自己点検・評価報告書(自然系コース(理科)) 本田亮
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての研究活動
(1)目標・計画
科学研究費補助金「初等・中等教育における<電磁波と物質の相互作用>実験教材の開発」の研究における分担者として,その役割を果たす。平成20年度は,この補助金執行の最終年度となるため,成果を明確にし,それを踏まえた上での新しい研究テーマを模索することが当面の目標である。
(2)点検・評価
科学研究費補助金に係わる研究においては,共同研究による成果を1件学会で発表した。前年度までは,磁場と電磁波に関する教材開発を行ってきたが,上記発表では,電場に関する教材を扱ったものである。今後は,これら3つの要素を組み合わせた教材開発とその評価を行うことが課題となる。
1-2.教育大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
授業に関しては,単年度毎に重点を置いてするものではなく,例年行っているものを修正しながらすすめて行くべきものと考えている。したがって,毎年行っているように授業科目に合わせて“より良い”と考えられる授業内容,授業方法,評価方法を踏襲または修正して実践していく。具体的には昨年度申請した内容と同じで以下である。授業科目の性質を考え,内容を広く浅く紹介するものと,科学的な思考・態度が養われるための狭くても深く掘り下げて紹介する場合とを使い分けて授業を行う。評価方法は試験結果,レポート内容,口頭発表を授業形態に依存して使い分ける。
(2)点検・評価
大学院「物性物理学特論」の受講者は留学生一人のみであったので,英語によるセミナー形式の授業が行われた。学部授業「物理学実験I・II」は予習を前提として進められ,レポート内容と口頭試問によって評価が行われた。「初等中等教科教育実践I」では,受講者に自らテーマを設定させ,その内容を口頭発表させた。「初等理科」は受講者が100人を超えていることもあり,講義形式による授業と筆記試験による成績評価がなされた。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
従来どおり,学生からの授業内容の質問に関しては,オフィスアワーを設けずに適宜柔軟に対応する。教員採用試験に関する教科内容に関する質問に対しても同様である。
(2)点検・評価
学生からの質問に適宜対応できるようオフィスアワーを設けなかったが,質問に来る学生は限られていた。独力で勉学に励める学生ばかりであれば,喜ばしいことであるが,その実体は不明である。また,学生によるフレンドシップ活動の支援を行った。
2-2.研究
(1)目標・計画
上記1-1に述べたことにくわえ,本学設置の実験装置を利用した物性物理に関する研究のテーマを具体的絞り,試実験を行うことによって翌年度への足がかりを見つける。
(2)点検・評価
物性物理におけるミクロな実験として,電子スピン共鳴の実験を継続して行った。その試料に関する測定の感度は,装置の能力限界に近いものである。そのため,複数回の測定の積算が必要不可欠で,多大な時間を要するが,データは揃いつつある段階である。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
研究・教育に支障のない限り,割り振られた委員の委員会に出席し,その内容報告を部会議・教育コース会議で行う。
(2)点検・評価
担当した委員会での欠席はなかった。その委員会での内容報告を教育部会で行った。また,担当外の委員会へも代理出席を行った。各会議では,疑問を残さないように積極的に議論に参加した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
外部から依頼があって,協力可能であると判断したときは,他の業務に支障のないようにその都度計画を立て協力を行う。
(2)点検・評価
JICAから依頼された2件(中東地域小学校理数科教員,南アフリカ共和国ムプマランガ州理数科教員)の国内研修を本学で担当した。また,徳島県立城南高等学校のスーパーサイエンスハイスクールの講師を行った。年度途中からJICAプリオジェクト「アフガニスタン教師教育強化プロジェクト フェーズ2」の活動に加わり,初等教員養成課程理科の教科書作成に携わった。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
連合大学院の学位審査に1件携わった。