自己点検・評価報告書(芸術系コース(美術)) 小川勝

報告者 小川勝

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  • 「初等中等教科教育実践III」を分担で担当することになり,3年次学生に対して,将来の教職への意欲を喚起し続ける授業を展開したい。また,他の専門科目においても,常に学校教育との関連性を指摘し,基礎学力とともに実践的な応用力を身につけさせたい。
  • 授業に出席するだけで単位が取れるという無気力な風潮を打破するために,それぞれの科目に応じて,試験の重要性を喚起し,また,毎時間レポートのテーマを示して,さらにそれを授業にフィードバックして,どのような達成が評価されるのかを明確に提示してゆきたい。

(2)点検・評価

  • 「初等中等教科教育実践3」では,美術鑑賞における歴史的事件との関係づけを強調する教材として,ピカソ『ゲルニカ』(1937年)を取り上げ,その制作の背景や解釈の問題などを掘り下げて議論した。
  • 特に少人数の授業では,毎時間の内容に関して,次週までにレポートを書いてきてもらい,それに基づいて,議論を深めた後,それを次の授業の内容に反映させつつ進め,受講者の積極的な関与を喚起した。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  ユネスコ傘下のICOMOS(世界記念物遺跡会議)のCAR(岩面画)部門のメンバーとして,国際的に活動し,かつ,日本国内委員会のCARへの代表委員として,日本国内でも指導的な立場で活動してゆく。

(2)点検・評価

  ICOMOS-CARのメンバーとして,特に国内研究会では,旺盛に現地調査を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 「東洋の文化研究」は異なる講座間の3名の教員が担当しており,他の2名の講義内容をつなげてゆく役割を果たしたい。
  2. 他の講義科目はレポートを授業時間中に授業内容にフィードバックすることで,受講者の関心に即した内容を充実させてゆきたい。
  3. 他の演習科目に関しては,討論を重視し,参加者が主体的に発言できるよう促し,また,美術館等へ実地に見学することを積極的に推し進めたい。
  4. 全体としては,本学学生の美術作品への基本的な姿勢を身につけさせたい。
  5. オフィス・アワーだけではなく,随時学生の様々な相談に乗り,適切に指導したい。

(2)点検・評価

  1. 「東洋の文化研究」では担当者3名が有機的に連携して,講義をした。
  2. 他の講義科目はその週のテーマに基づいて次週までにレポートを提出してもらって,それをフフィードバックして,授業内容を充実させた。
  3. 演習科目では,発表者だけでなく,全受講生の積極的な発言を促し,全体に活発な議論が展開されるようにした。
  4. 美術の教員としての基本的資質である,理論的な姿勢を涵養することにつとめた。
  5. 常に学生の対話に心がけ,その問題としていることを自分のこととして考えた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 2005年度までの科研による研究を総括し,刊行した研究成果報告書をもとに,学位論文をまとめ,また学術出版の道も探るべく,科研学術成果報告を申請している。
  2. 海外調査の科研を申請しており,これが採択された場合は,積極的に調査研究に邁進する。
  3. 海外調査の科研が採択されない場合も,翌年以降の申請に備えて,主宰する国内の研究グループの活動を活性化させ,より充実した体制を構築したい。

(2)点検・評価

  1. 科研学術成果報告は採択されなかったが,今後とも刊行の機会を求めて,内容等をより洗練させてゆきたい。
  2. 平成20年度から4年間にわたって,総額2500万円に上る科研・基盤研究(A)が採択され,私が主宰するグループの共同研究として,国内および海外で現地調査を行った。
  3. 上記科研が採択されたので,平成21年度の共同調査に備えて,情報収集等にもつとめた。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  今年度と同じく学生支援委員会の所属する予定であり,他の委員会等にも所属する可能性があるが,いずれにせよ,全力で役割を果たしたい。

(2)点検・評価

  1. 学生支援委員会委員として,特に学園だよりの編集委員の一人として尽力した。
  2. 就職委員会委員としても,模擬面接を担当するなど,また,採用情報を学生に周知させるなど,本学の教員就職率の向上にささやかではあるが,寄与した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 大学院「新カリキュラム」を分担で担当するので,これまでに蓄積した経験を活用して,附属との連携をより強化してゆきたい。(附属学校)
  2. 大塚国際美術館との提携において,3度以上美術館内で授業を行い,学生に地域の文化財を教育に活用する姿勢を身につけさせたい。(社会連携)
  3. ユネスコ傘下のICOMOS(世界記念物遺跡会議)のメンバーとして積極的に活動してゆきたい。(国際交流)

(2)点検・評価

  1. 「教育実践フィールド研究」の担当者の一人として,附属小学校の図画工作担当教員と連携して,院生の実践力の向上に努めた。また,国語・音楽とも共同研究し,表現教科としての内容の充実をはかった。
  2. 大塚国際美術館において,古代美術の授業を行うなど,学生に地域の文化財の豊かさを示すことができ,社会連携の重要性を明らかにした。
  3. ユネスコ傘下のICOMOS(世界記念物遺跡会議)のメンバーとしても,国際交流に努めた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  長年にわたって共同研究を主宰してきたことが評価されて,平成20年度から4年間にわたって科研基盤研究(A)が採択されたことにより,本学の研究水準の一端を示せたのではないかと自負している。それ以外にも,授業や学内の活動を通じて,教員養成大学としての内容の深化に寄与できたものと信じている。

最終更新日:2010年03月18日

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