自己点検・評価報告書(自然系コース(理科)) 小汐千春

報告者 小汐千春

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  昆虫の繁殖戦略の解明という永年取り組んでいる課題を通じて,生物の行動の進化のダイナミクスを少しでも解明すべくこれまでも取り組んできたし,これまでも取り組んでいくつもりである。そのためにも,1.一般性の高い問題について科学的に取り組む,2.得られたデータをなるべく一般性の高い論文として学術誌に公表する,といった事を進めていくつもりである(個別の内容については2-2の研究に記述)。

(2)点検・評価

  今年度は引き続き,ウメスカシクロバについてはメスの多回交尾の直接的利益という観点から,カミキリモドキについては性的対立という観点からデータ解析・学会発表・論文投稿を行った。これらの観点は行動生態学の分野においては非常に一般性の高い問題であり,1に関しては十分と言える。また,ウメスカシクロバの多回交尾については,行動生態学において一般性が高いと言われる学術誌に投稿済みである。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  理科教育における教育実践力の基本は,各科目の内容についての正確で深い理解である。従って,1.授業内容:初等中等教育の内容をふまえた上で,高等教育としてより高度な知識を教える,2.授業方法:単なる知識の詰め込みではなく,常に合理的・論理的な思考を習慣づける,3.成績評価:論理的思考を問うレポートや試験を通じて評価を行う,といった授業を行う予定である。

(2)点検・評価

  1. 授業内容に関しては,生物学の基礎および中等理科(生物学分野)のそれぞれの講義において,より高度な内容をわかりやすく教えるように努めた。
  2. 授業方法に関しては,生物学を単なる暗記科目として教えるのではなく,合理的・論理的な考え方をふまえた理解となるようプリントや資料などを充実させた。
  3. 成績評価については,試験問題は基本的に論述試験とし,また,毎時間,その日の講義内容をより理解するための小レポートを課した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  昨年度に引き続き,生物学教室で行っているセミナーを通じて,学生・院生の指導にあたる。具体的には自らセミナーで発表する際には,科学や研究の手順とその論理性をわかりやすく提示し,学生・院生が発表する際には,質問やコメントを通じて科学のもつ一般性や論理性について彼らに理解させるよう努める予定である。

(2)点検・評価

  生物学教室で行っているセミナーで自ら発表する際には最先端の研究内容をわかりやすく紹介するように努めた。また,学生・院生の発表においては,本人および他の学生の理解を深めるような質問やコメントを行った。更に,卒論や修論の中間発表の際にも,科学研究を行う上で重要な研究の目的や一般性について,本人や他の学生がもっと意識するように促した。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 今年度中に少なくとも一本は論文を投稿する。
  2. フタイロカミキリモドキやウメスカシクロバを用いた繁殖戦略の研究をさらにすすめる。
  3. 科研費の分担者となっているヒラタヤスデの研究を継続する。

(2)点検・評価

  1. 今年度は筆頭著者として1本投稿済みである。また,共著者としても,出版1本,印刷中1本,投稿済み1本がある。
  2. フタイロカミキリモドキに関しては,データ解析を行い国際学会で発表するとともに,来年度に向けての研究計画を具体的に進行中である。ウメスカシクロバに関しても,論文を投稿するとともに,海外の研究者との共同研究を新規および継続して行うべく,それぞれ検討中である。
  3. ヒラタヤスデに関しては,本年度更に調査を行うとともに,共著執筆で論文が1本受理されている。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  入試関係や委員等の仕事が依頼された場合は責任持って遂行する。

(2)点検・評価

  本年度は大学院入試の当日の問題点検委員を二度,センター試験の初日の監督等の試験関係の仕事に関して責任持ってあたった。また,振興会の委員として会議に出席し,積極的に発言した。さらに,理科コース内の会計として,コース内の公費使用が円滑に行われるよう尽力した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  昨年度に引き続き,日本動物行動学会運営委員および日本鱗翅学会評議員として学会の運営に従事する。また,社会から専門に関する何らかの協力要請(講演やコメント等の依頼)があった場合は,出来る範囲で対応する。

(2)点検・評価

  日本動物行動学会運営委員として,会議等で積極的に発言し,学会運営に寄与した。また,日本鱗翅学会評議員として,評議員会に参加し積極的に発言するとともに,四国支部例会開催や,四国支部ニュースレターの発行に関して中心的な役割を果たした。更に,専門の一つであるマイマイガというガの防除も含めた問い合わせに対しては適切に対処した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  特になし。

最終更新日:2010年03月15日

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