積極的に交流・連携し,実地教育などの教育を行う。   
②教育委員会,小・中・高等学校などからの協力要請には,積極的に応える。   
③日韓国語教育セミナーに参加し,国際交流に尽くす。

(2)点検・評価

①学部附属国語科連絡協議会に所属し,附属学校園教員と積極的に交流した。本年度協議会長。また, 第57回小学校教育研究会(附属小学校,平成23年2月11日)で,公開授業の助言者をつとめた。
②Ⅰ-2②に記述したように,生涯学習講座山川教室主催「いきいき生活講座1月学習会」の講師をつとめた。
③京仁教育大学校からの,今後の進め方についての検討申し出によって,本年度の開催が見送られた。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

就職委員会副委員長として,本学学生の教員就職率の向上に努めた。また,教育研究評議会評議員として,大学運営に関わるとともに,国語コース長として,コース内の人事(2件)を進めた。
研究代表者として科学研究費補助金基盤研究(C)の交付を受け,研究課題の推進に努めた。

 

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電話:088-687-6032