自己点検・評価報告書(田村隆宏)

報告者 田村隆宏

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

教育・保育実践の前提となる子どもの発達理解,保育内容に関する基礎的な知識の習得と,それに基づいた具体的な実践を明確にイメージできることを目指した内容,及び講義・演習のあり方を模索する。具体的な授業実践のあり方としては,受講生に常に実践的な視点をもって研究成果を捉えるという態度を育むために,講義の中で話す内容も常に教育・保育実践と対応する観点を持つものにし,さらに実践的な視点からの討論活動を講義・演習の中で積極的に取り入れる。成績評価も単なる知識の獲得を問題にするだけではなく,討論活動の様子や受講生自らの評価を加味する

(2)点検・評価

大学院,学部のすべての担当科目(講義,演習)において,授業で取り上げた内容について,特に望ましい教育実践,保育実践に結びつける視点から討論活動を取り入れた。その結果,現職教員の院生に対してはより実際的な教育現場の問題点と絡めて授業内容を捉えるという姿勢を育むことが達成された。また学部生,ストレートマスターの学生には,今後,教育現場,保育現場に出ていく上で,授業の内容をどのように実践場面に生かすかについて常に考える姿勢が育まれた。

以上のことから,受講生が常に実践的な視点をもって,授業で取り上げられた研究成果を捉えるという態度を育むことに大いに貢献があったと評価できる

 

1-2.大学教員としての社会貢献

(1)目標・計画

社会(地域)貢献については,教育支援アドバイザーとして子育て支援に関わるテーマ,保育の質の向上に関わるテーマ2つ,改訂された幼稚園教育要領,保育所保育指針に関わるテーマ各1つの計5つのテーマを掲げ,講演等の依頼に対して積極的に赴<こと,及び鳴門市教育委員会の子育て支援事業において,保育カウンセラーとして,保育者,保護者の子育て相談に応じる。また数年来在任している徳島市教育委員会・社会教育委員として地域の社会教育活動に関する行政に関わることでも貢献する。 

(2)点検・評価

地域連携,地域貢献に関わる活動では,教育支援アドバイザーとして,鳴門市幼稚園園長会の依頼に対して「幼稚園における学校評価の概要」,社会福祉法人みずほ会みのり保育所からの依頼に対して「保育の質の向上を目指して」と題した講演を行った。さらに岡山県井原市で開催された岡山県幼稚園教育研究大会にて講演「人とのかかわりが支える幼児一人一人の育ち,学び」,阿波市PTA連合会からの依頼で講演「幼児期のしつけについて」,三好地区保育事業協議会の依頼で講演「新保育所保育指針について」を行った。また,鳴門市の子育て支援事業において保育カウンセラーとして6名の保護者の子育て相談に応じた。さらに徳島市教育委員会・社会教育委員として地域の社会教育活動に関わり,加えて徳島市立図書館の運営委員としても新館の設立計画の協議に加わった。これらのことから,目標・計画は少なからず達成されたと判断される

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

大学院生,学部生の就職活動については,コースが収集している採用試験に関する情報,及び過去の修了生,卒業生からの採用試験に関わる情報を学生に積極的に提供し,就職に対する意識や意欲を高める。また各地から送られてくる教員や保育士の募集情報を学生に積極的に提供し,学生の就職活動をサポートする。課外活動については,本学フィルハーモニー管弦楽団の演奏活動に団友として賛助出演し,直接的に活動を支援する

(2)点検・評価

指導学生の就職活動については,早い段階から情報収集,試験対策に関わる情報を促した。その結果,今年度は学部ゼミ生4名のうち2名は幼稚園教員,1名は保育所保育士,1名は児童養護施設職員として正式採用された。学生の就職に対する意識や意欲を高めたことが成果に結びついたと考えられる。課外活動については,今年度は部員減少の影響からフィルハーモニー管弦楽団の演奏活動がほとんど行われず,予定されていた卒業式の演奏も震災の影響で中止となったため,賛助出演は果たせなかった

