自己点検・評価報告書(言語系コース(英語),小学校英語教育センター) 前田一平

報告者 前田一平

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画
  • 博士論文を完成させ,学位審査に合格し,同論文を研究書として出版する手はずを整える。
  • 日本アメリカ文学会全国大会において,予定している研究発表を実施する。
  • 日本ヘミングウェイ協会全国大会において実施予定のシンポジウムを,コーディネーターとして成功させる。
(2)点検・評価
  • 博士論文を完成させ,広島大学大学院文学研究科にて2月に審査を受け,3月に学位を授与された。本年度に入って南雲堂より出版許可を得,編集作業中である。
  • 日本アメリカ文学会第47回全国大会(西南学院大学)にて「作家Nick Adams,人物Nick Adams,そして『彼』」を発表した。
  • 日本ヘミングウェイ協会第19回全国大会において,シンポジウム「ヘミングウェイを教室で教えるー『日はまた昇る』の場合」をコーディネーターおよび講師として実施した。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  教育実践力は小手先の技術ではなく,幅広い知識と深い思考力,豊かな想像力と弾力性のある精神を前提とするものである。そのために,1.授業内容については,基礎学力の養成に焦点をおいた授業内容,2.授業方法については,授業を核としながらも,学生に自らが授業外に知識や教養を求める自立型の学習を促す授業方法,3.成績評価については,単なる知識や技術ではなく,それらを運用するに十分な思考力や想像力および表現力を組み込んだ成績評価を,それぞれについて工夫をして取り組む。この目標・計画を毎年の授業実践の基本とする。
(2)点検・評価
  • 授業内容:「英語基礎研究」でリメディアル教育を実施した。大学入試レベルの英語力不足を再認識した。学生たちの間にも大学入試レベルの復習に高い関心が感じられるので,今後とも継続する必要があると評価する。
  • 自立型の学習を促すことに関しては,具体的な方策をとるに至らなかったが,常に,教育や社会文化に関わる新聞記事を紹介し,現代の諸問題を知り,それに関してみずからの意見をもつよう促した。学生の反応はとてもよいのだが,それは即ち,学生自身が新聞を読んでいないという証拠でもある。継続する価値は高いと評価する。
  • 授業の成績評価については,単なる知識の暗記を確認するのではなく,テキストや資料を持ち込ませて,読解し思考し表現する試験を出題することによって,読解力・思考力・表現力を評価した。目標・計画通りに実施できた。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画
  • 英語科の学生を中心に,英語の基礎力伸長を促す。特に,授業とゼミを通じてTOEIC受験を呼びかける。また,アメリカ留学が可能になったので,TOEFL受験指導も実施する。あわせて,積極的に留学をするよう働きかける。
  • 現代の大学生は読解力が著しく劣っていると思われるので,読書を勧める。特に,新聞を読むことによって,時事や文化の流れを知り,理解し,それによって自らの意見,考えをもつよう指導する。
  • 学生が教員と話をしやすい環境づくりを心がけ,授業外での学生との交流を図る。
(2)点検・評価
  • 学部と大学院合同のゼミ(7名)において,研究以外に英語の基礎学力を養成するために,大学入試用の参考書を毎週定期的に学習した。TOEICおよびTOEFL受験指導へとつなげた。ゼミ生1名がアメリカ留学予定である。
  • 新聞教育については1-2で示したとおり,予定通り実施した。
  • 学生との授業外での交流については,オフィス・アワーに限らず,研究室はオープンであることを常々伝えてきた。その結果かどうか,学習相談のみならず,コース内部の問題について内密の相談を受けることも少なくなかった。

2-2.研究

(1)目標・計画
1の1.とは別に,
  • 日本アメリカ文学会の編集査読委員として学術誌の編集と書評に取り組む。
  • 日本ヘミングウェイ協会の評議員,大会運営委員長,論文査読委員として,日本におけるヘミングウェイ研究の発展に貢献する。また,同協会が作成中の『ヘミングウェイ事典』(北星堂)(予定)の編集委員として編集作業を継続する。
  • 中・四国アメリカ文学会の評議員として,同地区のアメリカ文学研究に貢献する。
  • 日本英文学会中国四国支部の理事として,同地区の英文学研究に貢献する。
  • 平成19年度科研(基盤C)による成果をAALA Journal(アジア系アメリカ文学研究会学術誌)に掲載する。
(2)点検・評価
  • 目標・計画に挙げた学会活動はすべてと滞りなく実施した。
  • 科研の成果である論文「No-No Boyの地理学」がAALA Journalに掲載された。

2-3.大学運営

(1)目標・計画
  • 各種委員会の仕事に尽力し,本学の運営に貢献する。
  • 教員が減じられている所属講座の運営に他の教員と協力してあたる。
  • 小学校英語教育センター長に任じられているので,これに誠実にあたり,同センターの運営に尽力する。
(2)点検・評価
  • 就職委員会,学部入試委員会の委員として任務にあたった。
  • 採用人事,昇任人事の選考委員会主査を務めるなど,コース運営にも尽力した。
  • 小学校英語教育センター所長としては,不慣れなことや専門外であることもあって,積極的な関与はできなかったが,無難に運営を終えた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  • 附属教員との交流を講座として,これまで以上に実施する。
  • 教育実習を参観して,研究授業などで助言をする。
  • 教育支援講師として,依頼があれば進んで授業,講演を実施する。
  • 国際交流については,学生に留学を勧める。また,大学の国際交流事業については,特に英語教員としてできることには積極的に協力する。
(2)点検・評価
  • 学部1年生の担任として観察実習のため,また学部3年生の実習のため,附属を訪れ,学生の指導に加え,附属教員と意見交換した。
  • 入試課に依頼のあった進路指導のため,阿波高校で教員養成学部に関する説明を実施した。
  • 留学を勧めた結果,ゼミ生1名がアメリカ留学の予定である。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 科研補助金の2年目の交付を受けた。
  • 中・四国および全国学会で評議員・理事や編集委員あるいは大会運営委員長を複数務めたこと,また全国学会で研究発表とシンポジウム(コーディネーターを務めた)を実施したことは,本学の知名度向上に幾分かは貢献したものと思える。
最終更新日:2010年02月17日

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