自己点検・評価報告書(社会系コース,地域連携センター) 大石雅章

報告者 大石雅章

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画
  1. 日本中世史における寺社の活動を地域社会史や民衆生活史の視点から検討する。とくに現在の中学校の歴史や高等学校の日本史の教科においては,宗教が文化的作品や宗派の列記に留まっている。豊かな民衆生活史の構築とその成果を踏まえた学校教育へ提言を目指して研究をすすめる。
  2. 今年度は科学研究費の課題研究の最終年度にあたり,室町期から戦国期にかけての寺院と民衆生活にて検討し,その成果をまとめる予定である。また現代GPの四国遍路に関する歴史研究等を深める。
(2)点検・評価
  1. 日本中世において地域社会や民衆生活での宗教や寺院の機能について研究をすすめた。その成果の一部は,最終年度にあたる科研のウェーブ報告書に発表し,また大学院授業「歴史学研究I」の講義内容にその成果を反映させた。
  2. 現代GPの四国遍路研究では,「丸ごと」博物館構想のグループ(主査町田哲准教授)による神山町の上一宮大粟神社の調査研究に参加し,現地報告会を支援した。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  1. 日本史の授業においては,日本史とは何かを考えさせ,中学校や高等学校の教科書との対応箇所(記述)を示し,現場での教育実践に対応できる理解力と知識を身につけさせる。
  2. 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」の実施するために,歩き遍路体験を組み込んだ「阿波学」の実施,遍路文化の発信をめざす「地域社会研究」の立ち上げなど,授業の新たな取り組みを始める。教師教育にふさわしい人間教育の授業となるように内容・方法を吟味しながらおこなう。
  3. 評価は授業内容によって多様であるが,学生が前向きに取り組んでいるかという点を核に評価する。
(2)点検・評価
  1. 日本史の授業では日本史とは何か。ものの考え方や見方などについて考えさせ,中学・高校の教科書も利用しながら,教科の理解を深めさせ,教師としての力量を高めるよう努めた。
  2. 現代GP関係では歩き遍路体験授業「阿波学」を実施し,107名の受講生を得た。今年度から始まった「地域社会研究」では,受講生の作品作りの歴史分野を担当し,作品をGP講演会や附属図書館に展示し,その成果を社会に公開した。
  3. 学生が課題意識をもち積極的に授業に参加し,学習成果を上げているかを重要な柱として,評価した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画
  1. 授業時間外においても可能な限り時間を取り,質問を受けることを伝え,学生が主体的に学ぶ環境づくりに努める。
  2. 四国遍路に関する調査研究に学生を参加させ,学生に地域文化を学び,地域社会と交流する能力を身につけさせる。
  3. 指導学生を中心に研究・学習だけでなく,学生生活についても相談があれば,随時相談にのり,充実した学生生活が送れるように支援していく。
(2)点検・評価
  1. 会議等で時間的な制約を受けたが,授業時間外においても,可能な限り学生の質問や相談に応じ,学生が主体的に学習・研究できるように努めた。
  2. 四国遍路に関しては,学生の上一宮大粟神社の調査研究や,また学生ボランティアの小学生等の歩き遍路体験の支援を行い,地域文化理解,子ども理解を深め教員としての力量を高めるよう努めた。
  3. 指導学生について,研究・学習面だけでなく,進路や学生生活においても相談にのり,学生生活を支援した。

2-2.研究

(1)目標・計画
  1. 科学研究費の研究課題の最終年度にあたり,その研究をすすめ,それをまとめる過程で自らの歴史学研究を深める。
  2. 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」の研究教育活動をすすめ,本学の大学教育や地域社会に貢献する。
(2)点検・評価
  1. 科学研究費の報告については,中世後期から近世への地域寺院の組織の変化,また和泉・河内・紀伊における地域権力のあり方による地域寺院の差異について検討し,一部成果をウェーブ報告で示した。
  2. 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」の研究教育活動では,上一宮大粟神社の調査研究に参加し,歩き遍路体験の活動も支援し,その成果報告会や講演会を開催した。
  3. 連合の内容学の研究プロジェクト(主査西園芳信教授)に参加し,研究会に参加して報告書の作成に協力した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画
  1. 平成20年度から教育組織,教員組織が大きくかわるが,スムーズに大学の教育研究活動がおこなえるように,任命された委員等を,責任ある行動をもってその役割を果たし,大学運営に微力ながら貢献する。
(2)点検・評価
  1. センター部長・地域連携センター所長として諸委員会に出席し,大学の運営に微力ながら貢献した。
  2. 実地教育部会の部会長として,本学の実地教育がスムーズに,またより有効なものとなるように,附属学校等との連携をはかりながら努めた。付属学校等の要請を受け,指導案作成などの本学での実地教育指導の充実などに努めた。
  3. 評価委員会のもとの研究評価部会の委員とその評価案作成に関わった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  1. 附属校での研究会や,学生の実習の際の評価授業などに参加し,附属校との連携をはかりたい。
  2. 社会との連携では,徳島県・鳴門市等から委員会や審議会の委員の就任を要請された場合時間の許す限りと積極的に引き受け,地域との連携に努める。
  3. 留学生が安心して研究活動ができる環境づくりに努め,指導留学生については生活面にも配慮を行いながら指導する。
(2)点検・評価
  1. 実習を担当するセンター所長として附属学校や鳴門市学校との連携がスムーズにいくように可能な限り努めた。また指導学生の教育指導も兼ねて評価授業に参加した。
  2. 板野郡3町との包括的協定締結のための下準備に微力ながら協力した。その後も北島町等からの支援要請を受け,その対応に努めている。また徳島県立博物館・徳島県立文書館の両協議会副会長,鳴門市の文化財保護審議委員会委員,北島町小学校校区検討委員会委員等を努めた。
  3. 指導学生の留学生が安心して研究活動ができるように,可能な限り相談にのり支援した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  なし
最終更新日:2010年02月17日

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