自己点検・評価報告書(社会系コース) 齋木哲郎

報告者 齋木哲郎

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画
  これまで続けてきた「唐宋新春秋学の研究」をまとめ上げ,その成果を公にしたい。具体的に言えば,これまで進めてきた研究を研究発表等を通じ,公にしてゆくということである。またこれまでの研究をで得られた成果を更に補完し,発展させるために関係する領域についても調査・研究の作業を施したい。
(2)点検・評価
  「唐宋新春秋学の研究」を『唐宋新春秋学の研究』(A4版,1600字×522頁)として完成させた。また,これを博士論文として京都大学へ提出し,「博士(文学)京都大学」(論文博第551号)を受けた。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  私が担当するのは哲学・倫理学といった,学生から見れば最も退屈な科目の一つである。その授業を興味有るものに仕上げ,学生達が意欲を持って授業に臨んでくれることが私の目標である。そのために,資料についてはいかに特殊なものであろと受講者にとって分かり易く説明し,特殊な概念や言葉についてはそれらの背後にある観念ないし事件と結びつけて説明したい。抽象的な思考のままで終わらせないためである。そのようにして学生達自身にとっても共感し得るような授業となることを心がけ,そうしたやり方かひいては学生達が教壇に立ったときに,参考になってほしい。評価は授業への出席と試験によって決定するが,そのことは最初の授業で受講生に周知したい。
(2)点検・評価
  予定通りの授業ができた。年々中国からの留学生が受講することが多くなった。内容が中国のものであるにも拘わらず,中国人にとっても新鮮な内容であったとする意見を戴いている。これまでのやり方を踏襲して,受講生の情況・反応をみながら授業を組み立ててゆくつもりである。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画
  私が現在学生達ともっとも密接に関わっているのは,担任として社会系2年生の学生達徒である。従って,まず彼等が無事大学生活を送れるようサポートすることが,私に課された重大な任務であろう。拘束することなく,大学生活を送る中で彼等の相談に乗り,教育者になるために歩むべき道を伴走したい。また,他の学生や院生の諸君に対しても依頼されたことは一通りこなしているが,彼等に対しても適切なサポートができるよう務めたい。
(2)点検・評価
  2年生の担任にとして,学生の相談にあずかることが多かった。その大半はゼミ分け・将来の職業のことであった。先輩の例など織り交ぜて説明し,役立ててもらえた。また院生からは研究上のこと,学会のことで依頼を受けた。文献資料の読解法や学会に加入することであった。学生の希望通りに事を進めた。

2-2.研究

(1)目標・計画
  まず,これまで進めてきた「唐宋新春秋学の研究」の公表である。すでに膨大な原稿が書き上げられている。論文ないし著書として公表し,学界や社会に公表したい。
  また,これと関連し,南宋朝の儒教の展開を春秋学を通じて展望する作業を開始する。というのは,春秋学というのは,宋代に私が新春秋学と呼ばなければならなかったほどに極めて特殊な展開を辿るのであるが,それが後に元朝においては特に重視され,学官もおかれることになるからである。宋元儒教の展開は春秋学を通じて初めて可能になると思う。
(2)点検・評価
  「唐宋新春秋学の研究」に関しては,先にも触れたように,『『唐宋新春秋学の研究』(A4版,1600字×522頁)として纏め,これを博士論文として京都大学へ提出し,「博士(文学)京都大学」(論文博第551号)を受けた。 この本に関しては,国会図書館や京都大学図書館に配架され,公表は済んでいるが,審査に当たってくだされた先生方の勧めもあり,今後改めて出版する予定である。また,今年度から正式に「宋元新春秋学の研究」を立ち上げ,研究を進めている。

2-3.大学運営

(1)目標・計画
  私に与えられた職責を十分に果たすということに尽きる。これまでは連合大学院の社会系連合講座議長として噴出した様々な問題に対応してきた。疲れ切る場面の連続であったが,また私に対しできることがあれば連合大学院の構成員として協力してゆきたい。
  また,大学の犯罪化を防ぐという意味で,私がなすべきことをなさねばならない場合には,その責めを果たしたい。
(2)点検・評価
  与えられた仕事をこなしてきたという点では,連合大学院・学内各種委員,更には2年生の担任としての仕事等は予定通りの結果であったといえよう。
  「大学の犯罪化を防ぐという意味で,私がなすべきことをなさねばならない」ということについては,まだまだ不足している。昨年の社会系の4年生で登校拒否を起こした学生の事情の説明とその救済については,最先になさなければならないことであった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  日本道教学会・中国出土資料学会の理事としての職責を全うし,教育大学の教員であれ,それらを専門に研究し得る立場の教員と,同等それ以上の力のあるところを示したい。また,私に対し,近年中国の大学から研究発表の要請が多くなった。これらの要請に対しても誠実に答え,それが本学の国際交流にも寄与できるよう努力したい。
(2)点検・評価
  上記学会役員として活動をこなした。また中国の清華大学経学研究中心から論文の投稿を求められ「揚雄与経学」を投稿した。審査を通過して,次号あるいはその次の号の「中国経学」に掲載されることになった。また「第3届中国経学国際研討会」準備委員会から招聘状を受けた。参加するつもりで準備を進めている。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  これまで毎年日本学士院賞の受賞者に選ばれてきたが,その都度私には知らされず潰されてきた。今回もその通知は私の下に届いていないことから,受賞が確定したかどうかは定かではない。が,もし受賞者として選ばれているのであれば,わが国最大級の栄誉を受けたことになる。また,借りに受賞の通知が本学にあったのにそれを私に知らせないということで,潰されたたのであれば,それは極めて悪質な犯罪であって,司直に委ねなければならない事態である。
最終更新日:2010年02月17日

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