自己点検・評価報告書(木内陽一)

報告者 木内陽一

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

1.授業内容について。必修科目「人間形成原論」は、受講生の教育学的教養の基礎となる科目である。したがって、近代の教育思想の展開を論じ、後半では、現代の教育問題からトピックを選びたい。「学校と人間形成」では、引き続いて「教師としてのラフカディオ・ハーン」を論ずる。大学院では、引き続いて西田幾多郎の著作と論文を講読し、近代日本の思想や日本人の生き方を考えていきたい。教職を目指すものは、視野の広いものの見方が大切と考えている。
2.「人間形成原論」では、教科書を中心に、プリントを配り、基礎的事項を身につけさせたい。「学校と人間形成」では、ハーンの文献を講読し、意見発表を中心に授業を進める。大学院では、西田『善の研究』やプリントで配布する西田の論文を読んで、受講生のレジュメの作成と発表を中心に進めていく。
3.成績評価について述べれば、人間形成原論では、筆記試験をおこない、厳正な評価を目指すとともに、レポートを課して、発展的な学習を目指したい。学校と人間形成では、出席を重視し、議論に参加する態度を評価したい。この点は、大学院でも同様である。 

(2)点検・評価

本年度前期は梶井准教授の育児休業のため、共同で担当している科目は木内一人で開講することとなった。「人間形成原論」では、教育思想の領域に重点を置くことになったが、受講者にはまずまずの満足を得ていただけたと思う。「学校と人間形成」では、続けてハーンと取り組んだが、英語コースの複数の受講生から有益な指摘を受けて、実り豊かな時間となったと思う。特記すべきは、分担している大学院「学校教育の人間形成的役割」である。一回を森鴎外「妄想」の講読に費やしたが、その際、鴎外に詳しい社会系コース原田准教授をゲストに迎え、15分程度、「ベルリンにおける森鴎外」のテーマで、講話をしていただき、大変に好評であった。このような他コースの教員との共同作業をこれからも大切にしていきたい。大学院での西田の取り組みは、典型的な哲学研究スタイルである。本文を何度も読み、さまざまな角度から議論をしている。担当教員にとっても、重要な時間である。

 

1-2.大学教員としての社会貢献

 (1)目標・計画

片山純洲教諭(相生中学校)と阿南方面を中心とする地域の民俗文化研究をおこなってきているが、この領域で、片山教諭の教育実践を介して、また片山教諭と共同で、自身の教育研究活動の成果を、地域社会へ還元する方途を探っていきたい。 

(2)点検・評価

梶井一暁准教授、片山純洲教諭(相生中学校)と共著論文を執筆し、発表した。(「ムラの職業―Y町における聞き取り調査を通して―」(鳴門教育大学学校教育研究紀要 No.25、2011年2月、 所収、85-92頁)

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

鳴門教育大学フィルハーモニー管弦楽団の顧問として、フィルハーモニーの再建に努力したい

(2)点検・評価

部長の下内さん、部員の笠原さん等と連絡を取り、フィルハーモニーの再建に努力した。318日の学位記授与式に演奏できるところまでこぎつけたが、東北関東大震災のために、この演奏会は残念ながら自粛することとなった

 

2-2.研究

(1)目標・計画

現在継続中の、国外の複数の研究者との共同研究を継続する予定であるが、とくに、ハンガリー・ブダペスト大学アンドラーシュ・ネメット教授とのおこなっている教育辞書の研究の現在までの研究成果を論文としてまとめたいと考えている

 (2)点検・評価

ドイツ・グライグライフスヴァルト大学のアンドレアス・ペーンケ教授との共同研究の成果を発表した。

小林万里子、アンドレアス・ペーンケ・木内陽一「理想化と歴史化の狭間にある新教育」(福岡教育大学紀要、第60号、第4分冊、平成23年2月、15-25頁。)

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

担当する委員等の任務を誠実に実行する。とくに大学院入試委員として本学大学院の充実に何らかの寄与をしたいと考えている。また、学部・学校教育コース長として、本コースの教育に寄与したい

(2)点検・評価

大学院入試委員会総括班副班長として任務を遂行した。また、学部・学校コース長として活動した

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

とくに、国際交流においては、ドイツとの交流のお手伝いをしたいと念願している。ドイツ・ロイファーナ・リューネブルク大学との交流に力を入れたいと考えている

(2)点検・評価

リューネブルク大学からの留学生マリオンさんを講義に招き、学生との交流を促進するように努力した。

また、社)徳島県看護協会より依頼を受け、610日、実習指導者講習会にて「教育原理」の講義をおこなった

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

本年度前期まで育児休業だった梶井一暁准教授と分担していた「人間形成原論」を単独で担当するとともに、梶井准教授が委員であった就職委員を引き受けた。また、梶井准教授の指導院生についても、同准教授の休業中指導した。これらのことを通じて、本学の男女共同参画へ寄与できたと考えている。 

 

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