自己点検・評価報告書(生活・健康系コース(技術・工業・情報)) 伊藤陽介

報告者 伊藤 陽介

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  1. 情報技術に関連する専門的研究,及び,学校教育において利活用可能な教材・教具の研究開発の両面について研究を進める。
  2. 情報技術,技術教育に関する研究等に関する研究成果をまとめ,学術雑誌等に論文投稿するとともに,学術講演会などに積極的に参加し,研究成果を公表する。
  3. 科学研究費補助金が採択された場合,申請した研究計画に従って実施する。また,継続的な研究ができるように次年度の科学研究費補助金の申請を行う。

(2)点検・評価

  • 1の専門的研究では,主に地球観測データ解析方法に関する研究を遂行し,これに関連する研究を外部機関から2件受託するとともに,共同研究を1件実施した。 1の学校教育に関連する教材・教具では,平成20年度に公示された中学校学習指導要領の技術・家庭科(技術分野)の「プログラムによる計測・制御」の内容を学習するための自律型ロボット教材の研究開発を行った。
  • 2については,日本産業技術教育学会誌に1編の査読付論文が掲載され,電気学会論文誌に1編の論文を投稿している。また,国際会議1件,国内11件の口頭発表を実施し,積極的に研究成果を公表した。
  • 3については,科学研究費補助金の基盤研究C(一般)が研究代表者として1件採択され,申請した研究計画に従って実施した。また,基盤研究B(一般)の連携研究者としても参画し,教員免許更新支援システムに関する研究に携わった。平成21年度科学研究費補助金については基盤研究C(一般)の研究代表者として申請した。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 講義では授業内容がどのような点で学校教育と関連しているかについて詳細に解説する。実習などにおいては,学校教育で用いられている教材と同様なものを調達し,実践力のある学校教員の養成を目指す。
  2. 授業方法では独自にWeb教材を研究開発し,その教材を活用する。
  3. 成績評価方法を授業開始時に示し,成績評価を明確にする。とくに実習を含む科目においては,学生個々の学習活動を評価するための報告書を提出させて成績評価に含める。

(2)点検・評価

  • 1については,中学校及び高等学校学習指導要領の該当科目で規定されている内容と大学の授業で取り扱う内容との関連について詳細に解説しつつ授業を実施した。また,「初等中等教科教育実践Ⅲ(技術科教育コース)」の実習では,本学附属中学校で使用している自律型ロボットと同じ教材を用いて授業を行い,実践力のある学校教員の養成を目指した。
  • 2については,大学院授業科目「画像情報処理研究」の教材として利用する「画像処理プログラム・ライブラリ」を独自に開発し,Web教材化した。
  • 3については,担当するすべての授業科目において授業開始時に成績評価方法を示した。実習を含む授業科目では,学生が報告書を提出した後,個々に評価結果を記した報告書を返却することで公平性の高い成績評価となるように配慮した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. きめ細かな教育指導ができるように,一部の科目においてチーム・ティーチングを実施する。また,ティーチングアシスタントの申請が認められた授業科目においては,効果的に協働して教育にあたる。
  2. 実習を含む授業科目においては,学生が主体的に実施できるように,実習機材などの充実をはかる。
  3. 就職支援における面接指導,模擬授業の指導などを通じて,キャリア教育を行う。
  4. 学生からの相談があれば随時対応し,親身になって相談できる教員を目指す。

