自己点検・評価報告書(生活・健康系コース(保健体育)) 乾信之

報告者 乾信之

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  正確な運動を遂行するためには,身体部位の大きさと長さの知覚だけでなく,四肢の関節の角度と運動の知覚も重要である。身体部位の大きさ・長さの情報(ボディーイメージ)と四肢の位置関係(ボディーシェーマ)に関して昨年度行った実験データを基に,原著論文を作成する。
  さらに,腕の運動の知覚の研究に着手する。

(2)点検・評価

  ボディーイメージに関する論文,力とタイミングの制御に関する論文,タイミングに与える加齢の影響に関する論文,合わせて5篇の原著論文を投稿し,すでに1篇は「体育学研究」(2009年6月)に掲載が決定した。
  研究成果は5つの学会で発表した。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

講義,演習,実技は教科教育的内容を豊富に取り入れる。
授業中に採用試験を意識した発言を増やす。

(2)点検・評価

  学部と大学院の講義,演習,実技は教科教育的内容を豊富に取り入れ,授業中に採用試験を意識した発言を増やした。
  講義は理論的な内容に必ず具体例を挙げて説明した。具体例は受講生のスポーツ部活動に関連して説明した。レポート課題として,茂木健一郎著「脳内現象」(NHK出版)を課した。演習は本田由紀著「多元化する能力と日本社会」(NTT出版)を読みながら,抄録作成と発表の仕方を指導した。初等体育の実技はリレーのバトンパスの練習効果をみるための簡単な方法を工夫して指導した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 学生のレポートの添削を充実させる。
  2. レポートする本と抄録を作る文献の選択には,学生の興味とレディネスを考慮する。
  3. 学生を主体的に授業に参加できるように,“発問”を増やす。
  4. 「初等中等教育実践基礎演習」の授業では受講生に文献の抄録とその発表を課し,文章と発表の表現を指導する。
  5. 理論的な内容には必ず具体例を挙げて説明する。具体例は受講生の行っているスポーツ部活動に関連して説明する。

(2)点検・評価

  博士課程への進学を希望する院生を支援するために,論文数と英語能力を促した。具体的には,院生が筆頭著者である3篇の原著論文作成を指導し,すでに1篇は「体育学研究」(2009年6月)に掲載が決定した。英語の指導は週1回の原書購読と夏期,冬期,春期の休暇に英文読解強化週間をもうけた。一方,理学療法士の院生には健常な高齢者と脊髄小脳変性症を伴う患者に対する知覚ー運動系の検査方法を指導した。学部生には文献要約と発表の指導,レポートの添削を丹念に行った。

2-2.研究

(1)目標・計画

  ボディーイメージとボディーシェーマに関して昨年度行った実験データを基に,原著論文を作成する。
  腕の運動の知覚の実験において,中枢からの運動指令の有無を操作するために,能動的運動と受動的運動を設定し,運動知覚における運動指令と末梢からの感覚情報の相互作用を検討する。
  学会発表を2回行う。

(2)点検・評価

  ボディーイメージに関する論文はシドニーの研究者とやり取りを繰り返して作成し,投稿した。力とタイミングの制御に関する2篇の論文とタイミングに与える加齢の影響の論文を投稿した。
  日本体育学会,日本体力医学会,オーストラリア神経科学会,日本スポーツ心理学会,中四国教育学会で発表し,後者の2学会では院生が発表した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  各種委員会の運営に積極的に取り組む。

(2)点検・評価

  松山市での学外説明会を含めて,大学院入試委員会の業務に携わった。
&nbps; 学部入試では実技試験,推薦入試,小論文の採点を行った。
&nbps; 中期目標・中期計画策定に参加した。
&nbps; 小学校教員資格認定試験(陸上運動領域)の問題を作成した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  19年度の海外先進研究実践支援で訪れたPrice of Wales Medical Research Instituteとの共同研究を継続させる。
  国内外の学術雑誌における査読を行う。

(2)点検・評価

  附属中学校のライブ附中タイムで「なぜ脳に興味をもつようになったか」をテーマに授業を行った。
  鳴門高校の学校評議委員を勤めた。
  大毛島の山上病院で「タイミングに与える加齢の影響」と「脊髄小脳変性症の患者における力とタイミングの制御」の実験を行った。
  計測自動制御学会論文集, Perceptual and Motor Skills (USA), Adapted Physical Activity Quarterly (USA)の査読を行った。
  Price of Wales Medical Research Instituteとの共同研究として,学会発表と論文作成を行った。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  上記のように,今年度の教育,研究,学内運営,学外貢献は充実していた。

最終更新日:2010年03月15日

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