自己点検・評価報告書(生活・健康系コース(保健体育),実技教育研究指導センター) 坂本和丈

報告者 坂本和丈

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  全体構想は,教員養成系大学教員として,小学校-中学校-高等学校の子どもや生徒の発達段階における運動発達や運動及び健康に関する知識理解を体系的に明らかにすることが重要であると考える。このことは発達段階に対応した一貫性のある体育カリキュラムを構築することにつながるものと考えている。
  本年度は,これまでの研究成果を踏まえて,体育の教授-学習過程における学習者の運動発達にともなう異なる運動教材の学習と方略の相互関連性などについて検討する予定である。

(2)点検・評価

  これまでの研究から,発達段階に対応した運動スキルや健康に関する知識や実践を体系的に構築することは,研究対象となる運動教材の一貫性が求められ,極めて困難であることが判明した。そこで,運動特性の異なる運動教材を研究対象として運動スキルの習得過程とスキル習得のための認知的方略について検討してきた。これらの研究結果から,大学生についてのスキル習得と認知的方略の特徴がかなり明らかになった。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 授業内容について,授業全体の目標や授業の進め方が全ての学生に十分理解できるように,目標の具体化や運動課題の配列について改善することを考えている。
  2. 授業方法について,授業の目標や内容(運動課題)の理解や練習に必要な学習方法を具体的に提示したり,学生による自己評価方式を導入することによって,自己の達成レベルが意識できるような授業の進め方を考えている。
  3. 成績評価について,授業の学習前と学習後にパフォーマンステストや調査(自己評価等)を実施し,学生の達成度を客観的に評価したり,学生の学習動機を高めることに努める予定である。

(2)点検・評価

  授業実践においては,将来教員を目指す学生に対して,授業目標,運動課題の選択と配列の意味,運動教材の価値,学習者の自己評価などについて,特に実技授業で実践できるように指導してきた。一方,講義・演習や実技の授業過程において,将来の教師像についてイメージができるように様々な実践例を提示し,学生の意識向上を図ってきた。その結果,学生は知識理解を高め,実技能力や実技指導能力を高めることが認められる。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  体育実技の授業では,学生の運動スキル向上や運動認識を高めることを目指すが,一方で,学生の実技指導能力を高めるために,現実の子どもや生徒の能力を把握する知識や情報を提供する必要があると考えている。
  また,学生生活支援では,従前と同様に授業での達成度が低い学生に対して「自主学習」の機会を提供したり,教員採用試験を目指す学生に対して「実技指導講習」の場を提供して,採用試験の合格率を高めるように指導する予定である。

(2)点検・評価

  体育教員として,実技授業においては学生の運動スキルの向上をめざし,講義や演習においては実践に役立つ理論や情報を提供してきた。一方で,実技センターとして全学生を対象として自主練習の支援や教採支援のための実技指導を行ってきた。
  また,学生生活支援としては,他の所属ゼミ生からの相談を受け入れ,学部生や院生の悩みや将来の方向性について支援してきた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  これまで主に体育授業における学習者(未熟練者)の運動スキル習得過程と学習者個有の認知的方略との関係や学習による変化などについて検討してきた。特に,異なる運動教材(課題特性)の学習間では,学習者の運動スキル習得過程において認知的方略の使用傾向が異なることが明らかになってきた。
  今後は,これらの点を踏まえて子どもや生徒の運動スキルの発達段階における認知的方略の特徴的な使用傾向について明らかにする予定である。

(2)点検・評価

  本学の学生を対象に,実技能力や指導能力の向上を目指して運動スキルの習得とスキル習得の認知的方略について実験並びに調査を実施してきた。そして,子どもたちの発達段階に応じた方略の学習について検討しているところである。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  各種委員会委員として積極的に参画する。また,これまでと同様に,大学院学生定員確保のために,大学訪問や説明会に積極的に対応する

(2)点検・評価

  各種委員会委員として積極的に参画し,教採模擬面接等で学生の指導を行ってきた。また,大学院学生定員確保のために,大学訪問等を積極的に行い学生募集に努めてきた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  本学学部卒業生や大学院修了生の現職教員と連携して,地域の研究会や研修会に積極的に参加し,授業研究や子どもの運動発達等について検討する予定である。特に,子どもたちの運動学習や自己評価に関する研究を進める予定である。

(2)点検・評価

  本年度は,上記目標・計画を十分に実施することができなかった。ただし,本学の卒業生や修了生(教員)との研修会を実施し,小学校や中学校での指導上の問題や体育授業における未熟練者の指導について検討してきた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  大学への貢献がどの程度果たせることができたかは定かでないが,本学学生に対して,各授業を通して教師になるための意識を高め,また就職支援活動を積極的に行い教採合格率を高めることに努めてきた。そして,大学院学生定員の確保に努めた結果,訪問した大学からの数名の受験生があった。

最終更新日:2010年03月15日

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