自己点検・評価報告書(芸術系コース(音楽)) 草下實

報告者 草下實

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  本学の目的,教育実践力のある教員養成を掲げる以上,その研究内容においても教科専門科学としての深化した専門領域研究(声楽)と学校教育における音楽教科の表現活動としての教育実践研究(歌唱)の両輪の研究を進める。つまり,教科専門を担当する立場を考えれば,教科内容学を思考する研究を進めたい。具体的には音楽における歌唱表現を探究する視座で,バロックにおける歌唱表現上の課題及び学校教育における教材を用いた歌唱表現のあり方を探究する。

(2)点検・評価

  • 声楽における歌唱表現を探究する研究,バロック期における歌唱表現を課題として継続し,日本音楽表現学会への論文投稿に向け,準備している。
  • 学校教育における教材を用いた歌唱表現のあり方の研究については「地域の民話を題材とする影絵と音楽」という題材で研究を進めており,平成20年8月4日(月)阿南市幼稚園教職員研修会(参加者41名)において,阿南市見能林の民話を題材とする「あんずと打樋川のいたづらガッパ」という切り絵を手法とする影絵と音楽作品を制作し,パソコンを利用した幼児教育上の視聴覚教材として実践及び切り絵と音楽づくりに関する実践的講演及び講習を行った。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  • 学部授業においては授業内容に日本の歌(歌曲を含め)と解釈,その指導にむすびつく発声のあり方や歌唱法について表現活動上の理論を背景に実践力を培う内容とする。授業方法は少人数制の長所を生かし,可能な限り,個々の理解を確認しながらの授業展開をめざす。評価に関しては単に歌唱技術だけではなく,楽曲や様式の理解,授業への取り組み等を数値化することで総合的な評価をする。
  • 大学院の授業においても常に教育現場における歌唱教育上の課題を抽出し,それらを授業を通して解決できることを授業の到達目標に掲げ,履修生の実践力を高める内容を置く。声楽上の専門的技量と音楽理解を歌唱実践に結びつける内容,また,音楽がもつ潜在的能力(コミュニケーション力),感受する心の重要性を講義,演習,実技形態の授業展開で進める。評価は授業の趣旨を前提に履修学生自身が授業の始めに学習目標をたて,その成果が実感できるような展開の中で,評価(各評価の観点ごとに数値化)の実質化に努めたい。

(2)点検・評価

  • 学部授業においては授業内容に日本の歌(歌曲を含め)と解釈,その指導にむすびつく発声のあり方や歌唱法について表現活動上の理論を背景に実践力を培う内容とする。授業方法は少人数制の長所を生かし,可能な限り,個々の理解を確認しながらの授業展開をめざした。評価に関しては評価の観点毎に数値化するとしたが,評価レベルを数値化する点でもう少し工夫する必要がある。
  • 大学院の授業においても常に教育現場における歌唱教育上の課題を抽出し,それらを授業を通して解決できることを授業の到達目標に掲げ,履修生の実践力を高める内容を置く。声楽上の専門的技量と音楽理解を歌唱実践に結びつける内容,また,音楽がもつ潜在的能力(コミュニケーション力),感受する心の重要性を講義,演習,実技形態の授業展開で進める。評価は授業の趣旨を前提に履修学生自身が授業の始めに学習目標をたて,その成果が実感できるような展開の中で,評価(各評価の観点ごとに数値化)の実質化に努めたが,前期「音楽劇総合演習」,後期「歌唱表現演習」においては,前者では院生による授業評価結果から,後者はレポート,授業発表の結果から,ほぼその目標及び計画を達成した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 学部に関してはクラス担当教員及び卒業研究指導教員として,学生の学習や生活相談を充実するためにオフィスアワー時だけではなく,常に研究室において行える環境を整える。また,クラス会等を開催し,学生とのコミュミケーションを常にとるように努める。
  • 採用試験のための指導を講座の教員と協力して継続する。
  • 大学院に関しては20年度は音楽コースのチューターを務めることになっており,学生との懇談の機会を可能な限り多くつくり,研究や生活面での細やかなアドヴァイスを行える環境を整える。

(2)点検・評価

  • 学部に関してはクラス担当教員及び卒業研究指導教員として,学生の学習や生活相談を充実するためにオフィスアワー時だけではなく,常に研究室において行える環境を整え,また,クラス会等を開催し,学生とのコミュミケーションを常にとるように努めた。
  • 採用試験のための指導を1年次から機会を設け教育現場の課題や弾き歌い,兵庫県中学校対策の三味線指導を継続した。学部,大学院の指導学生(学部4年2名,長期履修生1名)の全員が,東京都,神戸市,大阪市の採用試験に合格した。
  • 大学院に関しては20年度は音楽コースのチューターを務めた。前期は業務がいそがしく,学生との懇談の機会をつくることができなかったが,年間を通して個別に学生とのコミュニケーションをとり,学生生活,研究に関し,積極的に支援した。

2-2.研究

(1)目標・計画

  • バロックにおける歌唱表現研究を継続し,論として具体化する。
  • 学校教育における歌唱表現活動に関わる研究を継続する。
  • 伝統芸能(民俗音楽)研究を継続する。

(2)点検・評価

  • バロックにおける歌唱表現研究「Lo Stile Rappresentativo per Il Canto di Monteverdi モンテヴェルディの歌曲における描写様式」を継続している。
  • 学校教育における歌唱表現活動に関わる研究「地域の民話を題材とする影絵と音楽」を実践し,作品「あんずと打樋川のカッパ」を制作,公演した。
  • 伝統芸能(民俗音楽)研究を継続している。新長唄「鳴門の四季」を創作中

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 学長補佐(企画・評価担当)の職責を果たす。
    新設された企画・評価課の職員と協力して,大学としての評価組織的システムが真に機能できるように策定したい。
  • 大学院定員の充足に努める。

(2)点検・評価

  • 学長補佐(企画・評価担当)として新設された企画・評価・広報チームの職員と協力して,大学としての評価組織的システムが真に機能できるように策定し,暫定評価報告書作成業務に努めた。また,第2期中期目標中期計画の策定に従事した。
  • コース教員と協力して大学院定員の充足に努めたが,充足するにはいたらなかった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 附属学校とは平成18年度,平成19年度に実施した授業支援等で,さらに連携を図りたい。
  • 学外の学会への参加や音楽文化重視の立場から音楽コンクールの実施,邦楽推進のための連携をさらに進める。

(2)点検・評価

  • 附属学校とは平成18年度,平成19年度に実施した授業支援等で,さらに連携を図りたいと願っているが,今年は委嘱がなかった。
  • 平成20年8月に阿南市阿南市幼稚園教職員研修会の委嘱を受け研修会の講師を務めるとともに影絵と音楽作品「あんずと打樋川のカッパ」を制作,公演した。
  • 本年度から,日本音楽表現学会の学会長諮問委員の任に当たっている。また,NHK全国学校音楽コンクール,愛媛県大会及び徳島県大会の審査員を務めた。また,徳島県邦楽推進委員会の会長として音楽文化推進を担った。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 学長補佐(企画・評価担当)として暫定評価業務の任に当たった。
  • 学生支援委員会委員として四国総体の本学団長を務め,また,学生支援委員会による「学生指導担当教員研修会」の本年度の研修企画に参画。
最終更新日:2010年03月15日

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