自己点検・評価報告書(生活・健康系コース(技術・工業・情報),高度情報研究教育センター) 林秀彦

報告者 林秀彦

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  大きな社会変動の中の昨今の若手研究者にとっては,分野にもよるであろうが短期的な視野の研究課題のみに陥りがちであり,深く真理を探究できる長期的な視野の研究やそのための研究環境構築がまだまだ容易な状況にない。しかし,だからこそ学術基盤を構築して健全な学術発展を支え,さらに研究機関でもある大学のブランド力を高めるため,大学教員としては深く真理を探求できる研究課題を推進することが重要であると考える。そのため,研究の全体構想として,短期的な研究課題を進めると同時に長期的な視点での研究課題も推進していきたい。本年度は,そうした状況や予定していた部屋が活用できない現状を踏まえて,まずは研究推進のための研究環境の構築を計画して進めていきたい。

(2)点検・評価

  本年度は研究を推進するために必要となる研究環境の構築に重点をおいて計画を進めてきた。研究の予算は,教育・研究基盤設備充実費を要求し,研究に必要な測定機器の一部を整備することができた。研究の場所は,本年度については暫定的ではあるが,共用で年度単位で使用可能な部屋を使用できるようにご配慮いただけたので,単年度の短期的な計画のもとで有効活用した。その結果,PCカンファレンスでの受賞につながる成果を出すことができた。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  将来,教師を目指す学生に対して,あらゆる課題に多角的に根気強く取組むことができるように情報教育やその関連科目等の授業を通じて情報活用能力を育成する授業実践を展開し,豊かな教育実践力を養成する。昨年度は,学習意欲の高い学生では,授業をきっかけにして参考資料の紹介や研究の相談を受けるといった主体的な姿勢がみられる修士学生がいた。しかし一方では,授業での課題に主体的に取組めない学部学生の姿も見受けられた。これを踏まえて本年度は,前者に対しては,学習支援内容の充実((1)-1)をオフィスアワーやメール等の活用((2)-1)によって進める。後者に対しては,限られた時間の中の授業内容を精選((1)-2)し,学習者自らの内省を促せるような授業方法((2)-2)によって学習者の主体的な学習力を高めるよう計画したい。これらの状況を踏まえて日頃の学習成果を評価に反映させられるように適正な評価((3)-1,(3)-2)を実施する。

(2)点検・評価

  学習支援内容の充実は,オフィスアワーやメール等を活用するとともに,研究の1つとして計画した学生主導型の情報系サポートシステムの構築によって行った。そのシステムをPCカンファレンスで発表することで優秀論文賞を受賞して好評を得た。また,学習者の主体的な学習力を高められるようにLMSを活用することを通して,学生が目的をもって実践的に身につけることができる授業実践を行った。特に日頃の学習成果を評価に反映させられるようにLMSの評価・コメント機能を活用し,頻繁に学生にフィードバックした。;

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 本年度に受入れを予定している大学院生の研究主題が学生の学習支援に係わることであるため,その研究支援を進めることで間接的に学生生活支援にも貢献する。特に問題解解決能力や情報活用能力を育成できるような学習支援の在り方を検討し,その実現に向けて準備を進めていきたい。
  2. 社会性及び実践的能力やコミュニケーション能力を養成するために,少人数の授業では,対話の重視とICT活用をとおして実践的な教育活動を展開したい。

(2)点検・評価

  1. 本年度に受入れた大学院生の研究主題が学生の学習支援や学生生活に係わることであったので,その研究支援を進めることで間接的に教育・学生生活支援の貢献ができた。
  2. 社会性及び実践的能力やコミュニケーション能力を養成するために,少人数の授業では対話の重視とICT活用をとおして実践的な教育活動を展開できた。

2-2.研究

(1)目標・計画

1-1に示した全体構想を捉えながら研究環境の構築を目標とする。そのため,少なくとも時間と場所と人員と資金の各要素を検討する必要があり,次の方針で進める。
  1. 普段は教育活動やその他の業務に多くの時間が費やされるため,研究の時間は,積極的に確保する。
  2. 研究の場所については,現状では見通しが立っていないため,知恵を絞って少しでも改善する。
  3. 本年度から研究室に学生が配属される予定であるため,研究指導を適宜行なうとことで研究教育を進めると同時に研究を推進する。
  4. 学内外の研究助成の公募に積極的に申請し,特に学外資金の調達に重点を置く。

(2)点検・評価

1-1に示したように研究環境の構築を目標としたため,時間と場所と人員と資金の各要素を検討する次の方針で進めた。
  1. 研究の時間は,数多くある業務の中で確保するのは容易ではなかったが学生への研究指導の時間に合わせて積極的に確保した。
  2. 研究の場所は,暫定的ではあるが共用で一部屋を使用できるようにご配慮いただけたので,単年度の計画のもとで有効活用できた。
  3. 研究室に学生が配属されたので研究指導を適宜行なうことに合わせて研究を推進した。
  4. 研究の資金については,科研費をはじめ学内外の研究助成の公募に積極的に申請した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  大学運営については,高度情報研究教育センターの果たす役割を認識し,周囲のスタッフと協力して円滑に業務を遂行する。特に,情報教育ジャーナルのウェブページの公開によって,これまでの情報教育研究の成果を広くアピールする。また,限られたスペースである自然棟特殊端末室と人文棟特殊端末室の改修工事によってバリアフリー対策を施す予定の情報環境の構築・運用を円滑に進める。

(2)点検・評価

  大学運営については,高度情報研究教育センターの果たす役割を認識し,周囲の協力によって円滑に業務を遂行した。特に,情報教育ジャーナルのウェブページの公開を進め,これまでの情報教育研究の成果を広くアピールできた。また,限られたスペースである自然棟特殊端末室と人文棟特殊端末室の改修工事によってバリアフリーを実施し,情報環境の構築・運用を進めた。その他,情報化基本構想を作成するワーキングに参加し,情報基盤に関わる多岐に及ぶ検討事項があることが再認識できた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 附属学校園と大学を結ぶ遠隔授業観察システムの運用を技術的にサポートする。
  • 産業・情報技術等指導者養成研修において講師として参画し,社会に貢献する。
  • 国際会議に参加する機会があれば,国際間の交流を積極的に深めていきたい。

(2)点検・評価

  • 附属学校園と大学を結ぶ遠隔授業観察システムの運用を技術的にサポートしているが担当している機器の利用はなかった。
  • 産業・情報技術等指導者養成研修において講師として参画し,社会貢献できた。
  • 国際間の交流を積極的に深めるため,12月にハノイで開催された国際会議に参加し,研究成果を広くアピールできた。また,学校教育学会学会誌の原稿を英語で記述したことで留学生等も読みやすいように配慮できた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 研究指導している学生が8月に開催された全国規模の大会であるPCカンファレンスの発表論文で優秀論文賞を受賞することができた。
  • 教育支援講師の派遣事業によって「知と情報」をテーマにして7月に高校で講義した。
最終更新日:2010年03月15日

お問い合わせ

経営企画戦略課
企画・評価チーム
電話:088-687-6012