自己点検・評価報告書(生活・健康系コース(家庭)) 渡邉廣二

報告者 渡邉廣二

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  20世紀と同様,21世紀においても消費者と事業者との間の情報と交渉力の格差は存在する。ところが消費者政策は,市場メカニズムを活用するという新自由主義的な理念にもとづいて,かつての「保護」政策から「自立支援」政策へと転換した。そこで,消費者の利益擁護を目指す消費者教育の教育研究課題は,消費者の権利を拡大し,消費者自立のための基盤整備を推進することになった。今年度は,安全の権利や知る権利など,消費者基本法に謳われた具体的な権利について,現実に発生している消費者問題の事例を通して学習できるような教材開発と授業研究を進めたい。

(2)点検・評価

  消費者の自立を支援する消費者教育を実践し,その結果を『鳴門教育大学授業実践研究-学部・大学院の授業改善をめざして-』第8号に投稿した。論文題目は次のとおりである。 「消費者の自立を支援する消費者教育-ヤミ金融と犯罪収益を教材として-」

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  教科を担当する者として学生に願うことは,教科内容についての豊富な知識を習得するとともに旺盛な知的好奇心をもった教師になってほしい。そのため,1. 授業内容としては,基礎知識は学習指導要領の記載事項を習得することとし,これに加えてやや専門的な内容について説明する。2.授業方法としては,講義科目では基礎知識の習得を重視し,丁寧な板書をする。これに対して,演習科目では,毎回,次回の授業内容に関する資料をあらかじめ提供し,課題を設定して学生に準備させる。授業では,まとめてきた課題を学生に発表させて関連する事柄について説明する。3.成績評価としては,講義科目では定期試験を実施して基礎的知識の定着に力点を置く。これに対して,演習科目では課題の準備,授業での意見発表などにより成績評価する。

(2)点検・評価

  1. 「消費者経済学」の授業では学習指導要領に準拠して,必要な基礎的な内容を教授した。これに加えて,「家庭経営学演習」では現代的課題を取り上げることにより,教員としての専門的能力を高めるように努めた。
  2. 基礎的な内容については,分かりやすい説明に心がけ丁寧な板書を行った。また,現代的課題については,あらかじめ授業の1週間前に課題を用紙にまとめさせ,授業では,討論を通して課題の把握や解決の方向を見いだせるよう指導した。
  3. 基礎的内容の理解については,定期試験で相対評価を行った。これに加えて,現代的課題については授業における質問や討論への参加状況をみて絶対評価を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 長期履修生クラス担任として,長期履修生の修学と生活を支援したい。
  2. 男子バレーボール部の顧問として,授業以外の場でも学生との交流を深めたい。

(2)点検・評価

  1. 長期履修生クラス担任としてホームルーム活動を行うとともに,講座やゼミも開いて長期履修生の修学と生活を支援した。
  2. 男子バレーボール部の顧問を務めた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 消費者の権利を尊重する消費者教育に関する研究を進める。
  2. 地域通貨の研究を進める。
  3. 日本消費者教育学会の中国・四国支部長として学会運営に貢献する。

(2)点検・評価

  1. 消費者の権利を尊重する消費者教育に関する研究を進めた。
  2. 地域通貨の研究に対して科学研究費補助金が交付されたので,研究を進めその成果を学会で発表した。
  3. 日本消費者教育学会の中国・四国支部長を務めた。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  教職キャリア開発支援オフィスのオフィス長として,長期履修生を支援する。

(2)点検・評価

  教職キャリア開発支援オフィスのオフィス長として,長期履修生の修学支援のため,新たにゼミを開設したり合同ホームルームを開催して,オフィスの成果ある運営に努めた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属学校との間で行われる教育研究活動には積極的に参加する。
  2. 教育支援講師や公開講座の依頼には積極的に応じる。
  3. 徳島県の審議会委員の就任依頼には積極的に応じる。
  4. 徳島県消費者協会とくしま消費者交流広場「くらしのコラム」の執筆依頼があれば積極的に応じる。

(2)点検・評価

  1. 附属学校との間で行われる教育研究活動に参加した。
  2. 10年経験者研修の講師として「消費者の自立を支援する消費者教育」の講義と演習を行った。
  3. 徳島県の消費生活審議会委員を務めた。
  4. 家庭科コース主催の家庭科教員支援ネットワーク研修会で講師を務めた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

特になし

最終更新日:2010年03月15日

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