 

2-2.研究

(1)目標・計画

現在,編集執筆者として関わっていて既に校正段階にある発達心理学に関わる著書の公刊を実現するとともに,学術誌に投稿中で審査段階にある「養育者の子育て目標志向性と育児行動の原因帰属との関連性」と題した論文の掲載を目指す。さらにその成果については日本心理学会第74回大会で発表を行う。また,平成21年度に採択され,継続中にある科研研究「幼稚園における教育実習生・新任教員の力量形成のための保育データベース開発研究」では研究代表者として引き続き調査研究を進める

(2)点検・評価

3月に「やさしく学ぶ発達心理学」(ナカニシヤ出版)が公刊された。また,10月に論文「養育者の子育て目標志向性と育児行動の原因帰属との関連性」が幼年教育年報第41巻に掲載され,その成果を9月の日本心理学会第74回大会で発表した。さらに,3月に本学研究紀要に論文「大学生の心理的well-beingに及ぼすアルバイト活動の影響」が掲載された。加えて,継続中にある科研研究「幼稚園における教育実習生・新任教員の力量形成のための保育データベース開発研究」では研究代表者として引き続き調査研究を進めている。

以上,研究活動については予定されていた以上に成果が得られたことから,目標は大いに達成されたと判断される

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

大学運営については,昨年度から在任中である大学院教務委員会委員として大学院教務関係の運営に関わる。さらに育児休暇中のコース教員と交代で就任した学部入試委員として学部入試に関わる業務に当たる。また現在進行中の人材GPの運営委員としてGPの遂行に積極的に携わることに加えて,文科省から委託された「平成21年度先導的大学改革推進委託事業」の運営委員としてカリキュラム開発に携わる。

これらを通して,大学運営に積極的に関わる

(2)点検・評価

大学運営については,大学院教務委員会委員として大学院教務関係の運営に関わった。さらに学部入試委員会委員として今年度5度に渡って実施された学部入試関係の運営に関わった。特にその下部組織である試験班班長として,入試問題の点検,印刷,袋詰め等の業務に関わった。また現在進行中の人材GPの運営委員として特に教育支援人材育成に関わるカリキュラムの検討に携わり,さらに「平成21年度先導的大学改革推進委託事業」の運営委員としてもカリキュラムマップ作成に携わった。これらを通して,大学運営に積極的に関わったことから,目標は達成されたと判断される

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

附属幼稚園との連携については,月に34回開催される合同研究会に参加し,保育実践に関わる共同研究に加わり,その成果を附属幼稚園研究紀要にまとめる。また研究代表者として関わっている科研研究「幼稚園における教育実習生・新任教員の力量形成のための保育データベース開発研究」では,特に附属幼稚園の保育実践場面を研究対象としていることから,さらに連携を密にしながら研究を進める。社会との連携については,教育支援アドバイザーとして複数のテーマを掲げ,講演等の依頼に対して積極的に赴くことに加え,徳島県の「子育て応援の匠事業」への参画や徳島市教育委員会・社会教育委員として積極的に地域貢献をする

(2)点検・評価

附属幼稚園との連携については,合同研修会に参加し,保育実践に関わる共同研究に加わり,その成果を附属幼稚園研究紀要,リーフレットにまとめた。社会との連携については,教育支援アドバイザーとして,鳴門市幼稚園園長会,社会福祉法人みずほ会みのり保育所からの依頼を受け,講演を行った。さらに三好地区保育事業協議会,岡山県幼稚園教育研究大会,阿波市PTA連合会からの依頼を受けて講演を行った。さらに,人材GPに関わる事業で,子どもパートナー,子どもサポーターの資格取得に関わる講習の講師も担当した。加えて,徳島県の「子育て応援の匠事業」への参画や徳島市教育委員会・社会教育委員として積極的に地域貢献をした。

以上のことから目標は大いに達成されたと判断される

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 

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