3.附属図書館

1. 特記事項

平成20年度の特記すべき取り組み事項は,以下のとおりである。

 

  1. 大村文庫学習記録の複製物作成(平成20年度概算要求による)
  2. 学内出版物コーナーの開設
  3. 附属図書館企画展示
    • 「「何を」「どれだけ」食べたらいいの?-健康的な食生活へ向けて-」
    • 「源氏物語千年紀-光源氏とヒロインたち-」

2. 管理運営

  1. 附属図書館運営委員会
      附属図書館運営委員会は附属図書館長,各教育部から選出された教授等,委員11名で構成し,事業計画の策定や予算に係る重要事項等を審議している。
  2. 事務組織
      法人化後は図書購入に係る契約事務は会計課に一元化し,それまでの3係体制(管理,目録,サービス係)から資料係,サービス係の2係体制となっていたが,チーム制の導入に伴い平成19年7月から学術情報チームに変更した。
【課題】
昭和62年竣工時の図書収容力は約18万冊であったが,平成20年度末の配架資料は約31万冊である。ここ十数年閲覧席を減し書架を増設することで増加資料に対応してきたが,これ以上閲覧席を減すべきではない。今後の資料配架スペースを確保するために,資料の受入・保存基準を早急に整備し,狭隘化への抜本的な対策を講じることが喫緊の課題である。
なお,平成21年度には人文棟北側にあるボイラー室を改修し,書庫として活用する予定である。

3. 教育支援

  1. 蔵書
      日本の図書館2008(日本図書館協会)によれば,学生1人当り蔵書数は285冊で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
      <参考 統計資料 pdf(16KB)>
  2. 学術資料の収集整備
      教員養成大学として幅広く各分野の資料を選定しており,学生図書は全教員の推薦により購入し,図書館に備える基本図書は学生の利用状況や蔵書構成を勘案して職員が選定している。また,授業に関わりのある参考文献や学生から要望があった資料を購入している。
      外国雑誌については,図書館購入の冊子体は少ないが電子ジャーナルについては約4,600タイトルを利用できる。
      教科書については小学校及び中学校用を改訂時に整備している。指導書及び「学習指導要領」,「学習指導要領解説」は教科書コーナーに別置している。
  3. 開館・利用状況
      平成20年度開館日数は329日である。授業期平日は8時45分から22時,土・日・祝日は11時から18時まで開館している。日本の図書館2008(日本図書館協会)によれば,利用者1人当り年間入館数は68回で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
      <参考 統計資料 pdf(16KB)>
  4. 情報リテラシー支援(図書館利用指導)
      新入生オリエンテーションでは「図書館利用案内」を配布すると共に,図書館の紹介を行っている。5月には学部1年生(新入生全員)を対象とした「基礎情報教育」授業において,本学や全国の大学図書館で所蔵している資料や国内で発行している雑誌論文の検索方法について説明した。また,大学院生が受講する「臨床心理学研究法特論」でも,図書館員が2コマの授業を利用して,文献検索,資料の入手方法等について説明した。
  5. 図書館間相互貸借(ILL: Inter Library Loan)
      相互貸借や文献複写の申し込みは図書館ウェブからも可能となっている。ここ10年ほどの利用のピークは平成10年度であり電子ジャーナルの普及もあってか依頼件数は減少してきている。また,鳴門市立図書館と資料の配送システム等のデリバリーサービスを引き続き実施,利用者からは好評である。
      <参考 統計資料 pdf(69KB)>

     

    【課題】
      利用者への広報に務める。
  6. 利用者懇談会
      平成20年度の利用者懇談会(大学院生,学部生)を20年秋に開催した。そこで出された要望事項を検討分類し,その実現に向けての取り組みを続けている。
  7. 館内環境の整備
    1. ラーニング・コモンズの一環として一人用机,研究個室,セミナー室に高度情報研究教育センター端末の増設(30台)を行い,1階エントランスホールに飲料自動販売機を設置した。
    2. 学習環境の整備では,一人用机(キャレルデスク)の増設を行った。

     

    【課題】
      個人閲覧机を増設すること。

4. 研究支援

電子図書館サービス機能の充実
  1. 電子情報サービス
      図書館ウェブページ学内の別サイトへリンクから本学研究成果としての学位論文要旨,教科教育実践学関係資料,後藤家文書画像データベース,子どもの心を理解するための絵本データベースを公開しているほか,PsycINFO等のデータベースと約4,600タイトルに上る電子ジャーナルを提供している。なお,本学所蔵資料の目録(OPAC)についてはデータの遡及入力を終え,図書館ウェブページから提供できている。
【課題】
  電子ジャーナルの安定した継続供給への努力が求められる。

5. 地域貢献

  1. 一般利用者(社会人,他大学学生,本学の卒業生・修了生等)への図書館利用サービス
      平成20年度は352人が利用登録を行った。この10年間において,学内者への貸出冊数がほぼ一定であるのに対して,一般利用者への貸出冊数は約1.5倍近くに増加している。
  2. 大村文庫学習記録の複製物作成
      平成20年度概算要求事項が認められ,2階貴重資料室に所蔵されている大村はま文庫「学習記録」の複製物の作成(2,060冊)が行われた。また,複製物は大村はま学習記録閲覧室に保管され,利用に供することになった。
  3. 附属図書館企画展示の開催
    1. 「「何を」「どれだけ食べたらいいの?」-健康的な食生活へ向けて-」
      一人暮らしを始めたばかり新入生にバランスの良い食生活を送ってもらおうと,必要な栄養素を分かりやすく解説したパネル展を4月1日から4月30日まで開催した。
    2. 「源氏物語千年紀-光源氏とヒロインたち-」
      平成20年は源氏物語が成立した年からちょうど千年を迎えたことから,附属図書館の資料と瀬戸内寂聴氏の源氏物語関連の資料を併せて展示した。初日には多くの古典文学ファンの来場があり,千年の時空を超えて今なお日本人の心をとらえている「源氏物語」を通して優れた文学が人々に与える影響力の大きさを実感した。パネル展を11月1日から11月16日まで開催した。
  4. 児童図書室学内の別サイトへリンクの利用サービス
      児童図書室長,専任の職員を始め学生のボランティアが交代で活動しており,開室22年を迎えた。平成20年度は延べ4,453人が利用し,図書貸出は 6,010冊であった。企画行事として,絵本の「読み聞かせ」やストーリーテリング,七夕会や冬のお楽しみ会,学外のボランティア団体によるお話会及び講演会を開催した。これらは,子どもの発達を支援するとともに,将来教師になろうとする学生にも生きた教育実践の場としても機能している。また,「子育て支援活動」及び地域住民との交流を促進した結果である。
最終更新日:2010年02月17日

お問い合わせ

経営企画戦略課
企画・評価チーム
電話:088-687-6012