(2)点検・評価

  • 1については,学部授業科目「情報技術基礎(実習を含む。)」において教員2名体制でチーム・ティーチングを実施し,きめ細かな教育指導を行い学生から好評であった。さらに,同授業科目においてティーチングアシスタントが認められ,協働で教育活動を行い授業内容を充実するとともに,実習時に使用する各種機材の事前準備と片付け,実習室の環境整備が円滑に行えた。
  • 2については,学生がより主体的に授業を受けることができるように,主に情報技術関係の授業科目の実習機材であるコンピュータ部品の割り当て数を増やし,効果的な学習をねらった。さらに,平成19年度教育研究支援プロジェクト「附属学校における教育実践に基づく学部授業内容の開発」の一環として研究開発した計測・制御教材の学校教育学部における授業利用を準備した。
  • 3については,面接官としての就職支援行事への参加,模擬授業と小論文の指導を行うとともに,研究指導していた学生には,個別に丁寧なキャリア教育を実施した。その結果,研究指導していた学部学生1名,大学院修了生1名とも,それぞれ,小学校教員,中学校の技術科教員として正規採用された。
  • 4については,研究室在室中,学生からの相談があれば随時対応し,就学相談では事務的な対応にならないように親身になって相談にのった。とくに,教員採用試験や奨学金などの申請に必要な「推薦書」の執筆では,依頼者の学生と個別面談し,推薦内容の充実をはかった。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 情報技術,技術教育に関する研究等に関する研究成果をまとめ,学術雑誌等に論文投稿する。
  2. 論文投稿に加え,学術講演会などに積極的に参加し,研究成果を公表する。
  3. 科学研究費補助金が採択された場合,申請した研究計画に従って実施する。

(2)点検・評価

  • 1については,情報技術,技術教育に関する研究成果として,日本産業技術教育学会誌に1編の査読有り論文が平成20年9月に掲載され,さらに,電気学会論文誌に1編の論文を投稿し査読中である。
  • 2については,学術講演会として中国(北京)で開催された国際会議で1件の研究発表に加え国内学会において11件の講演発表を行った。
  • 3については,科学研究費補助金の基盤研究C(一般)(研究代表者:伊藤陽介)が継続研究(3年計画の最終年度)として1件採択され,申請した研究計画に従って実施した。また,基盤研究B(一般)(研究代表者:大阪教育大学橋本孝之教授)の連携研究者としても参画し研究を遂行した。得られた研究成果は,そのつど論文及び学術講演会において公表した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

各種委員会委員として,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

平成20年度大学院学校教育研究科教務委員会委員,附属図書館運営委員会委員,戦略的教育研究開発室研究開発検討部会委員,情報環境推進委員会の学内情報基盤整備ワーキング委員として本学の運営に貢献した。また,自然棟共通電算室を円滑に運営するための自然棟共通電算室運営委員会を組織し,その委員として効率的に同室を運営できるようにした。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属中学校教員と協力して,技術教育分野における共同研究を行う。(附属学校)
  2. 大学と社会との連携活動を積極的に行い,教員研修活動等を通して大学における教育研究活動で得られた成果を社会に還元する。(社会貢献)

(2)点検・評価

  • 1については,本学附属中学校より「地球観測技術を応用したコンピュータ制御に関する学習」という内容の授業について大学教員派遣依頼があり,附属中学校教員と共同研究で授業内容を開発し,平成20年11月より本依頼による授業を附属中学校において実施した。
  • 2については,(独)教員研修センターから本学に委託された「平成20年度産業・情報技術等指導者養成研修」の講師を担当し,本学における教育研究活動で得られた成果を学校教員を中心として還元できた。また,社会との連携活動では,(財)資源・環境観測解析センターPALSARデータ利用委員会委員として地球観測技術の普及に貢献した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 戦略的教育研究開発室研究開発検討部会委員として「タスクフォースによるボトムアップ型FD」という取組を作成し平成20年度「質の高い大学教育推進プログラム」に申請した。本取組は,残念ながら不採択となったが,これまでの本学におけるFD推進事業を省察し,新しいFDに関する取組を考案できた。
  2. 以下の2件の委託研究を外部機関より受託し,本学の中期計画に含まれる外部研究資金などを増加させる目標に対して貢献できた。
    • (独)科学技術振興機構による平成20年度シーズ発掘試験(発掘型)「マルチフレーム型超解像による合成開口レーダ画像の高分解能化」(研究代表者),受託金額1950千円(間接経費を含む。)
    • (独)産業技術総合研究所による委託研究「合成開口レーダ画像再生処理技術の開発に関する研究」(研究代表者),受託金額2100千円(間接経費を含む。)
  3. 以下の外部機関との共同研究を実施し,本学における研究遂行に貢献した。
    • (独)宇宙航空研究開発機構との共同研究テーマ「地球観測技術を題材とする中学校・技術教育の開発」(研究代表者)(受託金額はないが,地球観測データが本学に提供された。)
最終更新日:2010年03月12日

お問い合わせ

経営企画戦略課
企画・評価チーム
電話:088-687-6012