自己点検・評価報告書(自然系コース(理科)) 村田守

報告者 村田守

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  大陸地殻の形成と進化を研究しており,大陸地殻が形成する契機となる海嶺沈み込みを徳島県で,分裂した大陸地殻の断片をパキスタン・印度国境付近で研究している。これらのイベントの時期を明らかにし,学会発表および論文化を行う。また,研究を進める上で開発した分析方法等は地学教育の分野や社会に還元する。
  博士院生の指導と通して,学校現場での理科の普及と活性化にも努力したい。

(2)点検・評価

  海外学術誌2編,国内学術誌2編,紀要2編,ISO規格(スイス)14冊,JIS規格2冊,学術図書(朝倉出版)1冊を出版。国際学会発表3回,国内学会発表2回。2007年出版の論文に対して,2008年8月地学教育学会より論文賞(教育実践優秀賞)受賞。2008年10月JIS・ISO規格に関して経済産業大臣表彰。博士院生は2009年3月3年に課程3年を修了し,無事博士(学校教育学)を授与された。徳島県警科学捜査研究所の犯罪捜査依頼にも協力し,専門知識の社会還元に努めた。
  以上から,教育研究活動について外部からの高い評価を受けたと言える。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  • 授業内容:教員採用試験を考慮し,小中学校の地学関連分野の知識が定着できるようにするとともに,実験観察を多く取り入れ,実験のできる教員の育成に努める。
  • 授業方法:実験観察を多くし,学生・院生が積極的に講義に参加できるように,研究発表の機会を多く与える。講義時は,配付資料を極力少なくし,板書を多くし,彼等がノートを取る技能を身につけさせる。
  • 成績評価:試験による成績評価を行い,出席点のような情実は加味しない。但し,研究発表については,得点化する。

(2)点検・評価

  講義に実験を取り入れ,学生がノートをとるように講義を工夫した。また,実験教材作成を作成させ,コンペ方式でプレゼンテーションを競わせる等工夫をこらし,授業参加型の講義を実践した。コンペ方式の評価は,学生間で行わせた。その際学生の評価ポイントの誤りを正し,実際に評価されるポイント・評価すべきポイントを教え,教員採用試験等の対策も伝授した。一方,講義の評価は,学生がしっかり勉強するように出席点を加味せず,試験結果のみで,厳しく評価した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 学生・院生が自分の学力を正しく判断できる機会を設け,自らの学びの動機付けの機会を与える。
  2. 学生・院生が自ら実験教材や実験方法を開発できるようにする。

(2)点検・評価

  学部1年生クラス担任として,全員が納得した小学校・中学校のコース分けを行うことができた。教員採用試験のモチベーションを高めさせるために,3年次生に中学校入試問題の理科を解かせ,自分自身の学力を把握させた。また,指導書にたよる教員ではなく,自ら教材研究のできる実践力ある理科教員の養成のために,教科書にある実験を記述された方法以外の実験方法や,同じ内容を記述されていない材料で工夫した実験の開発を課し,学生・院生が自発的に学ぶための端緒を与えた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 専門分野において,外部からの高い評価を得る。
  2. 国際学会や国内学会で,積極的に発表する。
  3. 学術論文を公表する。
  4. 学術書籍も出版する。

(2)点検・評価

  海外学術誌2編,国内学術誌2編,紀要2編,ISO規格(スイス)14冊,JIS規格2冊,学術図書(朝倉出版)1冊を出版。国際学会発表3回,国内学会発表2回。2007年出版の論文に対して,2008年8月地学教育学会より論文賞(教育実践優秀賞)受賞。2008年10月JIS・ISO規格に関して経済産業大臣表彰。
  論文査読者として,国内学術誌(地質学雑誌,岩石鉱物科学,土木学会誌),国際学術誌(Journal of Mineralogical and Petrological Sciences),海外学術誌(Island Arc,Wiley and Blackwell社; Journal of Asian Earth Sciences,Elsevier社)の原稿を査読した。また,Peshawar大学のNational Center of Excellence in GeologyにおけるTenure Track Technical Review Panel の海外委員を勤めた。
  以上から,国内に限らず海外からも高い評価を受けていることが分かる。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 大学運営に参加する機会があれば,積極的に役割を果たす。
  2. 本学が社会に開かれた大学であることのアピールできる機会があれば,積極的に役割を果たす。
  3. 学長・副学長に取り入ることなく,誤れる大学運営があれば直言する。

(2)点検・評価

  職員労働環境協議会議長として,附属学校園及び本学事務職員の労働環境整備に努めた。中期目標・中期計画策定チームや各種委員会に於いて,無責任に聞き流すのではなく,安易に執行部案に盲従するのでもなく,是々非々にいくつかの問題点を指摘した。
  11月3日に大学開放事業を好評裡に終えることが出来た。また,あすたむらんど徳島のサイエンスフェアにも参加し,科学の普及に努め,教員10年次研修講師も勤め,開かれた大学の役割を積極的に果たした。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属学校・社会との連携の機会があれば,積極駅に役割を果たし,大学で学んだこと・明らかにしたことを社会に還元したい。
  2. 国際交流等の機会があれば,積極的に役割を果たす。
  3. 外国人研究者の招聘や外国人研究者との共同研究・学術交流を行う。

(2)点検・評価

  出前授業(1回),大学開放事業,フレンドシップ事業を行い,科学の普及活動に積極的に取り組んだ。また,徳島県警科学捜査研究所の犯罪捜査依頼にも協力し,専門知識の社会還元に努めた。過年度卒業生・修了生の学習・研究支援を行った。他大学大学院修了現職教員の論文作成指導や実験機会の供与も行い,現場で努力する教員に広く門戸を開放し,学習・研究の機会を与えることが出来た。また,長期履修院生の実習協力校教員との教育支援も始めた。
  産官学連携として,耐火物・セラミックスのJIS原案作成委員会委員長はじめ,学外での各種委員会の主査・委員を勤めた。ISO・TC33(耐火物・セラミックスの国際規格委員会)の日本代表として参加し,WG17(化学分析)プロジェクトリーダーを,2008年6月からWG12(分類)のコンビナーを勤めた。また,CEN(欧州規格委員会)へも参加するなど,知的産業保護プロジェクトの一環として,日本の国益が損なわれないように活動することが出来た。 2008年の8月オスロの万国地質学会に参加し,ノルウェーやポルトガルの大学研究者との交流を深めることができた。9-10月はドイツとオーストリアの研究所を訪問,11月は中国の北京教育大学を訪問し,交流を深めることができた。
  パキスタンから外国人客員研究員を受け入れた。また,外国人研究者との共同研究・学術交流も行い,国際学会での発表や国際誌に論文を公表した。
  20年度の予定外の事業として,小学校教員資格試験出題者および検討委員があり,積極的に業務を遂行した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  本学教員の範たるべく,大学運営の他に日夜教育・研究・産官学連携に努めている。長時間勤務,休日出勤,振替休日出勤等問題もあるが,それぞれの分野で人並み以上の成果を上げるためには,人並み以上の努力が必要であろう

<年度評価の論文については,公表年でカウントして貰いたい。理由は,学術誌は刊行年は分かるが,3月までに刊行されたのかどうかが分からないから。また,年12冊刊行されるものであればNo.である程度の読替は聞くが,多くの海外誌のように年16冊刊行や1巻4号で年数巻刊行されるものに対しては,年度によるカウントは難しい。また,発刊が遅くなるのは良くあるが,12月締めの3月末日記述であれば論文カウントに大きな齟齬も生じないであろう。>

最終更新日:2010年03月15日

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