自己点検・評価報告書(社会系コース) 町田哲

報告者 町田哲

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  1. 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」のうち,「まるごと博物館」構想の部分について,推進委員として事業を展開させる。その中で,近世の四国遍路と地域文化との関わりついて考察を深めていく。
  2. 鳴門教育大学所蔵『後藤家文書』をもとに,後藤家とその周辺地域の社会構造分析を展開させる。

(2)点検・評価

  1. 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」のうち,「まるごと博物館」構想の部分について,推進委員として事業を展開させている。6月には神山町上一宮大粟神社の調査を行い,学生・院生と研究を進めた。2月には,成果を地元地域で報告会をおこない,好評を博すことができた。現在報告書にまとめている。
  2. 鳴門教育大学所蔵『後藤家文書』をもとに,後藤家とその周辺地域の社会構造分析を展開させ,その成果の一部を,「近世中後期における藍師後藤家の展開」(地方史研究協議会編『歴史に見る四国―その内と外と―』雄山閣,2008年10月,59-83頁)として論文発表できた。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 社会科教育の教材(日本史)に関する担当講義の充実を図る。その際,通史的視点と,その時代の特徴を多角的に捉えるような視点,この2つを養うようにする。
  2. 授業改善を行い,講義レジュメ・配布資料の充実や,歴史考察の具体的素材の導入(古文書やフィールドワークなど),時間外での質問の受け入れ等を図る。とくに大学院集中講義「四国遍路と地域文化」・学部「地域社会研究」等の取り組みに協力する。
  3. 内容理解度,出席状況,授業態度等から総合的に成績を判断する。

(2)点検・評価

  1. 社会科教育の教材(日本史)に関する担当講義の充実を図った。とりわけ,コアカリキュラムの一つ「初等中等教科教育実践では,近世日本の時代の特徴を絵画資料から多角的に捉えるような視点を養うようにすることができた。
  2. 大学院集中講義「四国遍路と地域文化」では,新たに21番太龍寺~23番薬王寺のコースを加え,成功させることができた。
  3. 内容理解度,出席状況,授業態度等から総合的に成績を判断するよう努めている。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 社会科教育で重要な,地域史の方法と実践について,理解を深められるよう授業を進める。具体的には,地域で誠実に生きる人々の営みが歴史を動かしていることの理解が得られるよう努力する。
  2. 学生の自主・自立を尊重しながら,学生の進路・悩み等の相談に随時応じる。

(2)点検・評価

  1. 社会科教育で重要な,地域史の方法と実践について,理解を深められるよう授業を進めた。具体的には,附属図書館所蔵横山家文書(神山町)の整理や,現代GPで調査整理した上一宮大粟神社文書(神山町)を利用しながら,地域で誠実に生きる人々の営みが歴史を動かしていることの理解が得られるよう努力した。また学生・院生も,こうした理解を獲得することができたことで,より積極的に歴史学的思考力を身につけることができた。
  2. 学生の自主・自立を尊重しながら,学生の進路・悩み等の相談に随時応じている。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 鳴門教育大学附属図書館所蔵『後藤家文書』を使った研究を深め,徳島の地域に根ざした歴史研究を継続的に進める。
  2. 従来から研究している「近世和泉の仲間組織と地域社会構造に関する基礎的研究」を進め,原稿化を目指す。
  3. 科学研究補助金の新規申請を行い,学外資金の調達を目指す。

(2)点検・評価

  1. 鳴門教育大学附属図書館所蔵『後藤家文書』を使った研究を深め,徳島の地域に根ざした歴史研究を継続的に進め,「近世中後期における藍師後藤家の展開」(地方史研究協議会編『歴史に見る四国―その内と外と―』雄山閣,2008年10月,59-83頁)として論文発表できた。
  2. 従来から研究している「近世和泉の仲間組織と地域社会構造に関する基礎的研究」を進めたが,論文等としては実らなかった。今後の課題としたい。
  3. 従来のテーマを大きくあらため,「近世阿波における山村の生業と流通に関する構造的研究」と題して,科学研究補助金の新規申請を行い,学外資金の調達を目指している。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 講座・2部の一員として,所定の各種会議に参加し,職務を遂行する。
  2. 四国遍路に関する現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」事業に参加し,推進させる。

(2)点検・評価

  1. 講座・2部の一員として,実地教育専門部会に参加し,会議および実習校への挨拶回り等実施することができた。
  2. 四国遍路に関する現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」事業に参加し,「まるごと博物館構想」を推進させた。とりわけ神山町上一宮大粟神社の調査・分析を学生・院生と共にすすめ,2月には地元地域ので報告会および聞き書き会を成功させることができた。今後の活動に大きな弾みとなるとりくみとなった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 鳴門史学会等における研究活動を通じて,地域との人的,学術的な交流を図る。
  2. 附属小中学校の実習・研究会等にできるだけ参加・支援する。

(2)点検・評価

  1. 鳴門史学会において「人形浄瑠璃からみた阿波の近世」を計画・開催し,東京から第1人者の神田由築氏を招くなどして,80名の参加者を得,地域との人的,学術的な交流を図ることができた。
  2. 附属小中学校の実習の研究授業およびゼミ生の評価授業を参観し,指導助言した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  四国遍路に関する現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」事業に参加し,とくに「まるごと博物館構想」を推進させることができた。また新規学部授業「地域社会研究」についても参加している。今後,この方面における教育および地に足をつけた研究に取り組んでいきたい。

最終更新日:2010年03月29日

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